スマホ脳:アンデシュ・ハンセン著:久山葉子訳:新潮新書2020年11月刊
この本はおしんこ研究会(仮称)の Sさんがお読みになったとお聞きして取り寄せてみました。
1番最初に241ページ第10章おわりに、、から引用いたします。
私たちは未来の世界にいる。人間が進化し、適応してきたのとはかけ離れた世界だ。しかし今でも私たちは狩猟採集民の脳を持っていて、そこらじゅうに危険を探そうとし、すぐにストレスを感じ、気が散り、同時に複数の作業をするのが苦手だ。デジタルな世界に生きていると言うのに。その点にもっと配慮すれば、私たちはより健康に、健全に生きられるはずだ。
それが私がこの本を書いた理由だ。引用以上。
(これをこの本の最初に書くべきだと思いました。この本の順序で読むとスマホを使うのを闇雲にセーブしようという方向に勘違いされてしまう可能性もあると思ったからです。それとも…それほど緊急事態だからということも言えますね。小学校に上がる前からスマホで遊んでいる子供たちを見ていると末恐ろしい気もして参ります)
続いて、おわりにから、、さらに冒頭の文章に続く箇所引用いたします。
人間の脳や生物学的な基本条件といった知識を深めることで、一見奇妙に見える現象も理解できるようになる。長期にわたるストレスが、なぜ健康に壊滅的な影響与えるのか。スマホを過剰に使うと、なぜ周囲の人に関心を持てなくなるのか。フェイスブックやインスタグラムがデジタルな親指マークやハートをつけるタイミングを調整して、私たちの報酬系をハッキングしていること。なぜ運動でストレスへの耐性がつくのか。スマホが枕元にあるとなぜ睡眠不足になる危険性があるのか。脳が進化してきた世界を知ることで、そういった現象を理解できるようになる。…中略243ページ…既に気づいたかもしれないが、これは答えばかりを集めた本ではない。問いを提起する本でもあるのだ。史上最大の行動変容の中で、人間が自分自身に問いけなければいけないこと。ましてや、変化のスピードが増しているこの時代なのだから。
244ページ、デジタル時代のアドバイス :
(見出しだけを引用します、以下同様)
自分のスマホ利用時間を知ろう
目覚まし時計と腕時計を買おう
毎日1〜2時間、スマホをオフにプッシュ通知も全てオフにしようスマホの表示をモノクロに
運転中はサイレントモードに
職場で :
集中力が必要な作業をするときはスマホを手元に置かず、隣の部屋に置いておこう
チャットやメールをチェックする時間を決めよう
人と会っているとき :
友達と会っているときはスマホをマナーモードにして少し遠ざけておき、一緒にいる相手に集中しよう
あなたがスマホを取り出せば、周りにも伝染する
子供と若者へのアドバイス :
教室でスマホは禁止!
スクリーンタイムを制限し、代わりに別のことをしよう
良い手本になろう
寝るとき :
スマホやタブレット端末、電子書籍リーダーの電源を切ろう
スマホを寝室に置かない
どうしてもスマホを寝室に置くなら、着信音を切りマナーモードに
寝る直前に仕事のメールを開かない
ストレスの対処法 :
ストレスの兆候を見逃さないようにしよう
運動と脳 :
どんな運動も脳に良い
最大限にストレスレベルを下げ、集中力を高めたければ週に3回45分、できれば息が切れて汗もかくまで運動するといい
SNS :
積極的に交流したいと思う人だけをフォローしよう
SNSは交流の道具と考えて
スマホからSNSをアンインストールして、パソコンだけで使おう
引用以上。
(この本はだいぶ読まれたと思います、というのは図書館のリクエストの予約人数が今も何百人になっているからです。もっと売るために僕だったら、、サブタイトルに…色仕掛けでくるプレイボーイや魅惑的な女性のようなスマホとつき合うためには…と、つけますね…騙されなければ、適度に利用すればとても良い刺激になると個人的には思うからです、付き合うなと言うのは簡単ですがそう言われれば付き合いたくなるのが人間の性:さが、この本でもスマホの悪影響を少なくするためにランニングをしたりスポーツをすることを勧めています、これとても昔よくありましたよね、セックスにふけるのではなくスポーツで昇華する、僕が飲んだくれてたのも昇華と言えなくもない😅)
