7月9日(日) 曇り時々晴れ予報
プールでざっと泳いだ後…四つ木御殿のスープ研究会に顔を出しました。僕の出る幕はなくあっという間に10人分位の鯖カレースープが出来上がりました、味はバターの風味が効いてとてもまろやか、夏の逸品だなぁと思いました。
今回は、レシピは初見でああだこうだと皆さんで相談しながら、結局料理を仕上げていくこのチームはたいしたもんだなぁと思いました…約1年続いています、僕は何もできませんが… 任意とはいえ10人といえば立派な組織、誰かがさりげなく気を使い、誰かがその時のリーダーシップをとり、誰かがフォローアップをしている。
いろいろあって結果、美味しくいただく、という流れで、ごちそうさまということになり毎回幸せになれるので長続きしてるのかな。
今回は会費を免除して頂きました、皆さんごちそうさまでした。
午後は図書館にリクエストしていた本が来たので取りに行って1階で読み始めました。
ユダヤ人最後の楽園(ワイマール共和国の光と影)大澤武男著:講談社現代新書2008年4月第1刷発行
アインシュタイン、フロイト、そうそうたるメンバーがユダヤ人という事実。その輝かしい実績の数々は実業の世界から物理、化学、文学、美術、音楽……はじめ学者、政治家を数え上げたらきりがない。
イエス・キリストを断罪したということで、2000年間も後ろ指をさされ続けてきた民族。ユダヤ人として生まれてきただけでラベリングがなされ、特別視される。2000年に及ぶ民族の葛藤は、イユダヤ人だけの問題ではもちろんなくて、なぜそうなってきたのか、なぜそうなっているのか、どうなっていくのかは全人類の問題だと思いました。
今日は自由の庭のエアコン追加設置の立ち会い、堀切の野菜マルシェなどのイベントもありますが、上記の本の後半も読み進めたいと思います。
ユダヤ人といえば、目下イスラエルではネタニヤフ首相の提唱する憲法改正案で国中が揺れています。これは司法の力を制限する試みなので、三権分立を揺るがすものと左派が怒っている。ネタニヤフの言い分にも一理あって、何でも最高裁判所が最終決定するという現在の制度では、国民が選んだ代表者から成る議会で決めたことが最後に覆される事態が続出する。つまり、裁判官に左派・進歩派・反与党が多い(これは欧州でも同じ)ため、結局彼らの思い通りになってしまう。民意を反映しているとはいいがたい。
そこで今やてんやわんやの騒ぎになっているのですが、ここで非常に面白いのは、与党の保守派ネタニヤフとその政党を支持しているのが、欧州のポーランドやドイツにルーツを持つアシュケナージではなく、オリエント(北アフリカや中東、ペルシアなど)から1949年以降にイスラエルに移ってきたミズラヒムと呼ばれるグループであること。彼らはアシュケナージやイベリア半島を父祖の地とするセファルディムから軽視され侮蔑されていると感じており、イスラエルの主に左派から成るエリートへの深い恨みがある。それをネタニヤフたちが利用していると、富裕層・知識層のユダヤ人が憤慨。
これは実はとても古い話で、私が1970年代の初めに読んだ「非ユダヤ的ユダヤ人」という岩波新書の本にイスラエル国内のこの差別と分断の構造が出てきます。著者の名はドイッチャー、ユダヤ人にはわりとある名前ですが、ドイツではなくポーランド出身であることが多い。アシュケナージですね。この本、図書館で読めると思うので、参考になさって下さい。
写真は、1948年のイスラエル建国直後にやって来たアラブ系のユダヤ人のキャンプ。当時から既に、彼らは自分たちが「歓迎されざるユダヤ人」であることに気づいていた。とはいえ、歴史的にユダヤ人が迫害されてきたイスラム国のイエメンやモロッコに帰ることもできない・・・