知っておきたい酒の世界史:宮崎正勝著:角川ソフィア文庫2007年6月初版発行
今住んでいる所、つくづく陽の当たらないところです。狭いんだろうけど広いところに住んだことがないので圧迫感は感じない、でも、せめて人がでいりしている1階の台所に、気分を引き立たせるために、お酒でも並べておこうと思いたち、2ヶ月位前から使ってないこれまた狭い風呂場に幅の狭い棚を作って蒸留酒だの少し並べてみた。ついでに立石図書館の奥に併設されているリサイクルショップゆず屋からグラス類を格安で仕入れ納めてみたら少しは華やいだ雰囲気が出た?!こういうことは気分の問題である。後はここに出入りする人に適当に使ってもらえばいいや。で、今のところそれほど利用しているふうじゃないので、僕が使っています。なんか面白いです。並べた酒を毎晩少しずつ飲んでいます。昨日は何年かぶりでジャズに関するCDをかけたりしてました。そんなふうでゆず屋で500円で買った小さなカウンターを兼ねた机で中古本のお酒のカタログを見ていたらこの本の紹介があり取り寄せて読んでみたというわけ。これがなかなか面白い。以下話の種にいくつかの蒸留酒を取り上げてみます。話はとりとめなくあちこち行きます…。
第1章に最古の歴史を持つ蜂蜜酒ミードが出てきた。この酒の事はエチオピアの友人に存在を聞いていた。その時ついでに話に出たのは…少し前までエチオピアでは、ビールは自宅で作っていたと言う話…それをまた道端で売っていた人もいるという話。その時はへぇーと思いながらも軽く聞き流しておいた。この本を読むうちに酒造りは自然発生的に生まれたものも多くエチオピアの友人の話していたはビール作りの話もなんとなく納得がいった。そういえば彼、キリンの一番搾り好きだったな、僕も好き、、、てな調子では話が長引くばかりで疲れる。ビールの話この本から引用します。45〜46ページ
中略…ちなみに四大文明を育んだ穀物のなかで、もっとも早く酒づくりと結びつくのは、「粉」に碾:ひかれた後で発酵パンとして食べられたムギだった。粉に碾かれて利用されるムギは、もっとも酒になりやすい穀物だったのである。
幸いなことに穀類のモヤシ(穀芽)には、デンプンを糖に変える酵素が含まれていた。そこでムギ食圏(メソポタミア・エジプト)では、発芽させたムギ(麦芽、モルト)をそのまま発酵させ、ビールをつくることができたのである。
(引き続き47ページより引用、、)
ビールは、文明が誕生した5000年前にはすでにメソポタミア、エジプトで飲まれていた。当時のビールはどろどろで「飲むパン」「液体のパン」とみなされ、大衆にもなじみ深い飲みものになっていった。原料のムギが簡単に入手できたためである。しかし、当時のビールには「苦み」がなく、低アルコール濃度の気の抜けた飲み物にすぎなかった。それでもメソポタミア文明を築いたシュメール人は大変な酒好きであり、収穫されたムギの40%を「ビール」醸造にあてたとされている。現在と比べてみると、ものすごく高い比率である。引用以上
(※エジプトでは、神宮や官吏の俸給の一部がビールで支給された…と49ページにありました)
次、日本酒…僕の家の近くに住んでいたMさん、会社経営を引退した後福島に5年間移住していた。Mさんに聞いた話を思い出した。休耕田で酒米を作り、それを蔵元に持っていって日本酒にしてもらってしぼりたてを手分けして配って歩いたと言う話。加熱処理をしていないので飲み頃は1週間、あっという間に捌けたそうだ、飲みたかった、あはは。
(僕の飲酒の習慣はここ数年間で復活したものです、40年近く酒は飲んでいませんでした。代々の相棒とも酒はほとんど飲んでいません、そんな気分ではありませんでした、つまり酒を飲んで晴れる気分ではない、禁酒しているつもりはなく飲む気にならなかった、だからと言うわけでもないが今少し暇ができてやっと酒を楽しむ気分を味わうことができている)
※ 63ページより引用…中略「日本酒」はウルチ米を原料とし、麹カビを二日程度繁殖させた「散麹:ばらこうじ」を使用するところに特色がある。この麹は日本固有のものである。引用以上
(日本には早くから発酵を停止させるための火入れ技術あったとされて… 65ページより引用、、
ヨーロッパでは19世紀後半にパストゥールが低温殺菌法を開発し、ビール、ワインの大量製造がはじめて可能になったが、日本では室町時代に加熱殺菌の技術がすでに開発されていたのである。、、
と、ある)
※ハワイの酒…ハワイには、往時の捕鯨業をしのばせる、鯨油精製用の鉄鍋を使って作られる酒がある(137ページ) →オケレハウ、、、
ここでちょっとお酒の話から離れて面白いこぼれ話が載ってましたので137ページより引用
