12月9日(金曜)晴れ
一軒置いて隣の空き家…つまり入り口から2軒目の家に内装業者が入った。おそらくは空き家のオーナーが、空き家のままでは何も生み出さないので人に貸す…といったアクションではないかと思います。業者の人が挨拶に来て、玄関先にものを置かせてくれと言ってきた。オーケーオーケーどうぞどうぞ…と返事をする。
僕は仕事をしている人には甘いのだ。町場の仕事(いわゆる町中の仕事、多くはゼネコンに所属しない職人たちが、仕事場の周り近所に気を使いながら行う昔ながらの現場)は、お互い様…の気持ちがなければやってゆけない。
午前中いっぱいフックやくぎ抜き配線の除去の続きをやった…小さなプラスチックの風呂桶が画鋲釘フック洋服掛け等でいっぱいになった。
お昼、蕎麦屋で腹ごしらえをし、ホームセンターに買い物、支払い、旧宅の整理などをした。読みたい本も、図書館から借りた本も手付かず。昨日あたりから新宅の見通しがついたので、年末は少しはゆっくりしようかと思いました。今までの年末はただ早く通り過ぎてもらいたいだけのものでしたが今年は少しは充実しています。はたから見れば、いかにも忙しそうに見える僕だろうと思いますが…僕自身は長年やってきた仕事の続きの感覚です。仕事ですから続けていればカタがつく。
ここ当分は並びの空き家のリフォームに業者が出入りしているでしょうから僕のほうはのんびりやろうかと思います。少しは本を読めということだろうと思います。
それでも朝はゴールデンタイム、静かだし、鈍い頭も少しは働くので新宅へ行って2時間ばかり仕事してきます。
今朝、新宅へ顔を出したら、外の水道管のところに何やら袋がぶら下がってました…何やら高そうなお菓子の詰め合わせ…ははん、昨日のお礼のつもりだな、、聞けば本人はもう他の現場へ移ったとのこと、この先顔を合わせる事は無いかもしれないけれど行為は僕の心にきちんと残ります。 地下足袋…懐かしいですね…僕も外壁塗装工事を覚えるために山谷(現在は別の地名になっています)にある工事会社に入った時仲間がみんな地下足袋だったので僕も地下足袋を履きました。コハゼをいくつかかけると、足元がきっちり決まり、まるで忍者になったようです。当時は丸太組足場がまだ普通に使われていましたので、丸太に吸い付くようなタビが安全だと思いました、30過ぎていましたが…心機一転新しい職場で学ぶ事は山ほどありました、今でも、若かったあの頃と、、気持ちは少しも変わってないつもり…あくまで「つもり」です…ハハハ。
私もゼネコン好きじゃない。
15年近く前、母が脳出血で倒れて帰国したとき、本格的に家を改築しようと思ってさる有名な住宅会社の支店に電話したら「当社が建てた家の改築でなければ受けられません」とけんもほろろ。
フン、何をえらそうに。ということはお宅が建てなかった古い民家には関心ないってことかい。憤慨しながら電話帳を探して最初にあった(アイウエオのイで始まる会社)にあてずっぽうに電話すると、女性の対応が完璧で、40分後に40代と思しきその工務店の主が地下足袋履いた色の浅黒い30代の男性と下見に現れた。それからのお付き合いです。
それとなく聞くと、その後息子さんが建築の勉強を始めて、いずれは工務店を継ぐんですって。よかった、これで我が家のメンテナンスをあと3、40年は任せられる。
有名会社の営業さん、断ってくれてありがとう。
それから、私以外の(日本の)私の家族や親戚は工務店から派遣された人を「業者」と呼ぶんですけど(業者が来たよ、とか、業者が待っている、とか)、こういう日本の慣習も私は嫌いです。ちゃんと名前で呼べっちゅうの。