****以下はこの本の肝心なところと思われるところを僕がピックアップしたものです、必要に応じてお読みください
8〜9ページ前書きより引用
中略…なぜこれほど多くの人が、物質的には恵まれているのに、不安を感じているのだろうか。今までになく他人と接続(傍点付き)しているのに、なぜ孤独を感じるのか。それが次第にわかってきた。答えの一部は、今、私たちが暮らす世界が人間にとって非常に異質なものだという事実だ。このミスマッチ、つまり、私たちを取り巻く環境と、人間の進化の結果が合っていないことが、私たちの心に影響を及ぼしているのだ。
自動車や電気やスマホは、あなたや私にとってごく自然な存在だ。それらがない世界なんて、今では考えられない。しかし今のこの社会は、人間の歴史のほんの一瞬にすぎない。地球上に現れてから99.9%の時間を、人間は狩猟と採集をして暮らしてきた。私たちの脳は、今でも当時の生活様式に最適化されている。脳はこの1万年変化していない…それが現実なのだ。生物学的に見ると、あなたの脳はまだサバンナで暮らしている。
(著者は…サバンナの暮らしに適応した脳が、現代の急速な状況の変化に追いついていないことをるる述べた上で、、)
72ページ
周囲の環境を理解するほど、生き延びられる可能性が高まる…その結果、自然は人間に、新しい情報を探し探そうとする本能を与えた。この本能の裏にある脳内物質は何だろうか。もうおわかりだろう。そう、ドーパミンだ。新しいことを学ぶと脳はドーパミンを放出する。それだけではない。ドーパミンのおかげで人間はもっと詳しく学びたいと思うのだ。
77ページ
中略…
このメカニズムをうまく利用しているのは、ゲーム会社やカジノだけではない…中略…私たちは「ちょっと見てみるだけ」とスマホを手に取る。しかもこれを頻繁にやっている。起きている間じゅうずっと、10分おきに。
78ページ
このような企業の多くは、行動科学や脳科学の専門家を雇っている。そのアプリが極力効果的に脳の報酬システムを直撃し、最大限の依存性を実現するためにだ。金儲けという意味で言えば、私たちの脳のハッキングに成功したのは間違いない。
83〜84ページ
ここであなたの脳は、数十万年かけて進化した通りに機能しているだけだ。チャットの着信のような不確かな結果には、ドーパミンというごほうびを差し出す。そのせいで、スマホを見たいという強い欲求が起こる。脳は新しい情報を探そうとする。特に、犯罪事件の記事のように感情に訴えてくる、危険に関する情報を。アプリのお知らせは、社会とつながっていると実感させてくれる。脳は、あなたの話に他人がどう反応したか…投稿につく「いいね」…にも集中を注がせようとする…中略
…スマホが脳をハッキングするメカニズム、そしてなぜスマホを遠ざけておくのが難しいのか、これでわかっただろうか。私たちを虜にするスマホの魔力に、人間はどんな影響受けているのだろうか。次それを見ていこう。
(89ページの最後にちょっと気になることが書かれていた…
余談だが、基本的に女性の方が男性よりもマルチタスクに長けているそうだ)
90ページ
複数の作業の間で集中を移動させることで、気持ちが良くなる。これは私たちの祖先が、この世のあらゆる刺激に迅速に対応できるよう、警戒体制を整えておく必要があったせいだ。わずかな気の緩みが命の危険に危険につながる可能性があるのだから、何事も見逃さないようにしなければいけない。やはりここでも「火災報知器の原則」なのだ。中略…現れるものすべてに素早く反応すること。人口の半数が10歳前に亡くなるほど危険だった時代に、それは決定的な違いだった。脳はそうやって進化してきたのだ。ドーパミンと言う報酬を与えてマルチタスクをさせ、簡単に気が散るようにした。私たちは今でも喜んでそれに従うが、そこには代償もある。
