スヌープ!あの人の心ののぞき方:サム・ゴズリング著:篠森ゆりこ訳:講談社2008年11月第1刷発行
図書館の処分本です。Snoop …こそこそ覗き見する…なんて意味みたいですね。その人の部屋に貼られたポスターとか本の配置、本の内容、ゴミ箱の中(これはルール違反みたいですが、例外的に本の後ろの方で言及していました…手がかりの宝庫らしいです、ある新聞社の経理をやっていた時仲間の噂で、、役員がみんなが帰った後ゴミ箱の中をチェックしていると、まことしやかに語るのを聞いたことがあります)
壁の色、CD、写真、バスルーム…などの様子から手がかりを得て本人の有り様、内向的、外交的、深層心理、他人にこう見られたい理想、、などを読み取るのがテーマの本です。人間関係を理解していらぬストレスをなくそうということかなと理解しました。
(※昔友人(本の虫みたいな女性)が…ポツリと…読書なんて所詮覗き見じゃないのと、のたもうた。あーそうですかと引き下がる以外になく、でもそりゃそうだ、とその人の顔をまじまじ覗き込みました)
さて…本の内容は類推していただくとして…その応用編にトライしたいと思います、今住んでいる僕の家を手がかりにして、自己分析を試みます。
この本を読んでみるまでもなく…僕自身は露出趣味。働きだした時から自分のデスクの引き出しに私物を入れない。仕事で使う本は机におかない、みんなの見えるところに置く。不思議なんですが職場が変わってもどこでもこれは徹底していました。30代の頃、僕の書類の整理の仕方を見て他の部署の、後に僕の仕事の相棒となる彼に言われたことを覚えています、、いちまるさんの(仕事:総務部)考え方がわかったよ、、
そりゃそうですよね…大事なものは金庫に入れておけばいいんだし…その他の書類は基本的にオープン、机の引き出しを開けると、鉛筆が1本コロコロ、入社したそうそうそれですからね、他の部署の人が身の回りがさっぱりしているのに気づいて…小さな声で「(会社)辞めるんですか?」
築50年近くなる今住んでいる古い2階建の我が家、基本的にオープンです。1階はみんなで使ってもらうように工夫してあります。階段周りの棚はパンフレット入れです。1階の下駄箱は本箱です。場合によっては2階も使ってもらえるように家具は最小限だと思います。
とても内向的な僕が外交的を演出するのには、目的があります。
①日本家屋を持たせるのは、年中人が出入りして風通しを良くしておくこと、結果的に家が長持ちする。
②人が出入りしていれば気が紛れる。
③人が出入りしているということは噂話が時々耳に入る👂(ときどき、というところがミソ、ときどきで充分)
④人目にさらされるのでいやでも掃除が行き届く
⑤家の佇まいを見て僕自身の精神構造をわかってもらえる。
補足:経理マン的にいうと安上がりに楽しく暮らす方法…といえると思います。
以上です。
蛇足:この本のカバーの袖にこう書いてありました…
レオナルド・ダビンチ型、ロボコップ型、ビバリーヒルズ・コップ型、ロジャースさん型、ウッディ・アレン型……あの人はどのタイプ?
人を深く知るために必要な技法を学んで、あなたもスヌープの達人になろう!!
僕自身は、…他人に「自分はこういう人間で、こんなもんです、いながらにして風景(僕が昔、人物画にこだわったのもその人の風景を描きたかったかったからです)が変わってゆくのを好みます」ということが言いたいのかなとこの本を読んで感じました、すいませんちょっと気取りました、でも… ぼく自身のことを聞かれることが少ないところを見ると…住まい方から何かを感じてくださっているんだろうとうぬぼれています。以上自分の心をスヌープしてみました😅
おまけ: 282ページに…顧客の理想の家を作るのを仕事にしている人(トラヴィスさん)が出てきます
トラヴィスの仕事は、スヌーパーにとってわくわくするような別の次元を示している。もちろん、誰もが家を特別注文できるわけじゃないし、家をつくる過程で無意識の心のつながりを明るみに出すような機会を持てるわけでもない。でも、たとえ本人が自覚していなくても、こうした密かなつながりの多くは、その人がつくるスペースに出てきてしまうものだ。顧客の1人が、大人用の椅子に座ると床に足がつかなかったことを懐かしく思い出したところ、トラヴィスは高いスツールが置けるようなキッチン・カウンターをつくってそれにこたえた。スツールに座れば、彼女は子供の頃のように脚をぶらぶらさせられるわけだ。トラヴィスがいなかったら、彼女は椅子に関するこだわりがどこから来ているのかわからなかっただろうし、設計の中でキッチン・カウンターがこれほど重要な位置を占めることはなかっただろう。引用以上。
「とても内向的な僕が外交的を演出するのには、目的があります。」
私もとっても内向的で、そして同じような目的で外交的な女を演出したいのですが、残念なことに四国の片田舎の古い日本家屋で周りを塀で囲まれているため、そう簡単に人の出入りを促すことができません。とはいうものの、①から⑤までのほとんどに私は同意できます。
まず風通しをよくして長持ちさせる点ですが、2年前に連れ合い(私の妹)を亡くした義弟が、同じ市内の実家で1年の大部分を暮らすようになり、私の家の管理も引き受けてくれています。週に一度は窓や戸を開け放してくれますし、樹木が茂れば元同級生の植木屋さんを雇ってくれます。
一方的に世話になるばかりでは申し訳ないので、彼の友人や親戚を呼んで宴会・飲み会を自由にしていいからと言ってあります。ヤモメになった寂しさもそれで少しは慰められるようです。これは②ですね。噂話もよく耳に入るようですよ。
人目にさらされるので掃除が行き届くという点は、一昨年にずっと日本に閉じ込められていたときに自身で経験しました。部屋数が結構あるので3分割して、どの部屋も週に二度は掃除しました。フローリングだとお掃除ロボットが使えたけど、畳の部屋はだめなので箒で掃いていました。反故紙を濡らして千切ったのや茶殻を畳の上にまき散らして。(電気掃除機と相性が悪いんです。)庭の草取り・・・これはちょっと苦手で人に頼んでいました。たまに蛇がいるんですよ。
我が家を見て、私の精神構造を分かってもらえるかどうか。現代では少し変わった家なので、それで判断されても、というところはあります。(自分ではわりと正統派だと思っているのですが、正統派と多数派は違いますね。)
偶然にも今日は妹の命日です。