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職人に乾杯!――ドイツの黒い森から 49(びすこ)
今回のブログを思いついたのは、KBCのフォーラムでのいちまるさんとのやり取りがきっかけだった。そこでいちまるさんはそれまでのザシキローノマドやイモズルシキホンノキに続いて 11 月中旬から陋屋正伝シリーズを開始され、古い新居の改築の過程を綴っておられる。生来の器用さとアイデ...

クレマチス
2023年1月10日読了時間: 13分


風信 沼のほとりから 第34号 令和四年師走
今年最後の「沼のほとりから」が届きました。大荒れの令和 4 年も残り 1 週間、コロナもウクライナも統一教会も、何一つスッキリとかたづかないまま過ぎ去ろうとしていますが、春硯さんの世界と自然を捉える境地は一貫して過去と現在と未来を見つめ、研ぎ澄まされた詩語に定着されています...

クレマチス
2022年12月25日読了時間: 1分


利他主義の破綻――ドイツの黒い森から 48(びすこ)
今年の最後の四半期には、個人としても社会的にも、遺憾なあるいは不快極まりない出来事が相次いだ。 まず 10 月には、27 年前に私が夫に出会うきっかけを作ってくれて(それは意図せざる結果だったが)、その後も暖かく見守ってくれていた男性が 84...

クレマチス
2022年12月23日読了時間: 12分


「民主主義に万歳二唱」他―E. Mフォースター――ドイツの黒い森から 47(びすこ)
今でこそ、E. M. フォースターと言えばその原作に基づくアイヴォリー監督の映画「ハワーズ・エンド」が複数部門でアカデミー賞を受賞し、またデヴィッド・リーン監督の「インドへの道」がアカデミー賞に加え世界各地で数々の賞を手にしたことなどからすっかり有名になったが、私が大学生の...

クレマチス
2022年11月29日読了時間: 14分


風信 沼のほとりから 第33号 令和四年霜月
落ち着かない世相とは別にこのところ穏やかな小春日和が続いて紅葉も今年は例年よりは美しいようです。今月も沼のほとりから春硯さんの落ち着いた世相観察と平明で奥行きのある句帖が届きました。「W杯カタールに見る中東の金満家ぶりに呆然。あの映画「アラビアのローレンス」に登場の遊牧民族...

クレマチス
2022年11月22日読了時間: 1分


人手不足――ドイツの黒い森から 46(びすこ)
今年 10 月末から 11 月初めにかけての万聖節を含む 4 連休は夫の郷里で過ごした。そこはドイツ西南部のライン川とモーゼル川とに挟まれた地域で、夫の実家の後ろにはフンスリュックと呼ばれる森林が広がり、針葉樹が優勢なここシュヴァルトヴァルトと違って広葉樹が多いので、春の新...

クレマチス
2022年11月9日読了時間: 10分


風信 沼のほとりから 第32号 令和四年神無月
ウクライナ情勢もいよいよ切迫してきた気配ですが、季節は着実に進行して実りの秋になりました。そんな世界と身辺の変化を春硯さんが今月の風信に凝縮して葉書一枚の大きさの中に表現してくださいました。句帖は豊かな季節の風物に囲まれた大きな喪失感の感じられる深い余韻の残る句ばかりでした...

クレマチス
2022年10月22日読了時間: 1分


白いペスト――ドイツの黒い森から 45(びすこ)
この「白いペスト」という言葉が結核を指すものであることは、かなり昔から、それもかなり多くの人の間で常識だったようだが、非常識で無知な私がそれを知ったのは、恥ずかしながら(今さら恥じても仕方ないが)ほんの数年前、忘れもしない 2019 年の暮れのことだった。...

クレマチス
2022年10月18日読了時間: 10分


風信 沼のほとりから 第31号 令和四年長月
「暑さをものともせず探求者として美のホットスポットを巡歴する大兄には敬服するばかりです。それにひきかえ私は炎帝の暴虐に怖れをなし老懶無為の日を重ねるばかりでした。その夏も過ぎようとしています。…今日からはオープンカレッジの源氏講義が新学期です。松戸にある高層の会場の窓からは...

クレマチス
2022年9月29日読了時間: 1分


ドイツ東方見聞録――ドイツの黒い森から 44(びすこ)
今回のブログはドイツ東部への旅行記なのでこういう題になった。ドイツ東部というのは旧東独、かつての正式名はドイツ民主主義人民共和国(Deutsche Demokratische Republik-通称DDR)で、1990 年の東西ドイツ再統一によりこのソ連の衛星国は西ドイツに...

