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「ブッデンブローク家の人々」感想文(1)―ドイツの黒い森から 68(びすこ)
風信 沼のほとりから 第60号 令和七年 如月
初御空沼のほとりに六十年 六十年!大きな大きな一巡りですね。闇なき高度成長期の60年前…始まった壮年期、さぞかし気力みなぎる季節でしたでしょうね 、沼の記憶と交差する思い…想像するばかりですが一瞬気が遠くなりそうになりました…。 鳥籠のインコと老老日向ぼこ 図体の違いはあれと同じ風景を見ている血の通った同士の微笑ましい連帯しんみり伝わってきました。 大利根はまだ明けやらず初電車 また始まる世の中の騒然も、年初とあらばの感懐新た、初電車が新年を強引に幕開けてゆく 在り在りて苔むす身にも初日かな 苔のむすまでゆるりと御身運んで、初日、我が身に重ねてめでたしです。 臘梅や天空無限の碧さなり 光る臘梅と碧に吸い込まれたくなります。 臘梅や暁闇の薄明かり ゲーテならずとも薄明かりは希望、いつだってそこにいる、そこにある、、ような気がします 今日もまた夜明けは近づいています、春硯さんの俳句で気持ちよく起きられます、今月もありがとうございました❣️
今回は少し遅めのお便りでしたので、お変わりないだろうかと思っておりました。
私の方も「在り在りて苔むす身」になりつつあります。喜寿を越えて、次は傘寿、それから米寿・・・まで果たして「在る」かどうか何とも心もとないのですが、一昔前の人間の平均寿命を思えば、そこそこ元気で80年近く生きられただけでも有難い限りです。
言及なさっている李承晩も長寿でしたね。当時としては破格の90歳。この人については子供の頃に「李承晩ライン」に関連して新聞でよく目にしました。日本人への復讐心からかこのラインを僅かでも越えた漁船が次々と拿捕され、漁師たちは韓国でどんな目に遭っているかと子供心に案じたものでした。その後彼らが帰還したとき、私の記憶では、韓国での扱いに関する報道はなかったように記憶しています。
この点は先のイスラエル人の人質(の一部)の解放に関しても同様で、彼女たちの15カ月間の悪夢に関してはメディアも沈黙していますが、解放直後に流れたニュースで「彼女たちは直ちに病院に運ばれ、そこで妊娠の有無の検査が行われました」と聞いたときには、ただただ唖然としました。まるで感染症の検査のごとくそれが当然という淡々とした報道ぶりにも、文化と感性の違いを痛感させられました。
ニクソンについてもどうもスッキリしない思いがあります。大統領の指示のもとでの大規模な盗聴というのは確かに犯罪ですが、私には常に「ニクソンはマスコミが言うほど悪い人なのだろうか」という疑問がありました。今でもあります。その一方で、ケネディはマスコミが称えるほど立派な大統領だったのだろうか、という疑問も。具体的に彼はアメリカにどんな善き遺産を残したのでしょうか。この文明の世界に、なぜ悪人と善人という単純な二分法が幅を利かせているのかといえば、今でも中世のヨーロッパや西部開拓時代のアメリカ同様に、世人がそれを好むことにメディアが乗じているだけという気がします。
「第四の権力」と言われるメディアについて、一般市民は鵜呑みにせず、笛や太鼓の音に合わせて踊ることなく、もっと冷静に批判や懐疑の目を向けるべきではないでしょうか。ほぼ誰もが十分な教育を受け常識もわきまえているはずの現代においても、有名人のスキャンダルは庶民の娯楽、メディアにとっては「飯の種」。昨年の斎藤兵庫県知事、岩本絹子東京女子医大元理事長、今は中居正広とフジテレビ・・・血祭にあげる人物が次々に現れてマスコミ陣は安泰、というところ。
蠟梅。黄色い春の花の先駆けですね。こちらではまだ冬の真っ最中ですが、今年は今のところ大雪も降らず氷も張らない中途半端な日々です。ドイツに来て初めて「氷柱」なるものを見て、
