< 書のたのしみかた >
鈴木史楼著:新潮選書1997年11月刊
兄の親友の OKさんからこの著者の名前が出て… Amazonで探したらこの本に出会い入手した。
(若い頃全国の石屋向けの業界紙を作ろうとした時に相棒のお母さんがそのタイトルにする「いしやさん」と言う美しい仮名文字を寄せてくれた。以来仮名文字、書、を気にするようになっていた、あ、このお母さん、主婦の友社に勤めていた「職業婦人」(昔お勤めする女性は少なかったのでこう言われていたと聞きました)。
過日、KBCのメンバーである福島さんの著書の本をひと目見るなりOKさんがその本のタイトルの題字が美しいとおっしゃった。(もちろんその後その本の内容も埋もれていた資料を丹念にして当たった力作だったので手放しの褒めようでしたが)、、本の題字を褒めるOKさんに興味を持ち…いろいろお聞きする中で今日のタイトルの著者の名前が出て…俄然興味が出たと言うわけです。
OKさんが今日取り上げたこの著者の自費出版本シリーズと何十年も付き合ったいきさつも気になって(OKさんは印刷装丁の全てにわたりその自費出版に寄り添ってきた方です)、、、 良い機会なので本を取り寄せ読もうと言う気になりました。OKさんとのご縁がなければ絶対手に取らなかった本だと思いました。
この本のカバーに詩人の宗左近が「書の聖地巡礼の記録」として…推薦文を寄せてます、、、書の魅力は、何か。一口にいえば気韻生動です。いいかえれば、宇宙エネルギーの湧出です。したがって、書は日常を超えたところに成立する芸術です。
そのため、これを感受するのは、易しくない。無私のしなやかな心の優しさが必要です、、、以下略
無私、、、任しとけとばかり一生懸命読みましたがさっぱり解りません。でも、書なんて絵と同じで見ていれば子供でもわかるものだと思いました(悔し紛れ承知😅)、広告の裏に書かれた母のぼくに対する伝言メモ、筆跡をなぞるだけで彼女が書いたときの気持ちまで思い出せます。書きつけられた文字は…想いがこもり、見つめていれば謎は解けるものだと言う事はこの本のおかげで再確認できました、適当なこと言ってます念のため、分かり切ったことを聞き飽きたのでたまにこーゆーちゃらんぽらんなことを言ってみたくなります)
(連綿と受け継がれてきた筆の文字…ここ100年位で一気に目にすることが少なくなった。今日の本の中でちょっと触れていた「墨場必携」(洛東書院: 市河米菴編1955年)という本があり僕は1円!で仕入れました。厚さ6センチはあろうかと言う代物。もともと揮毫など頼まれたときに適当な文字列を書き付ける時見本となる詩句がずらずら辞書のように書き連ねてある、、、良い暇つぶしになります、、、適当にページを開けば数十年前の古びた時代が顔を出します…なんちゃって🤪。
柳岸鳴蝉急荷風浴鳥軽、、、柳のある岸べには蝉が鳴きしきり、蓮のある池には風吹き渡り浮ぶ鳥も軽く見ゆる)
(この文章を書いていた、今朝、親しくしていただいている先輩(W先生)の息子さんから電話があった。電話の丁重なご挨拶聴きながらW先生が…亡くなったことを知る。
思い出ばなし、、、あの時(僕が、自分は肺がん末期で亡くなると思いこんで先生のところにお別れの挨拶に伺ったあの時)… いちまるさんになんと声をかけていいのか僕はわからなかったよ、と、先生。、、充分です(言葉にならなかった…そうお聞きできたことだけで充分です)と僕はお答えしましたね。そんなことがあったの一昨年の今頃でしたね…僕はてっきり自分が一週間後に肺がんでなくなるつもりで先生に最後のお別れのご挨拶に伺いました、僕がそのことを告げた時…先生は寂しそうに僕の顔をじっと見つめていらっしゃいました。僕に対して言葉を失ってくださった…ありがとうございました。僕もまた言葉を失うこんな別れもいいなと思いましたよ先生、、。)
身体を動かす趣味、殊にも屋外でやるものは私すべて苦手で、何か趣味を持ちなさいと強制されたら、手芸とかお絵描きならまあやってもいいかな、と思うのですが、同じ室内趣味でも書はまったくあきまへん。小学校の時は必須科目でしたよね、我々の時代は。今もそうかしら。
実は我が家には中国の書の本(見本?)がたくさんあるんです。父親の趣味の一つが書道だったから。石などに刻まれた古代からの碑文・銘文を写したもの(魚拓みたい?)で、どの本も厚くはないけど大きい。そして縦長。その背表紙だけはよく見ていたのに、どんなのがあったか全く覚えていない。ただ王羲之という名を記憶しているのは、これが世界史の中の中国史のところでも出てきたからでしょう。
それと、父親が則天武后の字がものすごく立派だと言っていたことがあります。この人、中国史で唯一の女帝なんですって?則天武后といえば私は牡丹を連想しますけど。それでこの女帝、いまウィキで調べると「即天文字」というのを作ったって、ええ~、ほんま??中国の四大悪女というのは有名だけど、悪女ってみんな超頭が良くてエネルギーがものすごくあるから(エネルギーがないと悪いことはできない)、その気になればいろんなものを後世に残せたのですね。
書から話が逸れちゃいました。ま、毎度のことで、ごめんあそばせ。