今月の風信のなかに懐しいお名前を拝見しました。高知で俳誌「勾玉」を主宰されている橋田憲明先生です。高知大学附属中学校時代の恩師です。国語科で松本三三男先生とともに日本語の奥深さ、韻律の美しさを情熱をもって教えていただいた記憶があります。思いがけない場所で先生の作品に接することができました。今回もいただいた春硯さんのメールの一部を以下に引用させていただきます。
…あと旬日で彼岸。古来暑さ寒さも彼岸までと言われていますが、このところ炎暑を忘れる日々で助かっています。虫の声に秋を感じる近頃、お元気ですか。今年の葡萄の収穫はいかがですか。…さて、今月の「沼のほとりから」を別紙ファイルにてお送りいたします。ふつつかな風信を思いがけなく多くの方々に毎号読んでいただき、この上なく光栄に思っています。
俳句は憧れるけど、やはり高度な表現方法が敷居が高くなかなか飛び込めません。
木曜日の俳句の先生(夏木先生)の解説を聞いてると、なるほどとその場の情景がしっかり浮かんできますが、なかなか難しいですね。
蓮見舟、調べるとハスの開花を見るために浮かべる舟と知り、改めて、舟が橋を通り抜ける瞬間と蓮の花が思い浮かぶ句の情景がくっきりとらえることができました。 雲の峰大橋くぐる蓮見舟 明けの月家々醒めず灯は白し 月と街灯でしょうか、遠く近く輝いていた白さが時間の経過とともに薄らいでいく早朝…静けさが伝わって参ります いつも素敵な情景をありがとうございます
クレマチスさま
高知に「勾玉」という俳句の活動組織があることを初めて知りました。以前から年とったら専門家について俳句を学びたいものだと思っていました。年はとりましたが、日本にあまりいないのと、「師」が見つからないので、この願望は叶いそうもないと諦めかけていたところへ、クレマチスさんの付属中学校の先生が主宰の句会という情報。郷里で過ごす日が増えたら、申し込んでみます。橋田先生には長生きをしていただかなくちゃ。
カマキリのことをドイツ語でGottesanbieterin〈ゴッテスアンビーテリン〉と言います。長い単語ですね。「神様を崇拝する人」という意味です(因みにカマキリは女性名詞です)。信者が神を拝む姿に似ているのでしょう。それが頭にあったので、日本でカマキリを見て「蟷螂が畏まり伏す姫鏡台」なんて句を作ったことがあります。
春硯さんの句には昆虫がよく登場しますね。西洋に比べて日本には昆虫の種類も多いようです。そして昆虫が愛されていると思います。子供から大人まで。工芸品の模様にもよく使われ、それに刺激されてアールヌーボーの時代に昆虫の絵のガラス器も多く誕生したことはよく知られている通りです。
その西洋で今、昆虫の種の危機が言われていますが、そもそも西欧・中欧・北欧は虫があまりいないのです。アンリ・ファーブルもその生涯のほとんどを南仏のプロヴァンスで送っています。やはり、トンボ、バッタ、蝉などは暖かい気候でなくては生きられないようで、こうなると地球温暖化は昆虫にとってそう悪い話ではなさそうです。
台湾(やはり暖かい)の故宮博物館に翡翠で作った白菜にキリギリスがとまっている作品がありますが、これが好きだと台湾人に言ったら、次の来訪時にレプリカをもって来てくれました。写真ではキリギリスはちょっと見にくいですけれど。
手賀沼の蓮見船について。手賀沼のほとりで、ボート・釣船・遊覧船を提供している「手賀沼の小池」で毎年7月下旬~8月末まで運行されるようです。以下のホームページに手賀大橋の写真も掲載されています。余計な注釈ご容赦ください。
https://yuropom.com/abiko-hasumihune/