3月13日(水)
ゲーテの「色彩論」を今図書館にリクエストした。
人それぞれ同じ花でも微妙に見えている色が違う…そう言われればそうだろうなと思う。そう思う方が自然かもしれないのに、僕自身まぁほぼみんな見えている色は同じだろうと考えてしまう。
僕はわからないことがあるとスマホに聞く。その時もスマホそのものの中身は、その仕組みは、ブラックボックスのままだ。
考えてみればブラックボックスが多すぎる。便利だから使う。世の中のシステムそのものがブラックボックスと考えてみる。
新しい発見があればへーそうなんだとびっくりしたりするけどそのあとですぐに「次へ行こう」となってしまう。実際のところどうなのかは専門家を信じてスルー。
世の中はブラックボックスをブラックボックスのままにして次のステップへ向かう。
誰かがわかっていればいい。お任せ。それはそうなんだけど、そこんところもう少し考えてみたいと思います。
ところで今日みたいに、長時間睡眠をとった事は確かなんですがその間に何をしたか覚えていない。人間の長い歴史の中で無防備に睡眠を取れる世の中はつい最近のことだということすらも普段忘れている。
本当は忙しすぎて、考えるべきことを考えずに次のステップを…できれば足並みをそろえて踏み越えようとしている世の中、ちょっと踏みとどまって遅れた人間になってみるのも面白いかなと思いました。
(もっともそんなことしなくてもたっぷり遅れた人間である事は確かなのですが…あはは🤣)
ゲーテの色彩論、私は読んだことがないのですが、それで思い出したのは何年か前に読んだガイ・ドイッチャーというテレアビブ生まれのユダヤ人のThrough the Language Glassという本です。日本語の訳があるかどうか調べると、はい、ありました。次のように紹介されています。
「言語が違えば、世界も違って見えるわけ 単行本 – 2012/11/20
ガイ ドイッチャー (著), Guy Deutscher (原名), 椋田 直子 (翻訳)
<言語が変われば、見る空の色も変わる>
古代ギリシャの色彩(・・なぜホメロスの描く空は青くない?)から、
未開社会の驚くべき空間感覚(・・太陽が東から昇らないところ)、
母語が知覚に影響する脳の仕組みまで(・・脳は言語によって色を補正している)ーー」
お時間があればどうぞ。同じ著者がThe Unfolding of Languageという本も出しています。私は英誌The Economistでこの人のことを知って上記の2冊を取り寄せました。専門が数学と言語学というのが面白いでしょう。
ホメロスといえば、イーリアスだかオデュッセイだか忘れましたが、地中海について「葡萄酒色の海」という表現がよく出て来ますね。ほう、地中海の海は葡萄酒色?と思っていると、あれは80年代でしたか「桃色吐息」という歌がヒットして、その歌詞に「海の色の染まるギリシアのワイン」というフレーズがあって、あ、この作詞者はホメロスを参考にしたんだな、と思いました。