92ページ…マルチタスクを頻繁にやる人は、瑣末な情報を選り分けて無視するのが苦手なようだ。つまり「常に気が散る人はほぼ確実に、脳が最適な状態で動かなくなる」
102ページ
つまり、集中力を完全に回復させ、読んでいた箇所に戻るのには切替時間が必要なのだ。中略…理解が悪くなる上に、時間もかかる。チャットやメールをチェックするのは、例えば1時間に数分と決めてしまい、常にチェックしないのが良い方法かもしれない。
104ページ
では、なぜ私たちは知識を身につけなくてはいけないのだろうか。スマホにグーグルやウィキペディアが入っているのに。確かに、電話番号くらいなら問題ない。だが、あらゆる知識をグーグルで代用する事は当然できない。人間には知識が必要なのだ。社会と繋がり、批判的な問いかけをし、情報の正確さを精査するために。情報を作業記憶から長期記憶へと移動するための固定化は、「元データ」を脳のRAMランダム・アクセス・メモリからハードディスクに移すだけの作業ではない。情報をその人の個人的体験と融合させ、私たちが「知識」と呼ぶものを構築するのだ。
108ページの囲み記事…マルチタスクによって間違った場所に入る記憶…中略、、、脳は連想が大得意で、何らかの形でその出来事を思い出させるような小さな小さな、手がかりを頼りに、記憶を取り出すことができるのだ。
(※ながら勉強などは事実に関する情報を間違った場所へ送ることになり、記憶をうまく取り出せなくなる)
130ページ
他の人が何をしているのか、互いにどんな関係にあるのか、これを知っておくと有利だったため、人間にはそういう情報を得たいという強い欲求がある。高カロリーな食べ物を食べると脳が満足感というごほうびを与えてくれ、エネルギーたっぷりのものを食べることで餓死するのを防いできた。それと同じように、他人の情報を知ったり広めたりする…つまり噂話をすると、満足感を感じるように脳のメカニズムが進化してきたのだ。私たちが生き延びるのを助けたのは、食べ物とゴシップだった。中略…おもしろいことに、私たちはとりわけ「悪い」噂が好きらしい。上司が泊まりがけの研修で酔っ払って恥をかいたという話は、上司が秀逸なプレゼンをしたという話よりも興味をそそる。実際に、悪い噂は絆を強める。2人の人間が第三者のことを話すとき、内容が悪いことであれば、双方に強い中身意識が芽生えることが判明している。つまり、上司のプレゼンがよかったという話より上司が恥をかいた話をする方が、あなたは同僚により親しみを感じるというわけだ。中略…
人口の1〜2割が他の人間に殺されていた世界では、誰が誰に恨みを抱いているか、誰に気をつけたほうがいいかといった情報は、食べ物はどこにあるかと同じくらい重要だったのだ。争いが特に関心の的になるから、今でもテレビの選挙討論番組は100万人の視聴者を惹きつける。だが、各政治家が掲げる目標といった事務的な情報になると、多くの人がチャンネルを変える。
158〜159ページ
ツイッターにも独自のテクニックがある。スマホでアプリを立ち上げると、青い画面の中で白い鳥が何度か羽ばたいて、スクリーンを埋め尽くすほど大きくなる。それから突然、ツイートが全て現れる。これはログインに時間がかかるわけでも、接続状態が悪いせいでもない。待たせることでスリルを増加させているのだ。この遅れは、あなたの脳の報酬システムを最大限に煽るように入念に計算されている。SNSのプッシュ通知やチャットの着信音がどれも似たような音なのも偶然ではない。友達がチャットを送ってきたと思わせ、社会的な関わりを求める脳の欲求をハッキングしているのだ。実際には、あなたに何かを買わせようとしているかもしれないのに。
160ページ
テクノロジーがどのようにデザインされているかを気にしても無駄だと主張する人々もいる。テクノロジーはテクノロジーなのだから、人間の方が慣れるしかないのだと。だが、私はそれは間違っていると思う。テクノロジーは、好き嫌いにかかわらず受け入れるしかない天気とは違う。テクノロジーの方が私たちに対応すべきであって、その逆ではないはずだ。スマホやSNSは、できるだけ人間を依存させるよう巧妙に開発されている。そうでない形に開発されてもよかったわけだし、今からでも遅くはない。もっと違った製品が欲しいと私たちが言えば、手に入るはずなのだ。
