6月9日(金) 雨
昨日の朝思い立って…本当に久しぶりに荒川の土手に出てみました。東に太陽、西にふっくらした上弦の月…足元にはシロツメクサ、野アザミ?がちらほら。
胸いっぱいに空気を吸い、土手の上で覚えたての太極拳を一通りやってみました、気持ちよかったです。
午後は人間学のすすめ(安岡正篤著:福村出版1987年4月初版発行)を読んでいました。とても読みやすくためになりました、、例えばこんな風… 119ページ
自分があさはかであるから、わしは偉いとか、こういうことをやったとか、なんとかかんとかみんな好い気になっておるけれども、開き直って、お前本当にそう考えるか、とたずねられて、俺が偉いから当然こうなったのだ、と答えられるのはよほどの馬鹿か狂人です。良心の一片だにあれば、なかなかそういうことは言えたものではない。それを考えると、他人が偉くなったからといって羨むこともないし、自分が恵まれぬからといって悔やむこともなければ、怒ることもない、世を逃れて悶(もだ)ゆるなし、というのが本当であります。そういうことを考えてくると、はじめて真実とは何ぞやという問題に触れる。そこから人間・人生というものがわかってくるわけであります。そういうことを感じさせられながら、人としての、個人としての中斎先生の学問・求道振りを考えますと、本当に頭が下がります。
引用以上
(文中、中斎先生というのは大塩平八郎のこと。大塩平八郎のひととなりついても上のような調子でその熱血振りを伝えています)
講演集ということですから話がわかりやすいのは当たり前と言えばそうなのですが名調子に惹かれてついつい先を読んでしまいます。内容はとても深く優しくじゅんじゅんと諭すような話しぶりです、こういう老人がたくさんいれば世の中はとても落ち着くと思いました。
ただ従順、とか、奴隷根性と評されることの多い日本人の特性ですが、大塩平八郎のような人がいたことをフランス人やドイツ人にも知ってほしいですね。ただ、このようなストイックで正義感の強い人は、当然狡知なところがないので、企てが失敗する確率も高い。必要だったのは、泥をかぶる覚悟のある強かな部下だったのでしょう。