クレマチス
2022年9月25日読了時間: 9分


母と息子――ドイツの黒い森から 43(びすこ)
ユング派の分析家が 1980 年代に名付けたという「父の娘」なる概念を知ったのは、もうだいぶ前になるが鶴見俊輔のインタビュー記事を読んだときだった。戦後の進歩的文化人の代表とされたこの評論家が社会学者として有名な妹の鶴見和子について尋ねられたとき、政治家・著述家だった父祐輔...

クレマチス
2022年9月5日読了時間: 8分


風信 沼のほとりから 第30号 令和四年葉月
「年々酷暑の度が上がって、今年は梅雨明けが早く、その頃から炎帝威高々で真夏日続きでした。小生など足の衰えも加わって炎熱を恐れ連日籠居の有様です。… たまには神田方面にも出かけますか。神保町も三省堂が改築とか、我々の息した町とは大きく変わることでしょう。気象も時代も街も変わり...

クレマチス
2022年8月30日読了時間: 1分


夏休み感想文――ドイツの黒い森から 42(びすこ)
欧州全体にわたって今年の夏休みはコロナの影響は少なく、しかし間接的には人手不足で航空機を飛ばせないとか、空港で積み残された何千人分もの荷物がそのまま乗客の帰国を待っているなどの問題が頻発したが、それでも特に若い人や家族連れは果敢に地中海やスペイン、さらには東南アジアなどに飛...

クレマチス
2022年8月13日読了時間: 11分


風信 沼のほとりから 第29号 令和四年文月
「…コロナ第七波が猛威をふるっていますが大丈夫ですか。私は今日ワクチン四回目の接種を受けます。病気で入院することほど詰まらないことが無いのを経験しているので接種は有り難いです。平々凡々に安穏に暮らせることが一番幸せということを老いて知りました。…」(メールから)...

クレマチス
2022年7月29日読了時間: 1分


ある週末に――ドイツの黒い森から 41(びすこ)
毎週土曜日はわたしたち夫婦の買い出しの日である。普段は亭主が仕事をしていて、それもフルタイムの現役なので、車の運転ができない私は土曜日を待つほかない。その土曜日も、午前中は機械のメンテナンスやペンキ塗りや窓・屋根のガラス磨きに必ず何人かが来るので、彼らが帰る午後1時を過ぎて...

クレマチス
2022年7月18日読了時間: 12分


Correspondence(2022/3/25-7/4)あるいはウクライナと西欧、コロナについて
ブログ―ウクライナ情勢と難民受け入れ 2022/03/25 金 00:22 Cさま 弥生三月も残りあと一週間、今年は移動祝日の復活祭が来月半ばですので、いつにもまして四月が待たれます。その前に、次の日曜日にはサマータイムに変わります。このサマータイム、EUで 2017 〜...

クレマチス
2022年7月4日読了時間: 41分


それぞれのケーニヒスベルク――ドイツの黒い森から 40(びすこ)
ケーニヒスベルクというのは、最近ロシアのウクライナ侵攻に反発してリトアニアがそこへの物資輸送を阻止したカリーニングラードのことである。またカリーニングラードというのは都市の名称であると同時に、その町のある州全体をも意味し、このカリーニングラード州の方はかつて東プロイセンと呼...

クレマチス
2022年6月29日読了時間: 14分


風信 沼のほとりから 第28号 令和四年水無月
「…私は毎週、松戸のオープンカレッジで源氏物語を受講していますが、教室が 14 階という高さで、窓からは江戸川の向こうに大兄の住む葛飾区が遠望できます。最近は東京も遠くなりましたが昔は金町の碁会所でよく打ったものです。柴又も道路拡張などで街の風景も変わると聞きますが、ブログ...

クレマチス
2022年6月23日読了時間: 1分


ロシアの「言い分」――ドイツの黒い森から 39(びすこ)
日本の人達のブログやつぶやきを見ていると、ウクライナ問題はやはり地理的な距離のせいか、いくら新聞が詳しく報道しても、ネットで専門家が的確な解説をしても、あまり切実にとらえていないという気がする。それ自体は全く責められない。日本の近海に北朝鮮のミサイルが落ちても欧州では「おや...

クレマチス
2022年6月15日読了時間: 14分


風信 沼のほとりから 第27号 令和四年皐月
荒れ模様の天候が落ち着いたと思ったら、5月 としては記録的な暑さとなりました。今回の風信では長期化するウクライナ情勢とかつての職場の先輩でエッセイスト・翻訳家でもある歌人の持田鋼一郎さんの歌集「愛河波浪哀歌」を紹介していただきました。真っ白なウツギの花が目に浮かぶような3,...

クレマチス
2022年5月30日読了時間: 1分