162ページ
狩猟採集民のうち10%から15%が別の人間に殺されたと言われている。原始的な農業社会になってからはさらに悪化し、5人に1人だ。おそらく、言い争いの種が増えたのだろう。それらは仲間内での殺人統計だが、異なる部族間ともなると数字はもっと高くなるはずだ。自分の部族を出て別のホモ・サピエンスを探しに出かけた人は、死に向かっていったようなものだ。この悲惨な数字が現代社会とどう関係があるのか。実は関係がある。これらの数字は人間の最も重要な社交的衝動から生まれたのだから。つまり人間を「自分たち」と「あいつら」に分類することだ。知らない相手に対する不安、特に、見た目が異なる人に対して不安が湧くのだ。兵法を作動させる扁桃体は、見覚えのない人たちに対してすぐに反応する。
163ページ
実際のところ、見た目の違いは何よりも気候への適応に起因している。肌の色は、例えばどのぐらいの量の紫外線にさられたかによる。色の薄い肌は、ビタミンDを効果的に取り入れるのに長けている。スウェーデンのように太陽光の少ない地域では、ビタミンDを生成するために肌が薄い色に進化した。寒さへの耐性にも遺伝子的な違いがある。アジア系の脂肪のついたまぶたは、祖先がモンゴルで極寒の中に暮らしていた時期の遺産だと考えられている。
171ページ
2017年10月、ここに20年間のインターネット使用習慣を調べた過去最大の調査「スウェーデン人とインターネット」の結果が発表された。結論は、私たちはスマホに取り憑かれていると言うものだったが、誰も驚きはしないだろう。それでも、ほぼ全員が息をのんだ点があった。子供の生活にデジタル機器がどれほど大きな影響及ぼしているかという事実だ。それも、かなり小さな子供まで。乳児、つまり月齢12カ月までの4人に1人がインターネットを使っている。2歳児は半数以上がインターネットを毎日使っているというのだ。
スマホ依存による集中力の欠如を補う方法として、、、216ページ
いちばんいいのは、6カ月間に最低52時間体を動かすことだ。これは週に2時間という計算になり、さらに分割すると、例えば45分が3回になる。それより長く運動しても、さらに効果があるわけではないようだ。もちろん身体のコンディションはよくなるが。脳だけの話をすると、週2時間あたりのどこかで効果に限界がくる。言い換えれば、マラソンまではする必要なしということだ。
脳の観点から見ると、心拍数は上げないより上げたほうがいい。と言っても、速足で歩くだけでも驚くほどの効果がある。できることをやって、心拍数が上がればなおよしというわけだ。
228ページ
作家ニコラス・カーは印刷技術が大衆に著しい集中力を与えた様子を描写している。一冊の本を開けば、突如として他の人間の思考に身を置くことができ、その人が書き記した文章に集中することができる。カーはインターネットは本とは真逆の存在だと考えている。インターネットは深い思索を拡散してはくれない。表面をかすめて次から次へと進んでいくだけだ。目新しい情報とドパミン放出を永遠に求め続けて。
233ページ
選択圧と言う作用がある。動物が、環境下で生存率を高められる特質を覚得することだ。雪に覆われた景色に溶け込めるよう白い白熊を創ったのも選択圧だし、アルプスの急な斜面でバランスを保てるよう石を完璧につかめる蹄をもったヤギを創ったのも選択圧だ。
234ページ
「こんなに恵まれているのに、なぜ精神状態が悪くなるんだろう」その答えは、自然が人間に長く続く幸福感を埋め込む価値を見出さなかったためだ。自然は私たちに一時的な幸せは与えてくれた。美味しいものを食べたときや友人と一緒にいるとき、セックスのとき、仕事で昇進したときなどに感じる幸福感だ。しかしこういったポジティブな感情はすぐに「もっと食べたい」「もっとセックスしたい」「もっと出世したい」という欲求に変わってしまう。そこにはもっともな理由がある。引き続き行動に出られるようにするためだ。
