大人の友情:河合隼雄著:朝日文庫2008年2月発行
2017年11月第5刷発行とあるので多分読みつがれている本なんだなぁと思いました。
昨日、図書館でリサイクル棚にあった…さらば東京裁判史観PHP文庫の本を読み始めて…やっぱり今日はやめとこうと思いました。憲法記念日なので良い機会と思い読み始めたものの五月晴れの空を眺めていたら読む気が失せ、中断して家に帰って、取り寄せておいたこの本を読み始めて気持ちの揺らぎがやっとおさまりました。
老年期の男心はすぐ揺らぐ。読み終えた今…友情っていい言葉だなぁと思いました。兄との友情、なんて意味不明の言葉がふと浮かび、友情というのはこうやって使う言葉なのだと自分なりに解釈しました。心が行き交ったら、それは友情。ドラえもんの人形と「それ」を感じたらそれも友情。友情なんてつかみどころのないもの。だからこそ良い。そう思いました。もちろんそれは僕だけの独りよがり。そんな甘っちょろい独断とは別に…この本の最後のほうの箇所聞き流せませんでした。
187ページ…半歩の踏み込み
友情によって、一般に考えられている境界が破られ、ふたつの世界がつなるがあることが体験される。何らかの境界によってものごとが区別されているのは、それ相応の理由があり、それを破るには、相当な危険や苦痛を伴うことが多い。にもかかわらず、その境界を超えることに友情が大きい原動力となったり、逆に、そのことによって友情が芽生えたりする。これは、友情の意味の深さを強く感じさせるものである。引用以上。
この後…ロレンス・ヴァン・デル・ポストの著作「影の獄にて」という作品の紹介があり、これは後に「戦場のメリークリスマス」として映画化されたので、それを見た人も多いことであろう、と書かれています。これは著者の第二次世界大戦の時に日本軍の捕虜となった実体験が元になっているとあっては読まないわけには参りません。図書館に翻訳本をリクエストいたしました。今日はみどりの日だそうです。ゴールデンウィークだからといって特に心騒ぐことなし。
コメント伺ってなぜ人形に惹かれるか、あることを思い出しました…昔友人に付き合って「ロハ:只」で10日ほど旅行した時…友人の無礼な振る舞いに堪忍袋の緒が切れるところ…ちょっと憂いを含んだ犬のぬいぐるみに助けられたことがあったのです、その人形の顔を見て、我慢したんです。結果ついに文句は言わずじまい… 20年後に鉢合わせしたとき、、軽く、僕はあなたが嫌いですと言ってやりました。ほんの10分の1の仕返しでした。対等の喧嘩をするには当時の僕に体力がありすぎました…ハハハ。
ギリシアの哲学者(プラトンだったか)が、あらゆる愛情(親子の愛、男女間の愛、兄弟姉妹の愛〉などのうち、もっとも崇高なものは友情だと言ったとか。親子の愛なんて、見方によっては自己愛ですものね。自分が叶えられなかった夢を息子に託すとか、親子一団となって家の繁栄をめざすとか・・・
私もこのところ、最後に自分のそばに残るのは良き友かもしれない、と思うようになりました。
袋入り猫、うちにもこんな風に飾ってあるぬいぐるみがあります。羊三引きですけど。