クレマチス2023年9月15日読了時間: 1分「四君子風信」第 2 号 令和五年長月 磯目春硯今回は、びすこさんのブログコメントや大村さんのフォーラムの川口ちょこっと吟まで、広く目配りのきいた楽しい「詩歌交遊録」です。「四君子通信」から「四君子風信」と題号が変わっていますが気にしないで、これだけの葉書の紙面に凝縮された内容豊かな日本語の表現の世界を行く夏とともに味わわせていただきたいとおもいます。今回からタイトルに春硯さんの名前を出させていただきました。
今回は、びすこさんのブログコメントや大村さんのフォーラムの川口ちょこっと吟まで、広く目配りのきいた楽しい「詩歌交遊録」です。「四君子通信」から「四君子風信」と題号が変わっていますが気にしないで、これだけの葉書の紙面に凝縮された内容豊かな日本語の表現の世界を行く夏とともに味わわせていただきたいとおもいます。今回からタイトルに春硯さんの名前を出させていただきました。
松本たかしの「羅」の句で何年か前に自分が作った句を思い出しました。
・暦みて羅仕舞う母の汗
着物は季節(感)が極めて重要なので、月が替わると着物も袷から単衣(ひとえ)、単衣から羅へと変わります。9月初めなどまだまだ暑いのに、もう羅は着られないと母は汗だくになって仕舞っていました。
母はよく着物を着る人でまた和裁がプロ級でしたので、日常生活は着物と縁がありましたが、私は好きではなくむしろ批判的でした。まず値段がべらぼうに高いし、女同士が競い合うのも見ていて不愉快で。でも母が逝ってのちに作る句や短歌には着物を詠んだものが多く、やはり記憶の中に根付いているようです。
・白緑(びゃくろく)の単衣を母は縫いあげて水無月までの日を数えゐる
単衣は6月と9月のものなので、5月中に仕上げねばと焦っていたことを思い出します。
先回は日傘が話題になっていて、これは懐かしいような気がしたので(欧州では全く見かけません)その後私も記憶をたどって一句詠んでみました。
・日傘より覗く顔(かんばせ)十年(ととせ)のち
これは幼馴染みの男の子が三十歳くらいのときに言っていたことですが、昔なんとなく好きだった女性にしばらく会わずにいたら、久しぶりに帰省したらしく日傘をさして歩いていた。最初は彼女と気づかず行き過ぎようとすると、「あら」と声を掛けられ、傘の下から覗く彼女を見るとずいぶん垢ぬけた大人の女性になっていた、というものです。夜目遠目笠の内、と言いますが、日傘も女性を美しく見せますね。
いやあ、恐れ入りました…これはもうありがたく、ただただ楽しませていただくのが作法、先程から何度も読み返させていただいています、ありがとうございます❣️