当時の捕鯨船は、1度航海に出ると船倉が鯨油で1杯になるまで母港に戻らず、ほぼ4年におよぶ大航海を行った。ハワイ諸島のホノルルは、捕鯨船の食料、水などの補給基地として大きな役割を果たしていたのである。しかし、クジラの宝庫、日本近海を周遊するクジラを追いかけるには、日本列島に食料、飲料水の補給地が必要になる。アメリカの捕鯨業者が小笠原を拠点として確保し、さらにペリー提督を派遣して開国を求めたのは、そのためである。当時のアメリカの主産業は捕鯨で、捕鯨船団が日本近海で水、食料などを安定して手に入れることが必要だったのである。引用以上
(※鯨油は産業革命による需要、つまり、街灯、灯油、ランプ、ろうそくの原料として1842年頃には、800隻以上の捕鯨船がオーシャンに乗り出し、年間約一万頭ものマッコウクジラが捕獲されたという記録があり、これらは1850年以降に石油が利用される以前の話である、とある(136ページより抜粋)
(お酒の話から歴史の確認、どんなにググってもこんなネタはなかなか取れない、あはは、やっぱり本はいいね😊)
ワインを長持ちさせるために蒸留して保管していたものがひょんな事から発展してブランデーができた話も面白いけど…オマケで、アブサンに関する話、載せときます。
198ページ
緑色に輝く安酒
19世紀に庶民が好んだ酒アブサンは強いアルコール濃度と習慣性があり、アルコール中毒を多発させるとして第一次世界大戦時に姿を消してしまった。今は、幻の酒になってしまったが、1時はヨーロッパで多大の支持を得た大衆酒だったのである。
引き続き200ページより引用
まもなくアブサン常飲者のなかに中毒現象がひろまり、労働意欲の減退、犯罪多発などの社会問題が頻発した。アブサンを愛飲した芸術家としては、モーパッサン、ヴェルレーヌ、ゴーギャン、モネ、ドガ、ピカソ、ヘミングウェーなどが知られているが、繊細な詩人として知られるヴェルレーヌ(1844ー96)、酒場を愛し、踊り子の姿や客の様子を好んで描いた画家ロートレック(1864ー1901)などは、アブサン中毒なって悲惨な生涯を、閉じている。ゴッホ(1853ー90)も自画像を描くときに邪魔だとして左耳を切断したり、自殺を図るなどしたが、それもアブサンの常飲により精神に異常をきたしたためとされている。アブサンの常飲で、幻覚を覚えたり、錯乱する者が増え、普通の状態ではとても考えられないような犯罪が続出したのである。中略…第一次世界大戦(1914ー18)が始まると、フランス政府はアブサンは国民の精気を奪うものとし、1915年3月1日に飲用を禁止した。引用以上
(アル中一歩手前まで行った人を知っています、というかぼく。間違いを犯さなかったのが不思議なくらい、なんであんなに飲んだか検証がまだ済んでいない😔飲んでかっこつけてた、または人生をまじめに考えたくなかった、としか思えない、情けない、これが原因で若い人に説教できない、まぁ間違って結婚しなかったことだけは結果的によかったと最近思う、そもそも激しい恋愛とか噂では聞いていたけどにわかには信じられなかったし、そういう相手にも出会わなかった、そもそも暖かい家庭を築こうなんて発想が全然なかった。ムラムラした時は、自分で済ますか、そういう場所で発散、、本当にすいません、お世話になりました😞、、酒の本を読んでよかった…この場を借りてスイマセンは一回で済む、あ、ついでに気分悪くした方すいません😔で、次はこの問題に関して、真面目に取り上げた本をイモヅルで取り上げます)
アブサン、昔私も飲みましたよ、たまに、ですけど。これ薄めると乳白色になる。ちょっと甘味があり、強い香りがする(アニスかウイキョウの香らしい)。同じく労働者の飲み物として、イタリアのペルノーというお酒がありますね。(アブサンはフランス語。)
これらに郷愁があったのは、20代の頃にレバノンで飲んだ「アラク゚」とギリシアのウッゾに似ていたから。(地中海が私のテーマだった時期です。)
えええ❓アブサンは精神に異常をきたす?うーん、それで私も頭をやられたのかしら。
アブサンってニガヨモギのことですよね。ニガヨモギって言えば数年前に面白いことがありました。オーストリアで修道院のハーブガーデンを歩いていて、見たことがあるような、でも違うような植物があったので、ちょうどそこに居合わせた庭師さん(あとで聞くと修道士だった)に、これは何かと訊くとwermut(ヴェームート)だというのです。お酒に使われるとのことで、そうか、ヴェルモットってお酒はこのハーブを使っているんだ、と分かったのですが、これがニガヨモギのことでした。
お酒と修道院は深い縁があって、欧州のビールは修道院で生まれたし、ワインの醸造も盛んです。一説には欧州の水は飲料としてはよくないので、薄いビールやワインを代わりに飲んでいたというのですが、そんなの半分言い訳ですよね。まあね、聖職なんて酒でも飲まんと真面目にやってられない・・・あ、こんな冒涜的なこと言って、罰が当たるわ。
写真は南ドイツのミュンヘンで造られる有名なビール「パオラ―ナー」のマーク。ほら、修道士がワッペンとして使われているでしょう。