top of page
執筆者の写真クレマチス

風信 沼のほとりから 第17号 令和三年文月

重く長かったコロナ二年目の梅雨もようやく終息が見えてきました。世間は非常事態宣言下に、祭日を移動した暦を採用してまで無観客でのオリンピック突入を強行し、異常な雰囲気につつまれていますが、今月の風信は豊穣で多彩な人生の場面を切り取った秀句の数々を紹介していただきました。春硯句帖の捩れ花まで「花」が通奏低音のように心地よく響いています。



閲覧数:39回3件のコメント

3 comentários


hmdhonau
16 de jul. de 2021

春硯さん、このところ影を潜めておられたので、お元気かしらと登場をお待ちしていました。今回の随想には殊に思い出すこと、刺激されることが多々あって、ちょっと長くなりますが、頭に浮かぶままに記させて下さい。

今月の句のテーマであるネジバナ、これは葛飾のSNS「かちねっと」の時代に、もう7年ほど前ですがクレマチスさんがブログで紹介して下さって、私は初めて「陸奥のしのぶもじずり誰ゆえに」の歌の正体(?)を知りいささか興奮してしまったものです。調べてこの花がラン科というのも意外で、蘭など自分にはあまり縁がないと思っていたのに以来親しみを覚えるようになりました。


今回、たくさんの俳人に言及しておられますが、阿部みどり女、三橋鷹女、橋本多佳子など高浜虚子の門下に生まれ成長していった女性俳人の名に、なつかしさひとしおでした。この女人たちのことは杉田久女の伝記で知り、いずれも19世紀末の生まれですが、自分の祖母の年代であることを思えば距離感はありません。特に閨秀俳人の橋本多佳子の句は強烈で、年の離れた富裕な名士と結婚して30代で未亡人になった後の活躍には瞠目です。久女、多佳子、それぞれ50代と60代での長逝は早すぎましたけれど。


昨日、私は予定より少しはやくワクチン接種を済ませたのですが、地元の公民館で予約なしに来た順番で、ということで出かけると、既に長蛇の列でした。こんなこともあろうかと文庫本の句集を持参しておりまして、その中に「夏座敷座れば草に消ゆる沼」というのがあり、あ、これ!と思ったのは、少し前ですが「寝転べば塔の前景葱坊主」という駄句を思いついたからでした。寝たり起きたり立ったりで変わる風景の面白さ。(「沼」もこのたびの投稿ではテーマになっていますが、そもそもの表題が「沼のほとり」ですものね。)座敷といえば、子供時代の夏の思い出、開け放した家の夕暮れの情景から「蝙蝠と人が避けあう夕座敷」、今は網戸で蝙蝠も燕も入って来られませんけれど。


クレマチスさんの元編集者としての手腕にも触れておられ、それで私は田辺聖子が小説新潮に作品を連載していた当時、編集者に励まされ導かれたことについて「考えれば作家は編集者というよき相棒とめぐりあったときに、実力以上の力を発揮できるのかもしれない」と書いていたことを思い出しました。私は作家でも何でもありませんが、ベテランの編集者に「使嗾」されて(人聞きが悪い?!)KBCに居座っております。


冗長な感想文に呆れていらっしゃることと思いますが、あれこれと連想が尽きなかったのでつい。これでもかなり端折ったつもりです。子供の頃から石ころ2,3個、無用の釦の6,7個もあれば退屈しないで遊べたもので、手元にある材料で時間を過ごす性癖は1人で過ごすことの多い異国の暮らしで大いに役だっています。母が私に就いて口にしたごくわずかな褒め言葉(とも言えませんが)の中に「この子は安上がり」「手のかからない子」というのがありました。今は夫がそう思っているようです。

Curtir

繁 大村
繁 大村
16 de jul. de 2021

沼に入る川音疾き梅雨の朝、、、の季節の中にも花々はその場所で精一杯咲いていますね、 空を指し何を示すか捻れ花 目的はただひとつ咲いて散る循環の輪、その潔さ見習いたいものです、あげてくださった身に染みる秀句に、古希を軽く過ぎた我が身が生きてあることを感謝したいです。梅雨明け間近の一服の清涼剤、いつも気が引き立つ風信ありがとうございます。

Curtir

クレマチス
クレマチス
16 de jul. de 2021

今回も風信をいただいたメールにお言葉をいただきました。私信ですが以下に抜粋引用させていただきます。「梅雨明け間近なれど不順な天気が続いていますが、お元気ですか。葛飾文芸クラブのブログでは、びすこさんのドイツ通信が素晴らしい。地の利を活かした体感的現地報告と生きのいい情報を広い視野から綜合し独自の視点から読み取っての解説に、毎回大きな啓示を頂き感謝しています。びすこさんとの往復書簡を読むと、掲載にブログの主宰者として大兄も尽力していることが分かります。逸材に思うまま持ち味を発揮させることこそ編集者の役目。昔取った杵柄で今もそれを立派に果たしている大兄に敬意を表します。…」

Curtir
bottom of page