・鏡中に動くものあり氷柱落つ
などという句が浮かんだものでした。
初御空沼のほとりに六十年 六十年!大きな大きな一巡りですね。闇なき高度成長期の60年前…始まった壮年期、さぞかし気力みなぎる季節でしたでしょうね 、沼の記憶と交差する思い…想像するばかりですが一瞬気が遠くなりそうになりました…。 鳥籠のインコと老老日向ぼこ 図体の違いはあれと同じ風景を見ている血の通った同士の微笑ましい連帯しんみり伝わってきました。 大利根はまだ明けやらず初電車 また始まる世の中の騒然も、年初とあらばの感懐新た、初電車が新年を強引に幕開けてゆく 在り在りて苔むす身にも初日かな 苔のむすまでゆるりと御身運んで、初日、我が身に重ねてめでたしです。 臘梅や天空無限の碧さなり 光る臘梅と碧に吸い込まれたくなります。 臘梅や暁闇の薄明かり ゲーテならずとも薄明かりは希望、いつだってそこにいる、そこにある、、ような気がします 今日もまた夜明けは近づいています、春硯さんの俳句で気持ちよく起きられます、今月もありがとうございました❣️
今回は少し遅めのお便りでしたので、お変わりないだろうかと思っておりました。
私の方も「在り在りて苔むす身」になりつつあります。喜寿を越えて、次は傘寿、それから米寿・・・まで果たして「在る」かどうか何とも心もとないのですが、一昔前の人間の平均寿命を思えば、そこそこ元気で80年近く生きられただけでも有難い限りです。
言及なさっている李承晩も長寿でしたね。当時としては破格の90歳。この人については子供の頃に「李承晩ライン」に関連して新聞でよく目にしました。日本人への復讐心からかこのラインを僅かでも越えた漁船が次々と拿捕され、漁師たちは韓国でどんな目に遭っているかと子供心に案じたものでした。その後彼らが帰還したとき、私の記憶では、韓国での扱いに関する報道はなかったように記憶しています。
この点は先のイスラエル人の人質(の一部)の解放に関しても同様で、彼女たちの15カ月間の悪夢に関してはメディアも沈黙していますが、解放直後に流れたニュースで「彼女たちは直ちに病院に運ばれ、そこで妊娠の有無の検査が行われました」と聞いたときには、ただただ唖然としました。まるで感染症の検査のごとくそれが当然という淡々とした報道ぶりにも、文化と感性の違いを痛感させられました。
ニクソンについてもどうもスッキリしない思いがあります。大統領の指示のもとでの大規模な盗聴というのは確かに犯罪ですが、私には常に「ニクソンはマスコミが言うほど悪い人なのだろうか」という疑問がありました。今でもあります。その一方で、ケネディはマスコミが称えるほど立派な大統領だったのだろうか、という疑問も。具体的に彼はアメリカにどんな善き遺産を残したのでしょうか。この文明の世界に、なぜ悪人と善人という単純な二分法が幅を利かせているのかといえば、今でも中世のヨーロッパや西部開拓時代のアメリカ同様に、世人がそれを好むことにメディアが乗じているだけという気がします。
「第四の権力」と言われるメディアについて、一般市民は鵜呑みにせず、笛や太鼓の音に合わせて踊ることなく、もっと冷静に批判や懐疑の目を向けるべきではないでしょうか。ほぼ誰もが十分な教育を受け常識もわきまえているはずの現代においても、有名人のスキャンダルは庶民の娯楽、メディアにとっては「飯の種」。昨年の斎藤兵庫県知事、岩本絹子東京女子医大元理事長、今は中居正広とフジテレビ・・・血祭にあげる人物が次々に現れてマスコミ陣は安泰、というところ。
蠟梅。黄色い春の花の先駆けですね。こちらではまだ冬の真っ最中ですが、今年は今のところ大雪も降らず氷も張らない中途半端な日々です。ドイツに来て初めて「氷柱」なるものを見て、
・鏡中に動くものあり氷柱落つ
などという句が浮かんだものでした。