12月18日(日)晴れ
朝から尾籠な話、というか句、、、
するすると温い便座のうんちかな
お口直しに
冬小雨埃沈めて師走かな
今早朝…霧雨がやんだ後の湿り気の中旧宅の旧宅の襖2枚仕事場に持ち込んで1階の4畳半の押し入れにはめた。もちろんぴったり。京間、江戸間の大きさの違いはあるものの日本建築の互換性のおかげだ。
2枚の襖を担ぎながら…僕は一体何枚の襖を張ったんだろうと考えた。もちろん忙しい時は友人知人たちに張り方を伝えて覚えてもらいさんざん手伝ってもらった。
そもそも…仕上げの仕事(塗装、内装)は手っ取り早く収入になると検討をつけ、僕が仲間に先行してまずとりあえず手に職をつけるその一環で覚えた仕事だ。
駒込兼六園の近くにある内装屋で約2週間今から思えば目の回るような実習期間。いきなり日本橋入船の座敷の襖全部の張り替え。2階の広い座敷を借りて作業台の上に合板を置いた上で行う。
僕がもたもた糊箱や、道具箱を運んでいるとその姿を見て親方がいきなり…「…箸より重いもの持ったことないんじゃないの?」
親方が襖の縁をどんどん外していく(縁に仕込んだ折れ釘なので縁の端面を小さな金槌で叩くと外れる)、はずすそばから赤いダーマトグラフ(ガラス鉛筆、ガラスにも書ける柔らかい色鉛筆、紙巻き、鉛筆に仕込んである丈夫な糸で芯をまいてある紙を少しずつ切りながら芯を出して使う)で縁の裏に印をつけていく…すぐにそれは僕の役目になる…ドブ、マ、ウエ、シタ、、取手から見た襖の縁の配置、言われた通りの印をつけ一まとめにして壁に立てかけて行く。
茶チリ(呼び方は地域によっていろいろ、下張りに使う薄い和紙、茶紙) 十数枚をお札をずらす要領で四角い紙の2辺を3ミリずつぐらい見えるようにした後、その2辺にまとめて糊をつけ親方に、どんどん手渡していく、タイミングが合わなければにらまれる。(事前に使いやすい固さの糊をダマにならないように幅広の糊バケで少しずつ少しずつ溶いてゆく、、もちろん僕が親方の指示に従ってすばやく作った、生まれて初めて、嫌味を言われないように) 30枚以上の襖の下張りがあっという間に終わる、、。今思いだしてもドキドキする。1階に用足しに降りようとすると…「手ぶらで降りるんじゃない!使わなくなった道具持ってくの、、(言われなくても当たり前だろみたいな顔して…」。
(あ、これ↑全ストーリーが…仕事を始めた初日の話ですので…念のため)
今なら親方の気持ちがわかる。自分自身が一つ一つ散々嫌味を言われながら覚えたことを…もっと要領よく素早く飲み込めるようにキビキビした無駄のないトークで伝えていく…喜べ!、、、今なら言える、、その節は大変お世話になりました…ありがとうございました❣️
(無駄のないトーク…ゲンコ(げんこつ)くらい溶く前の固い糊を取れ。溶き上がった糊をもう一度僕に持たせて、刷毛を動かさせながら僕の顔を見ながら…それぐらい…と伝える。指2本位の幅で襖紙の周りに糊を配る、糊の額縁の中は「牛乳位の薄さ、、」と指示されて、事前に僕が溶いた薄い糊を、たっぷり水を含む「まわし刷毛」(親方が、「こんなんでも3万ぐらいするんだよ」…)で1回で畳1畳位、水たまりができない、かつ、きちんと配り残しがない状態にする、、といった例)
当時は一軒で襖、天袋、地袋合わせて30枚ぐらいにはなった… 10軒やれば300枚…その数の多さに今考えるとびっくりする。そして僕が張った襖の数にも、、。1枚数千円以上…当時親方はドンダケ儲けたんだろう…あはは。
さて、昨日の話。
昨日の朝今にも降り出しそうな空模様…くたびれたし、休んじゃおうかなぁ…と思いつつ出かけた…これは仕事なのだ…無断休暇は許されない、、考えてみたら今まですべて嫌な事はこれは仕事なのだと自分に言い聞かせてきた。今年の3月にジムに通い出してから金曜日のシニアの休日の日以外1日も休んではいない、ここ1週間ほどを除いて。ジムに通いだした時もこれはリハビリであり僕の仕事なのだと自分自身に言い聞かせてきた。仕事ということにすれば僕の生活信条からいっても、、仕事ならばやるからだ。
朝のちょっとの間、近所迷惑を考慮に入れながら中間処理業者になって、1階の奥の4畳半で金属パイプ類を切断して一まとめにして一仕事してきた。少しばかりの年金も入っているのでプールへ行く前にトンカツ屋でカキフライ定食を食べた。この冬初めてのカキフライ、お久しぶりです。衣ばっかり大きいと思いかぶりついたらそんなこともなくてしっかり充実していて、うっかり舌が火傷しそうになるのも嬉しく「当たり」の気分。
家に戻ったら案の定Kさん達がアコーディオンカーテンで閉めた部屋で明日のバザーの準備をしている様子、靴が3足。僕は2階へ上がってポストに届いていたアマゾンからの包みを開けて、「インドへの道」の続きを読みだした。疲れがうまい具合に出てくれそうなので… 5時になったらお酒を飲んでさっさと寝てしまうことにする。仕事をしたという気分と読書をしたという気分を同時に味わいとても気分が良い、、いや待てよ…そうじゃなくて、もしかしたら本の中に出てきた英国人フィールディングの性格が僕と似ていると勘違いしたせいかもしれません。と、、気がついたら椅子に座ったまま、こっくり、こっくり、相当疲れているわ。寝ました。おしまい、、今日の冒頭の日記につながりました。
苦労不滅の法則、絶対です。馬鹿にしたけりゃするがいい…でもまともな人なら…きっといつかこの道をたどっている…なんちゃって一丁前(いっちょまえ一人前な発言)ですね😊