1月 3日(火)晴
昨日は仕事場の2階のほんの気持ちばかりの板の間でほんの2、3時間、南面の四角い空から(隣地の建物で区切られます、空が広々とは参りません)冬の低い位置から斜めに陽光が差し込みます、これだけでも本当にありがたい。いくら陋屋とはいえ日差しは欲しい。陽を浴びながら2、3時間は食事をしたり本を読んだりできるというわけです、本当に贅沢な気分です…毎度申し上げますがこんなことですっかり幸せになれる僕は安上がりな男だと思います。
トイレの前にあって取り外した手洗い陶器、TOTOと名前が変わる前の東洋陶器とローマ字で書かれた文字が面白くて床下に取っておくことにしました。床下に敷いてあった幅40センチ長さ1メートル内外の厚さ2センチの板は床上に上げて幅2メートル以上の床、直か置きの食器棚(扉なし)を作ろうと思っています。幅広の平板を乗せる台の部分の材木は作り付けの戸棚を壊したときにニつ割(柱を長手方向に2つにカットしたもの)のいいものが出ましたのでそれを使います。別になくても困らないので気が向いた時にやると思います。
(のんびりブラブラ家の中を見ながらいろんな考え事をしていて、帰るときには結構疲れます…きっといろいろなことを考えているせいだと思います…快い疲れです
それにつけても今日はっきり分かりました…数人の仲間と仕事をしていた現役の頃のその疲れの原因です、考える事は仕事の事だけでも今の3倍は考えていたと思います、疲れない方がおかしいです、いま、そして今、現役の人たちは僕よりももっと厳しい条件にさらされているような気もしています)
あ、2階の天袋のカーテンの写真載せときます。下のカーテンは僕が適当にはぎ合わせて作りました。これが遊びじゃなくてなんであろう。
さりげない…そうありたいしそう生きたいものです、普段通りに生きて普段通りに死ぬ…理想です。
天袋がこんなになるんですね。いちまるさんてマメでしかもアイデアがあるだけでなく、とても几帳面なのだと思います。クリエイティブな人はあまり几帳面ではない(料理の好きな人は片づけが苦手、みたいな)という先入観が見事に崩されました。
安上りの男といえば私も安上がりですが、これについて以前90年代に英国人の評論家が言っていたことを思い出します。日本経済の停滞とデフレについて、欧州の人たちは、「それでも日本人は別に文句も言わず穏やかに暮らしているではないか、デフレのどこが問題なんだ」というが、それは日本人が禁欲的だから少々収入が減っても手元不如意でも静かにしているのであって、英国人やフランス人がそう言う状況に置かれたら大変な騒ぎになる、と言うのです。
日本人が禁欲的ってどういう意味だろう、と私はしばらく考えたのですが、要するに彼が言いたかったのは、日本人というのは概して多くを望まない国民で、慎ましい暮らしにも幸せを見出すことができる、ということだったのではないでしょうか。そう、安上がりなんです。だから年金が少ないと言って大掛かりなデモをしたり、金持ちの車を焼くようなことはしない。自分は自分、これで結構、という日本人の側面を、ほかに形容しようが無くて「禁欲的」などと大げさに表現したのでしょうね。欧米人って何に関しても「さりげない」というのが一番不得手だから。