グーグルが日本を破壊する:竹内一正著: PHP新書2008年4月刊
図書館除籍図書です。13年前の本。物騒なタイトルの本ですが13年前の本ですので心静かに読めます。
※ネットが簡単に介入できない業界の事情、について、、、
日本の広告業界とテレビ局の運営と日本政府が密接につながっていて、日本の独自性を浮かびあがらしている、、当時のTBSのニュースキャスター田英夫の一件。
81ページより引用、、、
1967年、田英夫氏は、現地で実際になにが起こっているのかを伝えようと、北ベトナムに乗り込んだ。そこには「米国の勝利は近い」とする米国の報道とは正反対の現実にがあった。田英夫氏は、米国軍は負けつつあると感じたのだ。引用以上。
これを「ニューススコープ」でそのまま本人のコメントとしてニュースで流した…政府筋から圧力がかかり…めぐりめぐって田英夫は退社した。で、、、従来日本の放送業界、法律的な制約、一見:いちげんさんお断りの広告業界鉄壁の守り、その後どうなったか…今ググったら2019年度にはインターネット広告がテレビ広告を上回った!そうだ…。Google が日本のシステムを破壊した、なるほど。
※携帯電話とGoogleの相性
2008年の時点では携帯電話のパソコン化は予想されてはいても現在の範囲までは予想もつかなかったようだ。2007年版の総務省の2007年版情報通信白書では携帯電話からのネット利用者が約6,900万人でパソコンからの利用者数を超えている、去年の15歳から69歳の抽出検査によると携帯電話の利用者、日本で9割近くアメリカで9割越えの利用者と出た。出典の正確さは、疑わしいがかなりの普及率であることは間違いない。4G、5Gのスマートフォンは若者なら誰でも持っていそうな感じがする。13年前とは明らかに事情が違う。こんなことがわかるだけでもちょっと古い書籍に当たり状況の推移を確認することは事は面白い。いつでもどこでもGoogle検索ができるスマホはGoogleと相性が良い、当たり前。
13年前の本の予想が当たっているかとか外れたとかの興味ではない。僕の感想は…スマホに関する限り、、、IT革命は確かに革命であり静かに大成功したんだなと思っています。ぼくはどこの売り上げが1番でどこが2番なんて事はどうでもいい。誰が勝って誰が負けたかではない…勝ったのか負けたのかなんて更に10年後に確認すれば良いと思いました、、、それが庶民の皮膚感覚じゃないかと思っています、便利だから使う、使う人が多ければ供給側も最初の予測と違っていても修正せざるを得ない。将来性のある商品や環境が控えていても、とりあえず売れる時に売れるだけ売るのが商売の鉄則、(まったくの私見)
※広告料収入で成り立っている会社Googleのその後、、、
日本でも2004年からサービスが始まり600を超えるサイトをベースにニュースが提供されているGoogleニュース、、、Googleが開発したアルゴリズムによって自動表示しているところがすごい。しかもカテゴリーは10数分ごとに更新され、過去30日分の記事も検索可能になっている…引用以上
13年前のこの記述のGoogleニュース、現在どうなっているか、ためしに検索してみると、、、首都カブールが陥落しタリバンが制圧したと出ていて空港には避難者が殺到したと写真付きで報道している。
機械的にというかアルゴリズムで自動的に各社のニュースをずらずら提供してくるこの方式は僕の性分に合っていると思いました。ニュースの価値付けまでは頼んでいない、それはこっちでやることだ。
ご参考までに…ググってみると2019年のGoogleの親会社であるAlphabetの純利益307億ドル、そのうちの70.4%は広告料!
刺激的なタイトルのこの本の評価は僕にはできません。何を評価していいかわからないからです。ただ検索機能にヒントを得てそこから広告料をたたき出したこの会社の独創性と役割はよくわかります。検索結果を利用する者としては…毎日のように便利な索引として使っていますし、スマホさえあれば、辞書類を引くことも少なくなりました、とりあえず何か疑問が生じたときの問い合わせ先のトップですね、Google。そういう方多いんじゃないでしょうか。深く知ると言うよりは方向性をつかむ感覚かな。これって僕らの脳も同じように働いているんじゃないだろうか。大体の方向性をつかんでから個々に深く知っていく。その導入部としてのGoogle検索。
中国でのビジネス展開において先方のお国事情に合わせたとか日和ったとか言われていますがGoogleもまさか国家権力の検閲用に使われるとは、予定しなかったと思います。井戸を掘った人を忘れるな、と言う事を考えれば中国首脳部の連中はGoogleに足を向けて寝られないと思います。Googleの社是をもし僕が作るとすれば…「検索結果を以って語らしめよ」、つまり検索結果の集合は物言わぬ大衆の声、将来その声の集合が悪い結果を生んだとしても…それは大多数の決定であるからして、悪い決定であったとしても反論できない、Googleはそう開き直るつもりだと僕は考えています。大多数を味方につけておけば裁判で負ける事は無い…勝ち上がる戦略ではなく負けない戦略、あはは。
政治家、公務員、ジャーナリスト…が堕落していく道は整っていると思っています。その環境に身を置く前に自分なりの覚悟を決めた人でもその環境に身を置いた途端…環境に親和してしまう、それは、もちろん悪いことばかりでは無いとは思いますが、多分圧倒的なので、気を確かに持つ事は難しいと思います。変わった人が必要な理由…あはは。
田英夫、懐かしい名前を聞きました。顔はどんなだったっけ、と調べてみたら年とってからの写真ばかりでしたけど、どこかに若い頃の面影もあって思い出しました。(なんちゅうミーハーや。)
インターネット、グーグル、フェイスブック、ツイッター、もう何が何だか分からない。フェイスブックもツイッターも関心ないけど、こういう形で一般人がニュースを捉えて広げるのは必ずしも悪くないと思っています(どうも質には問題有ることが多いですが)。私は新聞を読む方ですが、本来権力を監視し批判するはずの新聞・メデアが第三の権力と言われて久しく、そして偏りまくった報道も珍しくなく、また「ジャーナリスト」の傲慢も目に余る。だからニュースソースを彼らのみに頼らずに済むのは、彼らにジャーナリストの本来の使命を気づかせ緊張を保たせるという意味で、結構なことではないでしょうか。