「昨日、お腹がはちきれそうなくらい食べたから、今日は食べなくてもいいかな」「去年の冬の住まいは安全で暖かかった。もうすぐまた冬が来るけど気にしなくていいや」私たちの祖先には、そんなふうに考える余裕はなかった。私たちの祖先の99.9%にとって食べ物、安全、見通せる未来といったセーフティーネットは、日常に存在しなかった。今のような余裕のある環境に、自然はまだ人間を適応させられていない。だから私たちは不安を感じ、危険を探し続ける。本当はもうそんなことをする必要はないのに。
236〜237ページ
テクノロジーで退化しないために…
「インターネットのせいで頭が悪くなり、うつになる」そんなタブロイド紙の見出しを、ここ数年頻繁に見かける。実際には、それよりずっと複雑な問題だ。もちろんデジタル化は人類が経験した中で最も大きな社会変革で、私たちが見ているのは「ほんの始まり」に過ぎないという推測が正しいだろう。今後数十年で、社会は私たちが夢にも見たことのない形に変化し、効率化されていくはずだ。同時に、200年前に起きた別の社会変革と比較することができる。産業革命だ。産業社会に移行したことで、私たちは食料の生産が上手になり、飢え死にする人も減った。産業革命以前の18世紀に生きたフランスの農民は可処分所得の約半分を食べ物に充てていたが、それでも1日1800キロカロリーに満たなかった。中略…それから300年後、世界の大部分で飢餓は根絶した。社会の発展のおかげで何百万人もが命を救われたのだ。だが、批判的な目で見てみると、私たちはカロリー過剰にうまく対応して対応をしてこなかった。その結果として肥満が予防可能な死因リストの上位に挙がり、現在では飢餓よりも食べ過ぎで亡くなる人の方が多い。
私はスマホをもっているのですが、ほとんど使わない。親切な人が周りに多くて使い方を教えてくれ、whatsupでやり取りできるようにしてくれたけれど、面倒くさい。彼らが「ダメだよ、練習しなきゃ」と何かメッセージを送ってきたときだけ、返事を送る。スマホを使い出した理由は、ワクチン接種3回の証明書を持ち歩く代わりにスマホに入れてあるから(これも周りの助けで)。
これからも使わないと思うけど、それに対して特別批判的でもない理由は、テレビが登場したとき『一億総白痴」という言葉がはやって国民全員がアホになると言われたのに、今ではテレビの影響なんかたかが知れている。白痴になる前のみんなテレビの使い方を学んだから。
スマホの気の遠くなるような機能に対して人間はまだ幼稚なので、戸惑っている部分がたくさんあるのでしょうが、そのうち慣れて(一部飽きて)上手な使い方ができるのではないかとも思います。
女性の方がマルチタスクをこなせる理由は簡単ですよね、泣き叫ぶ子に母乳を与えなければならない、へっついではご飯が吹いている、あ、風で洗濯物が飛んで行った、猫が来て干した鯵をかっぱらおうとしている。これで母乳だけに集中してたんじゃ、亭主の食べ物も準備できない。
また女性は何かを一心に深く思うことが男性より少ないので、悲劇からの立ち直りも早いそうで、「気が散りやすい」という女性の特徴は一種の恩寵だと誰かが書いていました。それだけに、すごい発見とか発明はむずかしいのでしょうね。
これも何かの本で読んだのですが、今の60代の人の頭脳は明治以前の20代くらいの人並みに働くそうです。理由は刺激が多いから。新聞を読み、テレビを見るだけで、もうだいぶ違う。でもスマホやその他のデジタル手段で地球の果てまで繋がることが必要なのかどうか。過ぎたるは及ばざるがごとし。とはいえ、確かに「もっと、もっと」で果てしなく技術が進んで、人間の手に負えないことが増えていっているような気がします。
それにしても、電車に乗っても駅の待合でもほぼ全員が俯いてスマホを見ている光景はちょっと・・・週刊誌や文庫本を読んだり、隣の人に話しかけたり、という風景が見られなくなったのはとても寂しい。