先日、図書館に寄った時リサイクルコーナーの書棚に10冊ばかり置いてあった本の紹介です。企業コンプライアンスについての専門書を除き(かつて、これもやろうと思った事業継承の仕事のカバー範囲ですが柄じゃないので却下、他の9冊をもらってきました。9冊のうち5冊ざっと紹介させていただきます。ちょっと長いからやんなっちゃうかも知れませんね…大した事は書いてませんので読み飛ばしてくださいませ、たいしたことないのは著者ではなくもちろん…僕のことです、念のため😉。
①「百姓仕事」が自然をつくる:宇根豊:築地書館2001年4月刊
水田が環境に及ぼす好影響について赤とんぼをめぐる哲学的考察。
経済指標に対する圧倒的抗議。農民すら知らない赤とんぼの発生は水田という事実と、自然循環による環境維持機能が正当に評価されていないことに対する異議申し立てでした。数字で表せませんけど少なくとも中国やアメリカの農業よりは無農薬あるいは減農薬で頑張ってる人が多い日本の方が、農薬でミツバチがいなくなっちゃって受粉を全て手でやっている中国やアーモンド栽培に雨あられと農薬ぶんまいている大規模農園経営者の多いアメリカ、に比べてまだマシだと思いました。
②誰にでもできる恋愛:村上龍:青春出版社2000年2月刊
著者が金にものを言わせて?世界を旅した経験からの日本の若者に対する助言と苦言。岡目八目な視点が20年後の格差社会の到来を的確に突いているところもありました。能力のないものは恋愛もできない、とか、あはは。誤解のないように言えば恋愛至上主義は成り立たない、能力主義の到来…まぁ当たり前。マスメディアの仕事がゴシップに偏る…まぁこれも明治時代、成島柳北ら?が活躍した都新聞発祥当時の昔から。当たり障りのない話題で思考能力を鈍磨し国民の牙を抜く、メディアにそれを実行している自覚もない、売り上げ至上主義、これまた昔から。
連載雑誌の若者の人生相談欄をまとめたものとのことです。
③蘇活力:南和友著:アチーブメント出版2013年11月刊
著者はドイツ・ボッフム大学永代教授だそうで30年間にわたりドイツで心臓血管外科医として活躍とプロフィールにある。現在は日本で活躍のようだ。
免疫力は自律神経に左右されると言う主張がわかりやすい。免疫力が高いと体に不必要なものが入ってくると体が迅速に対応する。癌にもかかりにくくなる。交感神経が出すアドレナリンと副交感神経が出すエンドルフィンのバランスも大切。今までの僕は多分圧倒的にエンドルフィンの方が多かったろうと思う。落ち着いて本を読む時間すらなかった、というか読もうと思わなかった。ましてコンサートに行ったり美術館に行ったりしてゆっくりと感動するなんて事は皆無。僕の世代で結構そんな人は多いんじゃないだろうか。お酒はバリバリ飲んでましたけど本当に心から楽しいと思って飲んだことあったろうか?仕事が恋人?…あはは🤣元気でバリバリやってた人がぽっくりいっちゃったなんて話はそこら中にあった。脳内ホルモンのアドレナリンの出過ぎ。体を沈静化させる副交感神経によるエンドルフィンが出る暇がない。
一方老化の原因は休みすぎとのことです。副交感神経過多。あまり動かず刺激も少ないため。
少し引用しておきます。89ページ…
健康とは、まさしく心身共に健全であることです。身体がピンピンしていても活力がなければ健康ではありません。物事を冷静に深く考え、チャレンジ精神に満ち溢れ、自分の想いでいっぱいではなく相手の話をよく聞けるのは、心が健康である証拠です。
引用以上。
④フィンランドの外交政策:M・ヤコブソン著:上川洋訳:財団法人日本国際問題研究所1979年2月刊
最初の30ページまで読み進めたとき僕はこれは外交官を目指す者にとっては最初に読むべき一冊に推したいと思いました、偉そう😁。一国が生き残るためにやるべきことと見つめるべき分析すべきことが網羅されているように思ったからです。例えば第二次世界大戦中のドイツとソ連の駆け引き中の身の処し方。1940年、フィンランド国内の通行権をめぐりロシアとドイツの思惑が絡み合う。1942年ヒトラー率いるドイツ軍がソ連に進攻準備のためドイツ部隊はフィンランドのラップランドに集結を開始した。フィンランド陸軍も動員された。この後フィンランドは議会でソ連と戦争状態にあると宣言することになる、37ページ。フィンランド国内ではドイツの勝利を信じる勢力がやがては英国の1941年12月フィンランドに対しての宣戦布告を招く、アメリカは宣戦を避けて、依然としてフィンランドを戦争の苦境から救出する努力を続けた。物資をドイツに依存していたフィンランドは苦境に立つ。時々刻々変化する戦争状況は最終的にフィンランドは敗れはしたが英国とソ連を除いて第二次世界大戦に巻き込まれた諸国の中で軍事占領を免れた唯一の国であった。
とある 39〜44ページ。
1948年はフィンランドにとって難しい外交を立て続けに解決しなければいけない時であったようだ。ソ連が要求する軍事協力をフィンランド国民が嫌っていることを反映するように巧みにかわし自国領土防衛に限ると主張し続けた。大国間の利害対立の局外にあろうとする姿勢は中立国としてのアイディアに結びつく。パーシキヴィ大統領、ケッコネン大統領と引き継がれるなかで中立路線は当時のソ連(フィンランドは国境を接している)及び西側諸国の中で国際的な理解を得ていく。
