SDGsの正体:メディア報道ではわからない真の目的とは: 村井哲之著: PHP研究所2020年11月刊
この本も立石図書館のオススメ本の棚に展示してあったものです。
この本のキモと思われる部分を引用する
※ 123ページから124ページ引用
人類のエゴの問題は、つまるところ「現存資源の獲得競争」だと言える。これを今まで優位に戦ってきたのが、欧米白人社会だ。
彼らが持続可能にしたいのは、実はこの優位性なんだよ。
中国、インドを筆頭に、これからの成長余力がある国々は、なにしろ人口が多い。欧米白人社会は、これに「乗っ取られる」ことが、常に大きな不安として心の底にある。だから、一見正当に見える理由をつけて、それを未然に防いでしまいたいわけだ。
SDGsの正体みたりだ。
欧米白人社会が「人類」と言い出したら「欧米白人」と置き換えて読むべきだな。そうすると、いろいろなことの大きな意味がわかってくるよ。(中略)
残念ながら「同じ人間」とは思われていないようだね。
会田雄次さんの「アーロン収容所」という名著の中に、このことについての非常に有名な記述がある。ちょっと長いが引用しよう。先の大戦でイギリス軍の捕虜になった会田さんの、生々しい体験だ。
その日は英軍の女兵舎の掃除であった。(中略)私は部屋に入り掃除をしようとしておどろいた。一人の女が全裸で鏡の前に立って髪をすいていたからである。ドアの音にうしろをふりむいたが、日本兵であることを知るとそのまま何事もなかったかのようにまた髪をくしけずりはじめた。部屋にはニ、三の女がいて、寝台に横になりながら「ライフ」か何かを読んでいる。なんの変化もおこらない。私はそのまま部屋を掃除し、床をふいた。裸の女は髪をすき終わると下着をつけ、そのまま寝台に横になってタバコを吸い始めた。
入ってきたのがもし白人だったら、女たちは金切声を上げ大変な騒ぎになったことと思われる。しかし日本人だったので彼女らはまったくその存在を無視していたのである。(中略)
もちろん相手がビルマ人やインド人であってもおなじことだろう。そのくせイギリス兵には、はにかんだり、ニコニコしたりでむやみと愛嬌がよい。彼女たちからすれば、植民地人や有色人はあきらかに「人間」ではないのである。それは家畜にひとしいものだから、それに対し人間に対するような感覚を持つ必要はないのだ。どうしてもそうとしか思えない。
「アーロン収容所」会田雄次著、中公文庫版 46〜50ページ。
引用、というか孫引き以上
これが1945年頃の出来事だとするとこの女性兵士の子供の世代が今の60代後半から70代前半位でとなり、こういう人たちがエスタブリッシュメントの中に間違いなく色濃く残っている感覚だと考えたほうがいいかな…と対談形式のこの本の中で著者は述べている。
これらの背景をよく吟味してからでないとかつての連合国が中心となっている国連が標榜するSDGs を視野に入れた上手なビジネス構築はできないと、ここまで言わないとどこまでも人の良い日本人の耳に届かないということだろう。
その一方で最後にSDGsの17項目に書いてない独自の18項を加え、その必要性を熱く説いています。SDGsを鵜呑みにするのではなくその積極的な利用方法をも説いているビジネス指南書でもある。
どんな法律も裏をかくものがいてそれを利用する者がいる事は全世界共通、真面目すぎる日本人に対する警告の書としてご一読を僕もお勧めしたくなりました。
僕は商売で下の方をはいずり回ってましたので…日本にいながらいろんな人の人の扱いを見てきましたけど、勘違いしている人がたくさんいて腹が立つより…悲しくなったことの方が多かったような気がします。
会田雄次の「アーロン収容所」読みました!30歳前後だったか。そして、まさにここに引用されている箇所で大きな衝撃を受けました。それから、白人女が日本人捕虜(もちろん男性)に何のためらいもなく自分たちの下着を洗濯させる場面にも唖然としました。これが白人なのだと、悲しい思いでした。
真面目すぎる日本人、その通りです。健気さがどこまでも馬鹿にされ利用される。今回のオリンピックでそれを確認しました。