水害列島 日本の挑戦:ウィズコロナ時代の地球温暖化への処方箋:日経BP 2020年11月刊
記憶に新しい2019年の東日本台風による利根川の上流域の3日間の雨量は300ミリを越え、1947年利根川の堤防が決壊したカスリーン台風の雨量に相当した。試験湛水中の八ッ場ダムを含む上流ダム群や渡瀬遊水池などの調節池群が、過去最大の洪水貯留を行った結果、かろうじて利根川の氾濫を回避できた、、、同書14ページの説明より
(数字を挙げて説明いたします) 101ページより引用
東日本台風の際に発揮された治水効果…
ここまで述べてきた治水施設が、東日本台風の際に発揮した効果を見てみる。利根川上流の矢木沢ダム、奈良俣ダム、藤原ダム、相俣ダム、薗原ダムと神流側にある下久保ダムを合わせて7,000万立方メートル、試験湛水中の八ッ場ダムで7,500万立方メートル、合わせて1億4,500万立方メートルの洪水を貯め込んだ。
それにより、利根川の治水基準点である八斗島地点では、約1メートル水位が低下した。ダムがなければ、氾濫危険水を30センチ上回る水位に達していた。氾濫危険水位とは、それ以上の水位になるといつ氾濫が発生してもおかしくない水位を意味する。住民の避難もこの水位に達する前に完了すべきとされている。八ッ場ダムが試験湛水初期で水がわずかしか貯まっていない状況だったということも手伝い、何とか大きな被害の発生を免れた。
活躍したのはダムだけではない。渡瀬遊水池で1億6000万立方メートルを貯留したのをはじめ、利根川の遊水地や調節池全体で2.5億立方メートルを貯留した。
下流部では、首都圏外郭放水路も効果を発揮した。中川・綾瀬川流域では1982年(昭和57年)の洪水の際に流域で195.5ミリの雨が降り、2万9457戸が浸水したが、2019年の東日本台風の際には、雨量は215ミリと多かったにもかかわらず、浸水家屋は2375戸と1割以下にとどまった。この流域では1982年以降宅地開発も大きく進んだ。首都圏外郭放水路がなければ大きな被害を生ずるところであった。引用以上。
(喉元過ぎれば熱さを忘れる…ぼくは危ういところで救われた事実はもう忘れかけている)
2020年の7月の豪雨… 16ページ…梅雨前線が本州付近に停滞。これに沿って西から流れ込んだ水蒸気と、日本の南にあった太平洋高気圧の縁を南から回り込んだ水蒸気が一体となって、大量に供給され続けた。いわゆる「大気の川」だ。線状降水帯が9個発生した九州では、水に換算して一時アマゾン川の流量の2倍を超える、毎秒40万〜50万立方メートルの水蒸気が流入し、7月3日から約1ヵ月にわたり西日本東日本を中心とした広い範囲で大雨となり全国の被害は死者行方不明者86人、家屋被害は全壊1602棟、床上浸水2645棟に及んだ。
世界に目を向ければ、、27ページ
地球温暖化による水害の増加は…先進国では経済成長に水を刺される。一方、発展途上国では人命を失うと言う大きな損失を被り、国の成長の足かせとなる。近年はその頻度も増加してきた。しかも激甚大さが加速している。世界各国とともに、地球温暖化で激変する水害を克服する取り組みを加速させなければならない
35ページ
シベリアの永久凍土層の解凍が進んで凍土層に閉じ込められていた腐食物が分解されて、メタンガスが発生。そこから地球温暖化の加速や森林火災を発生を招くという悪循環を引き起こしている。
(母が亡くなってまもなくの頃兄が僕をヨーロッパの山岳地帯を歩いて回るツアーに誘ってくれた。兄も僕も記憶はもうほとんど残ってないけれど、氷河塊が崩れ落ちるのを目撃したグループがいた。ガイドの説明では毎年1キロメートルずつ氷河がなくなっていると言っていた)
137ページ
脆弱な広域ゼロメートル市街地