100ページから引用します→ケッコネン大統領は196I年10月、ワシントンのナショナルプレスクラブにおいて、フィンランドの中立政策を説明した。そのとき彼は、歴史の若いアメリカ合衆国の聴衆に対して、ジョージ・ワシントンの次のような送別スピーチを引用して助言した。「ある特定の国々を長く根深く敵視するようなことも、他の国々を熱烈に愛好することも避けること、他の国々の合従連衡紛争にかかわり合いになることを避けること、政治的ひも付きのない経済関係を伸ばすこと、そして誠意を持って約束を実行すること」。
このワシントンの教訓は、ケッコネンが指摘したように、フィンランドが第二次世界大戦以来遂行してきた政策のためにつくられたようなものであった。
引用、以上
もう1点だけフィンランドのしたたかな外交政策?を紹介しておきます。状況はその当時のものです→当時の東西ドイツの存在に対してフィンランドはどういう態度をとったか→ 103ページ→フィンランドは…中略…ドイツ連邦共和国(西ドイツ)もドイツ民主共和国(東ドイツ)も承認しなかった。したがって、当然フィンランドは双方とも外交関係を有しなかった。しかし、フィンランドは双方の国に貿易ミッションを維持していて、その指導によって東西ドイツと平等に貿易を推進した。
引用以上
原註、には、フィンランドは朝鮮について南北双方の承認を差し控える政策をとっている、となっているそうだ。
1962年頃、フィンランドはソ連からも西欧諸国からも兵器を輸入している…政治的交渉の途中ある時西欧のある高官が質問した→ 164ページより引用→ 「フィンランドはこれらの兵器が必要であると言うが、いったいそれでだれを撃つつもりであるか」と。その回答は、「フィンランドはこの砲で誰も撃つつもりはない。これらの兵器はただフィンランドの中立維持のために必要とされるのである」と言うものであった。引用以上、フィンランドの回答はそれが妥当であることが(外交的に)暗黙に認められたことになった。
日本はアメリカの第51州と言われて久しい。僕は日本が日本らしさを発揮するのはこれからだと思っている。フィンランドに学ぶべき外交的手腕の発揮場所はきっとたくさんあると思った(対ロシア他)
2、3年前兄がオーロラを見たいと言ってフィンランドに出かけるのに付き添い、結果、天候に恵まれず、見られないまま帰ってきた旅行でせめてもの思い出にとふわふわした白いフクロウのぬいぐるみを買ってきた。賢いフィンランド国民の象徴でもあるのだろうか?
今ふっと思った事は…雅子さんが外交官?続けていたら…外務大臣やった真紀子さんよりは成果あげたかもしれないなとちらっと思いました、何の根拠もありませんけど、あはは。
⑤間宮兄弟:江國香織著:小学館2004年10月刊
こーゆーのってライトノベル?って言うのかな、と思いながら読み進める。本当によくありそうな男と女の物語をサイドストーリーにして間宮兄弟の日常が描かれていく。登場人物はすべて今風の言葉で言うと「等身大」に描かれていて安心して読み進められる。感情移入も無理なくできた。
弟のほうは昔で言うと学校の用務員さん…会社で言うと営繕係…仕事で言うと僕がやっていた便利屋さん、ストーリーは別としてこれは結構面白い仕事だと思いました。4つ違いだかの兄貴のほうは酒造メーカーでデスクワーク。とんちんかんな恋がこれまたありそうで笑える。告白すると…僕自身恋愛ストーリーを組み立てていく事は若い時から結構やっていて…5年先ぐらいまで先読みして…相手の人もなんとなくそれを感じ…恋をする前に白ける事は若い時の僕の日常茶飯事でした。ニヒリスト、と周りでささやかれていたことを知っています。この物語はそういう組み立てではありませんが…人生には自分とは優先順位が全く違うアプローチと生き方があると言うヒントを与えてくれる点では若い人には貴重な一冊かもしれません、なんちゃって。
集中力とエネルギー…ありがとうございます…穴があったら入りたい…すぐ飽きちゃうので飽きる前に飛ばし読みしてるだけです、生活の仕方も飛ばしすぎたので今それを取り戻すのに躍起になってるのかもしれません…あはは
わあ、すごい、ずいぶんたくさんの本を読みこなしていらっしゃるのですね。大したエネルギーと集中力、脱帽です。
① ですけど、そうそうスイス人監督による「ミツバチの大地」を思い出しました。トンボは子供の頃から身近な昆虫です。今の季節、郷里の我が家にはハグロトンボがたくさん飛び交っていることでしょう。お盆の頃に見る木の下闇のハグロトンボ(ホトケトンボとも)は亡くなった祖先を思わせます。
② 誰にでもできる恋愛。できない人もいるみたいですよ。私「やわ肌のあつき血汐にふれもみでさびしからずや道を説く君」という与謝野晶子の歌を思い出しました。儒教思想の呪縛から自らを解き放てない道徳人とか。彼らなら「柔肌が何だっていうんだ」と言いそう。あるいはこの歌、明星派を馬鹿にしていたお堅いアララギ派の茂吉とか赤彦、佐千夫などをからかっていたのかもしれません。
③ 免疫力の話ですけど、私少しばかり落ち込んでいるのです。ワクチン接種を二回しましたが、な~んともないの。若い人ほど副作用があるっていうでしょう。それで思い出したのが昨年初めの放射線治療で、これも全く問題なし。きっと年とって細胞が異物に反応しなくなっているのだと思います。
④ フィンランドの外交政策。あまり注目されない国ですけど、これまでいろいろ苦労をしているのですよね。ソ連時代にはそこ(ソ連)の日本人駐在員がフィンランドにトイレットペーパーを買いにきた、という話を聞いたことがあります。そうです、武器・兵器は使わないために必要だと思います。丸腰ではすぐに狙われてしまう。