エイミー・フォースター
Amy Foster : Joseph Conrad :
Amazon.co.jp… Printed in Japan
ポストに薄い封筒が入っていた。アマゾンに頼んでいた本とは思わなかった…何かのパンフレットかなと思って封を切るとこの本が出てきた…裏表紙にこの作品の最初の箇所→下※
(後で…これが最初の1ページそのまま丸写しとわかった…何たる手抜き、というかびっくり…びっくりのほうは…書き出しの1ページで物語の舞台となる風景がきっちり完結!)
※→と著者の紹介があり、このポーランド出身の著者が母国語ではない英語によって書いた著作の当時の世界に及ぼした影響が簡潔に語られていました。
(これで1200円、著作権が切れたこと?を良いことにどんな隙間も見逃さないアマゾンの商魂!あ、作品の価値とは関係ありません)
19世紀半ばに生まれた著者の環境にもかかわらず次の世紀の20年間、つまり晩年の20年間(著者は1924年に亡くなっている、ちょうど100年前の何という符号!)に発表した作品群は、当時のヨーロッパの帝国主義、植民地主義を見据え、ポーランド人気質及び著者の英仏における海軍関連のビジネス経験とも相まって、その人間心理の探求の成果だということのようです。
(こう聞かされては、横文字を縦に読めない、つ、つまり、ぼーっとしないでちゃんと読めということだと思いました、がんばれ、ぼく)
あれー最後に英語の本に接したのいつだっけ…あーめんどくさい… Google Google…ちょっと使ってびっくりした(多分だいぶ前から表示されていて気がつかなかっただけかも)…英語を日本語に翻訳するソフトが勝手に動き出してる!…例えばマイクのところに指を触れて英語で発音すると下の欄に日本語訳が出てくる…そんなの当たり前じゃんと言わないでください…この機能は僕が要求したわけじゃないのにさっさとセッティング?してくるところがすごいなと思いました、これは便利。当然僕が使いだしたところでGoogleの方で使い方のデータを集め始めている…画面上で 2度ばかりその許可を求めてきたのでさくさくオッケー出しました。
というわけで…読み始めの気持ちの負担が軽くなり読み始めることができました(メガネを買い換える時期になりました、最近の多読乱読で多分、乱視が進んだ、虫眼鏡併用)
100年前にこれを読んだ当時の人(ヨーロッパ人)は何を考えたんだろうと考えました。
エージェントまがいの高利貸しに騙されて新天地アメリカで一稼ぎして年に何回か国もとへ送金する…どっかで聞いたような話だ。難破した貨物船の漂流者は流れ着いた国で犬に追い立てられ震えていた。無防備に接してくれた娘の純粋さに胸きゅん、忘れられないマドンナになります。見ようによってはしなやかな動きも地元の住民にとっては受けいれられない英語も話せない、何語を話しているのかもわからない、ただの変な人、妙な高音で歌っていても歌に聞こえない(そりゃそうだ初めて聞く歌なんか歌とは思えない。モーツアルトだって発表した音楽は最初全然理解されなかったとも聞いている)よってたかってフランス語ドイツ語イタリア語などで話しかけても全く通じない。もちろん彼の言語もまったくわからない。
その後、油断ならない変な人のまま地域住民にはきっちり一線を引かれつつも数少ない親しい仲間もでき、生活の糧とそれなりの身分を得て彼は、コケの一念岩をも通す、ではないですが、初めて親切にしてもらった一目惚れの娘、エイミー・フォースターに猛烈アタック。娘のほうもちょっと男っぷりの良い浅黒い青年に惹かれて、彼の一途なアタックによって結ばれ、子供までできるのですが…彼は寒さを知らない国からやってきた悲しさか、祖国の風習からか、家の中で暖を取る習慣に馴染めず、そんなことも災いしてか、肺を患います。眼も悪くなっている妻は、暮らしていくにつけますます夫が何を考えているかわからなくなり、夫が子供を取り上げるような行動をとるため強い不信を育て?疑心暗鬼の塊になって…熱病に苦しむ瀕死の夫の「水をくれ」という言葉も理解できず恐怖が先立ち混乱して子供と一緒に逃げたその翌日、知り合いの医者に見守られ、結婚はしたものの妻に理解されない孤独な夫は、息を引き取ります。
後でエイミーがゆりかごの自分の子供を男のように力強くあやす場面、医者がゆりかごの中を覗いた。赤ん坊は少し怖がりつつも、静かで…亡くなった彼女の夫と同じ黒い瞳をした、罠にかかった鳥のような佇まいでいたこと、子供につけられた、小さなジョン:ジョニーという名は亡くなった夫の出身国言語由来の名と意味が奇しくも呼応すること、また、瀕死の夫が懸命に水を要求するその言葉が英語であったことが語られます。エイミーがそれらのことをどこまでわかっているか、わからなかったのかもしれないと暗示させて次に引用する文章でストーリーは終ります。
最後の29ページの医者の語り部分を途中から引用します。赤ん坊を見ながら、その父親の死に立ち会った医者が赤ん坊の父親の過酷な運命、海に投げ出された絶望と、持って行きどころのない寂しさは、生き延びた末に辿り着いたその運命とだぶります。
''・・・And looking at him I seemed to see again the other one ーthe father, cast out mysteriously by the sea to perish in the supreme disaster of loneliness and despair. "
(この本はびすこさんに教えてもらった本です。100年を遡った当時の世界の雰囲気を味わいながら読むという貴重な体験ができました、ありがとうございました)
種明かしをしますと最近の「決め事」によります。小耳に挟んだ良い話は話の途中でもちょっとだけ勘弁してもらってスマホのメモに記録するようにしています…その伝で…ちょっとでも気になったらすぐに行動を起こしておく…例えばアマゾンに注文してしまうとか…いつまで続くか分かりませんが、良い習慣にしたいです♪