ごみ収集と言う仕事:藤井誠一郎著:コモンズ2018年5月刊
この本は著者が実際に新宿の清掃局に体当たり的に入学?して体験したフィールドワークである。
ゴミが分別されていない、スプレー缶などが混じっていれば当然焼却機も壊す、小さなゴミ袋で出す、水をよく切っていないゴミが混入している、ずしりと重く、投げ込むときに破裂することもある。悪臭はついて回る。
新宿には細かい通りが多いため軽小型車と言う圧縮機が付いていない車が活躍している(64ページ)。
ご苦労様おはようございま~すの声がモチベーションを上げる、鋭利なゴミで手袋を破ることもあるそうだ感染の危険もある。40キロもあるゴミ袋を次々にタイミングよく車に積みこまなければ疲労がたまり、腰痛の原因にもなる。交通渋滞の原因にならないように速やかに移動していかなければならない。
中でも通行人の安全には最大限配慮する。
新宿では集積所までゴミを出すことが困難で、身近な人などの協力が得られない65歳以上の要介護者や障害者のみの所帯親族や知人からの定期的な連絡や訪問がない85歳以上の世帯を対象に自宅まで訪問してゴミを収集するサービスを行っている。
動物の死体の引き取りはタオルに包んで手渡されることもあるそうだ。シュレッダーゴミのふくろが破裂して付近に散乱することもあるそうで雨でも降っていれば目も当てられない状況。夏も冬も体力勝負。委託社員は週休6日の労働状況が多いと言う。
不法投棄された廃油がゴミ収集車にプレスされ油が近くの自動販売機に飛び…専門家を呼び徹底的に掃除して、持ち主とメーカーに謝罪、なんてこともあるらしい。抜き打ち検査、不法投棄の袋を警察官立ち会いのもとで中身を検査する。出どこがわかれば出向いていて注意喚起するが、とぼけられることも多いとか。外国人向けの注意喚起として外国語の注意喚起シールも用意しなければならない(116ページ)。
奥さんにも子供にも自分の仕事はゴミ収集であることを話さずサラリーマンだと言っていた雇上会社会社の社員もいらっしゃるとか。
ゴミ収集、学校給食、学校用務・事務などに従事する現業職員は経費削減のため委託化の対象とされ、減少し続けてきた。その背景には、自治体の財政難の改善を理由に、半世紀にわたって行われてきた地方の行政改革がある。国の行政改革に連動する形で地方の行政改革が推進され、その流れのもとで業務委託が進められてきた(199ページ)。効率化を優先すれば当然十分に分別されないゴミが混在してくる、業務内容の劣化が問題になってくる。
ざっと読んでもゴミ収集の現場の分別ゴミの分別不徹底、過酷な労働状況、交通渋滞、狭い道などなどを一つ一つクリアし住民とのトラブルを最小限に抑えクレーム処理に追われる現状を垣間見るとゴミの分別を徹底しようと思います。立石図書館がこの本を推薦図書にした理由もよくわかりました。
収集車が満杯になって係りの人がその場所で次の車を持っていると…住民から…サボっていると言う苦情も来るそうです。ゴミの出し方について要望する時も相手に明らかに非がある場合でも慎重にしていく姿勢は…つくづく大変な仕事だなぁと思いました。ペットボトルが洗ってあれば資源ゴミ…洗ってなければ可燃ゴミ…と言う分類だそうです^_^
何のお仕事も大変だけど、ゴミ収集のお仕事も、きっちり分別されてないゴミなど負担を強いることになるし、中で破裂したり危険も伴うのですね。
あまり袋をパンパンにすると良くないと良くないそうですが、生ごみの臭いが出ると、猫やカラスに掻きだされるおそれがあるので、割ときっちり封をして出します。
これからは一層気を付けるようにしたいです。今度見かけたら、お礼の声かけと、ゴミんだ仕方に問題はないか聞いてみたいです。