top of page
執筆者の写真クレマチス

風信 沼のほとりから 第33号 令和四年霜月

落ち着かない世相とは別にこのところ穏やかな小春日和が続いて紅葉も今年は例年よりは美しいようです。今月も沼のほとりから春硯さんの落ち着いた世相観察と平明で奥行きのある句帖が届きました。「W杯カタールに見る中東の金満家ぶりに呆然。あの映画「アラビアのローレンス」に登場の遊牧民族ベドウィンからは想像もできません。考えればいかに過去に西欧大国が厖大な利得を中東から欲しいままにしていたかを如実に語るものでもあるでしょう。その巨富を手にした遊牧民族の哄笑を聞く思いです。…」


閲覧数:27回2件のコメント

2 Comments


heute
Nov 23, 2022

カタールでのサッカー世界選手権はこちらでも大きな話題になり、試合前には過半数のドイツ人がテレビで放映されても「見ない」と答えていたそうですが、そんなことはあり得ないと思っていたら案の定。いつもと変わらぬフィーバーぶりで、カタールという国を批判する人たちも結局は娯楽への欲求には勝てず、それなら初めから人道主義とか民主主義とかの唱道者のような顔をせねばいいのに、と一般市民のその偽善ぶりにはカタール政府よりも呆れてしまいます。


そんな中で最新のEconomistにカタールを弁護する記事が掲載され、カタールが反民主主義であるとか独裁とか批判するが、もっとひどい独裁のロシアでもワールドカップは開かれたし、選挙もない非民主的な中国でのオリンピックもあった、要するに批判する人は金持ちとイスラム教徒が嫌いなだけではないか、という過激な議論もありました。


さらに労働者の扱いがひどいと言っても、彼らは力づくで連れてこられたわけではなく、自国にいて飢えるような極貧を逃れただけであり、その貧困に責任があるのは自国の政府と民で、カタールがその惨状を引き起こしたわけではない、という説にも、まあ、一定の理はあると思います。そういう貧しい人々を搾取するなと怒る人達は、ではどんな解決策を提示できるのでしょう。


またあんな灼熱の人工的な国で世界試合を実施すれば、大変なエネルギー消費になり地球環境の破壊に手を貸すことになるというが、エネルギーの不要な試合などこれまでどこにもなく(昨年の8月の東京オリンピックもまたエネルギーの厖大な消費の典型)、それをいうなら今後はノルウェーとスウェーデンとフィンランドの三国が交代で世界試合のホストを務めるようにすればよい、との見解です。


カタールの現状を苦々しく見ている人たちも、世界全体の現在を視野にもっと覚めた観点から批判し、自らのうちにある羨望や嫉妬、何よりも余裕のない「正義感」に潜む悪意に似た感情に気づくべきだと私も思いました。

Like

繁 大村
繁 大村
Nov 22, 2022

わが杖を追い抜き枯葉角曲がる 枯葉を目で追う句のかるみに一目惚れです、美しい心象風景と重なります。唐突に思われるかも存じませんが…かのニュートンがりんごが木から落ちるのを見て自分の考えと同定した逸話を思い出しました。名句、恐れ入りました、ありがとうございました。 (昨日我が兄と会って、兄が一言…自分の歳が信じられない…同感の僕でした)

Like
bottom of page