プールでひと泳ぎした後、ゴロンと横になり天井を見ていた。体は何もするなと言っている。9月の長雨。
夕方近く…エチオピアの新年会が曳舟文化会館で行われているのでちょっと顔出してくることにした。曳舟駅でエチオピア人らしき青年がスマホの地図を見ている様子が分かったので声をかけ…目的が一緒のことを確認し会場に向かう。日本で3年暮らす青年は日本語はダメで英語でお願いしますと言ってきた。お台場あたりで暮らしているとか…あーそうですか、若い人がたくさんいていい所ですねとか何とか言ってるうちに会場に着く。
参加費を払ったら半額返してくれた…あぁ日本人は安いんだな…なるほど。ビュッフェスタイルの食事のほうは並ぶのがめんどくさいのでとりあえず生ビールをもらい、近くのテーブルのエチオピア女性が座っていた片隅にお断りして腰掛け…さてと、と見ると監督さんがいらした、テーブルのポップコーンの袋持って同席させてもらった。見れば懐かしい顔があちこちに。エチオピアの男性も女性もお行儀が良い。前のほうのスペースで踊りが始まった。監督さんとちょっとだけ参加して、雰囲気を味わう、、いい感じ。
ボランティアの学生さんたちもちらほらいらして外交手腕?を発揮している。主催者のエチオピア協会を手伝ってらっしゃる知り合いの女性たちも着飾って溶け込んで楽しそう、多分会場の設営などでボランティアスタッフとしても大活躍だったろうなと想像しました。
集合写真を撮ったのをシオに中座して監督さんと帰路につく。お互いの状況についてそれとなくお話しさせていただいて…雨にも降られず無事帰宅した…。
いろいろな事情で日本に滞在し日本に住んで結婚して、しばらくは異国での文化体験、カルチャーショックなどを克服し、克服できないまでも居場所を作っていく。会場の雰囲気は、なごやかな中にもなんとなくぎこちない感じも伝わってくる。それで良いと思いました。仲良しクラブではいられない事情もおありだろう。でもとりあえずみんなで寄り合う。各々の事情を抱えながら小さな世間を作っていく。同じ国の人同士情報交換、日本人との交歓。そこが異国の地でも、そこを自分の居場所と決め暮らしていくからにはそれぞれがそれぞれの覚悟を求められる。たった1、2時間ぐらいの滞在でもそれがビシビシ伝わってくるところが…人間関係だなぁと思いました。パッチワーク(失礼😅)と見えようとなんだろうととりあえずつながっていこう、生活していくという事はつまりそういうことなんだ…😉。
エチオピアの男性も女性もお行儀が良い、と聞いてちょっと意外に思いました。ドイツにはエチオピアからの難民・移民がかなりいますが(日本の何十倍という意味で)、評判がよくないのです。もっとひどいのは隣のソマリアからの人々で、数年前にフランクフルト駅で無差別殺人事件を起こすなど、野蛮な行動が見られます。
政府がドイツ国民の彼らへの反発・敵意を防ぐために(2015年の無制御の難民受け入れに憤慨している国民が依然多いので)、よほどの事件でないと公表しないというのも、逆に反発を煽っています。
お話を聞いて思ったのですが、まず日本にはまだエチオピアからの移民は少ないので、市民の脅威になっていないことが一つ。(ドイツやフランスでは、同じ国からの難民がちょっと虐められると、集団でその報復をするなど、事件化してしまう。)
もう一つは、逃れた先の国の社会状況や庶民の文化に影響される部分が多いのではないでしょうか。欧州先進国には移民を嫌悪・排斥する極右とともに、彼らを欧米文化・白人中心の文化の被害者として擁護する団体があり、この人たちが白人への憎悪を煽るのです。典型的なのは、フランスでイスラム・ゴーシュ(イスラム左派)と呼ばれる進歩的知識人。この人々に扇動されて、難民・移民のグループは自分を保護してくれるはずの国に対してマイナスの感情を募らせる。
日本は歴史的な経緯から、これら中東・アフリカの人達から反発を食らうことは少なく、それを意図的に煽る日本人もいない。
しかし何よりも、日本人の和やかで質素な暮らしぶりにこれらの外国人が薫染されることが多いように思われます。何事も理詰めで黒白つけたがる異国では、彼らも居心地が悪いでしょう。欧州先進国のように、難民に10万円前後の手当が与えられ、これで満足せよというのは、金銭的には足りても精神面での不安が残ると思います。
経済援助は僅かでも、周りの人が心配りを見せることで、葛飾区のエチオピア人は穏やかに暮らせているのではないでしょうか。