2月 13日(月)曇りのち雨予報
起きて半畳寝て1畳、、はシンプルライフの基本。写真は旧宅の机とランプ、電気ストーブ、椅子です。机の台の中にゴミ箱と工具箱があります。空の段ボールの上にさらに段ボールを乗せその中に事務用品が入ってます。手前の1畳分にベッドを置き、空いたスペースにポータブルトイレをおけば…そこは独房。差し入れ?の弁当は近くのスーパーで調達する。イモヅルハウスが頭の中の展開図だとすればここはそのミニチュアモデル。スマホの小さな画面が開かれた社会の窓。半径500メートル以内が僕の小宇宙。
何もかも初体験です。
まあ、素敵な空間! 22年前まで私が18年間住んでいた世田谷のマンション、2DKでしたが、居間は一応洋風にしてあったものの、寝るのは6畳和室で左右の本棚に挟まれて、ベッドではなく布団で。
訪ねて来た甥がその部屋を見て「何だかレトロだね」と言ったのですが、この写真の部屋もレトロな雰囲気、ただ私の昔の部屋に比べると比較にならないほど整然として清々しくて気持ちがいい。襖もいい感じ。机の右上に見える計器みたいなの、時計ですか。
工具箱、最初裁縫箱かと思いました。今の家にもドイツ式裁縫箱があります。私の姑に当たる人が使っていたみたいです。
また、ベッドのそばにポータブルトイレとありますけど、ドイツでは冬の夜はものすごく寒くしかも別棟だったりするので、特に年配者の場合は暖房もない寝室のベッド下に尿瓶(寝室用便器)を置いていたそうです。この尿瓶、Nachttopf(夜の鍋)と呼ばれて鍋式に蓋もついています。今でも、土産物屋などで面白がってきれいな「夜鍋」を売っているのを見かけます。
前に黄色いスイートポテトの部屋の話になった時、私が春になると黄色い服を着たくなる、と書きましたが、あれは実は昔の「戦争と平和」という映画でオードリー・ヘップバーンが着ていた黄色いドレスに憧れたからです。それで思い出してインターネットでその場面を探したら、ありました!
だけどこれを見て私が「おおおっ」と思ったのは、ドレスよりも彼女が座っている椅子です。これとまったく同じではありませんが、わが家にも、そして義姉・義兄の家にも、似たような椅子があるんです。亭主の祖父の代からの物ですって。19世紀半ばからですね、きっと。ナターシャが座っている椅子のはナポレオン侵攻の時期だから、19世紀初め。
写真で窓のそばに見えるのは立式の書見台ですが、ドイツの場合はここに楽譜を置いてバイオリンやビオラを弾いたりしたらしい。机の上におく書見台もあります。(私が今、古い椅子に座って読書するときに使っている書見台は帰国時に丸善で買ったもので、調節機能もあるのでこっちの方がずっと使いやすいですが。)
日本とドイツのレトロ談義でした。レトロなおじさん・おばさんになっちゃいましたねえ。