タクシードライバーぐるぐる日記:内田正治著:三五館シンシャ2021年9月刊
著者は本人が役員だった会社の倒産後、50の手習いよろしく全くの未経験から研修を経て晴れてタクシードライバーとなる。それも10数年前とて、地理案内の画面が見られるわけでもなく、お客さんに怒られながらのヒヤヒヤのスタート、、、早くも、もうこの辺から読んでいるこっちが初心者タクシードライバーになった気分。休日もバス路線の終点まで乗車して不慣れな都内の地理を頭に叩き込む日々。客を乗せるときのドアを開けるタイミングの難しさ…まさにゼロからのスタート、臨場感抜群。はじめてのお客は女性。
「じつは私、この年齢でタクシー運転手を始めたばかりで、最初のお客さからなんです」と言うと、「ラッキー」と手を叩いて喜んでくれた。明るくノリの良いお客で助かった。29ページより引用
読み終えて疲れました、快い疲労でした。僕も昔、木造建築の著書もある杉並区の一級休建築士のもとで大工さんの現場進行の見習いをやったことがあります、その時そこの社長が僕をしみじみ見て「まさに40の手習いだね」と言われた僕は40歳…この著者は50歳の手習い…負けたと思いました。もちろん僕は脱落、この著者は早朝から深夜に及ぶ毎日の積み重ねの10数年を、やり遂げたのです、約40,000人に会ったことになるそうです。地道な積み重ねに凄みを感じます。著者の内田さんはKBCメンバーなら誰でも知ってる近くにお住まいになっている方なのです…あさからぬ不思議なご縁で結ばれていました。
直接お聞きになったこういう情報というか証言が貴重ですね、アメリカの民主主義の暴力、中国の全体主義のかつての欧米の植民地主義そっくりのやり口(鉄道路線をひいて流通経路を作りなおかつ現地に利益を落とさない)、、、どちら様の「民主」も眉唾です。