荒川や江戸川が氾濫した場合、あるいは猛烈な台風に伴って高潮が発生した場合、江東5区のほぼ全域が浸水する恐れがある。浸水深さ5メートルを超えるエリアも想定されている。さらに氾濫水がポンプアップされるまで少なくとも2週間以上孤立する地域も想定され、被災生活は長期に及ぶ。
しかも、ここはわが国の首都東京の東部地域で、250万人もの人々が暮らしている。わが国の社会経済活動を担う重要な機能が集積している極めて価値の高い地域であるのだ。ひとたび深刻な災害がこの地域を襲えば、わが国の中枢機能は麻痺し、社会経済への影響は計り知れない。
このような危機意識を背景に、2019年6月に葛飾区において「浸水対応型市街地構想」がとりまとめられた。この構想では、大規模災害水害対策として3つの対策を進めることとしている。「治水対策」「広域避難対策」に加えて、第3の対策として「浸水対応型市街地づくり」(下図参照)を打ち出したのだ。引用終わり。
ほんとですよねドロドロに溶けたマグマ抱えた溶鉱炉みたいなもんですか、地球、、それでもここにしか天国は無い☹️😇、、と思っています🥸 秋深し隣は何をする人ぞ、、、には程遠い今日のぎょっとする暑さです、川で泳いだら気持ちいい環境は今や最高の贅沢?、、自然とか人とかいろいろなものと関係をもって暮らしていくことは煩わしいこともありますが知恵もつけてくれますね。でもそれには条件があって折り合いをつけられる位の範囲の環境であること。夏も冬も温度管理できる部屋に住んでいて食料確保ができる…牢獄に住む志願囚?!の心境です。個人的には小さな世間に暮らし、話し相手をロボットに求める方向に進んでいるなと思います。ミクロ的には個々の環境に合わせているので多様性と言う点で見ればリスク分散になり、あながち悪いことばかりではない。マクロ的には考えること、やることがたくさんありすぎてコンピューターに頼らざるを得ない。どんな環境にあっても情報はきちんと開示させてゆく、アクセスして行く、他の地域の環境と無関係ではいられないから、、、いろいろあがいております😅ずっと閉じこもっていてもお腹は空きます😌いつもコメントいただきまして本当にありがとうございます😊
火災といえば、最近モロッコとアルジェリアが争って国交を絶ちましたが、その理由の一つはモロッコが稀少なアルジェリアの森に放火させているからとか。南欧その他で放火は続いていて、相当大きな被害を受けていますが、犯人も動機も分かりません。
ただ、ギリシアやイタリアは樹木といえばオリーブ。農業生産の大部分はオリーブで、いわゆるモノカルチャーであることが被害を増大させているそうです。農業改革がすっかり忘れられ、こればかりはナチのせいとも植民地宗主国のせいともいえない。
70年代・80年代には砂漠の緑化ということがよく言われましたが、金がうなるほどあるアラブ諸国も、近年深刻化する砂漠の拡大には何の手も講じていない。
森林火災は確かに一部人災ですが、こうも続くと、もしかして地球の内部の温度がどんどん上昇して表面も熱くなっているのでは、という想像もしてしまいます。みんな上空の空気のことばかり言いますが、地球内部から放射されているエネルギーはすごいらしいから、こっちに関しても研究してほしいものです。
ダム。治水にはかかせませんね。四国の田舎でも戦後は洪水が相次ぎましたが、多くは資源が足りないために山林の樹を伐採して販売、あるいは燃料としたためで、植林とダム建設で災害を防ごうという企画はある程度成功しています。
災害防止・人命保護が優先されるのは当然ですけれど、ただ、自然の景観とか人と自然の触れあいという観点から見ると、ダムの存在はちょっと。河川の水がコントロールされるので、山からの水が勢いよく滔々と流れる光景は、もう目にすることがありません。私が7,8歳の頃にはよく川で泳いだものですが、今は水も浅く流れも分散されて、子どもが泳ぐ姿も、岸近くで魚を捕る遊びもすっかり消えてしまいました。
自然のダイナミズムと安全と。両立できないものは多々ありますね。