核テロ 今ここにある恐怖のシナリオ:グレアム・アリソン著:訳者(秋山信将・戸崎洋史・堀部純子)日本経済新聞社: 2006年4月刊
大きすぎて大きさが実感できなかった双璧の巨大な建物があっけなく崩れ去り、、嘘だろう?と思ったあれから20年、世界貿易センタービルの記憶だけがアメリカ人の頭に残っている。チェルノブイリ事故も現地の人にとってはやすやすとは風化しない記憶だろう。
僕がこの本を慌てて読みだしたのは…クレマチスさんがウクライナ情勢のキーポイントを語ってくれたからです。
9.11の犯行声明… 400万人のムスリムを殺したアメへの報復として400万人のアメリカ人を殺す、、、。新自由主義に裏付けされたとされている一連の今までのアメリカの国外における所業、内紛を起こさせておいて交通整理をする荒っぽい…ナオミ・キャンベル描くところのショック・ドクトリン思考、核開発疑惑によるイラン侵攻、ウクライナ侵攻、政策決定者の思考に共通するものはなにか
この本を中ほどまで読み進めてきて今思う事は…北朝鮮とロシアの最高指導者の頭の中です。状況分析ができない僕は…彼らが恐れていること…歴史の事実を暴露されること…だと思いました、それは国の制度とは関わりなく重責を担う者たちへの踏み絵のようなものだと思いました。人間の問題としてではなく非人間的な、冷徹な損益計算義務を課せられた者の宿命として…たとえそれが唯我独尊的なものであったとしても。国民がはっきりとしたウォッチャーとしての自覚を持たない限り暴走する危険はいつもある。核戦力発射のボタンは誰が押す?あめとむちで言いくるめろよ、頼むよーお願いします、その筋の人たち、、。
かつて僕が所属した潜望鏡や戦車につける測距儀を作っていた会社がカメラを作り出し、現在では全く違う製品を生み出しているように時代は常に動いています。遠い将来こんなこともあったなあと嫌な記憶を振り返る平和な時代が来ますように…ちょっとかっこよく決めすぎましたかね…あはは)
ご参考のために、肝心だなぁと思うところ引用しておきます… (かつてのアメリカの核疑惑に基づくイラク侵攻に関して、、)
170ページ、、中略…
ブッシュ政権は核拡散及び核テロについて増大している真の脅威を国内外の多くの人々が見ないように仕向けてしまった。射手はどこを標的とするのか知らなければ、引き金を引く意欲があってもアメリカ人には役立たない。
ブッシュ政権は核テロの脅威を正確に認識したにもかかわらず、それに取り組むための包括的な戦略は策定してこなかった。そのような戦略がなければ、アメリカ人は翌年も、その翌々年も、核テロ攻撃から身を守ることができず2001年9月10日とさほど変わる事はない。
対核テロ戦争を遂行するためには、大国が脅威の評価に関する共通認識に基づいて協調する戦略的集中が求められる。そして核テロを乗り超えたあとの世界のビジョンを掲げ、この共通の危機に打ち勝つために必要な行動の緊急性と正当性を国際世論に説得するための協力が求められている。現在の対テロ戦争を超えて、真剣な対核テロ戦争へ向かう動きは、非常に壮大な取り組みとなるに違いない。しかし、その道のりの範囲は、9・11以来、すでに進んできた距離よりは拡がらないであろう。引用以上
(騒がれているロシアのウクライナ侵攻、、ソビエト崩壊の際世界第3番目の数を誇る核保有国であったウクライナはすべての核をロシアに返還した。返還を早まったと、最近の情勢を見て判断する下馬評もあるようだ。問題の核心はそこにはない。元になる濃縮ウランやウラン235が手に入ればちょっとした勉強で核爆弾が作れる、とこの本に書いてある。こんな事はインターネットがすっかり普及した今ではちょっと興味のある人ならスマホをチョンチョンと操作すれば誰でもわかることだろう。明日は朝が早いのでいっぱい飲んだ勢いで言います、国家規模のテロを未然に防げ!どうするか世界中の国が連携プレーで人々を教育し、自らも勉強し、地球の将来についてみんなで語ることではないでしょうか、何を呑気なことをと笑ったあなたに言いたい、個人の力を過小評価してはいませんかと…。一人一人が自立し一人一人が意見を持ち一人一人が自分の考えを発表する…民主主義のいいとこなんてこれしかないんじゃないでしょうか、まどろっこしくてイライラすることが多くて金の力でなんとかしたくなったり腕力でなんとかしたくなったりする世の中を自分が生きている間に変わるなんて保証のないまま、こんな努力しかできないしほんの一部分をカバーするしかないじゃないかな…世界で唯一原爆ニ発!を食らった日本何してる!もっと発言しろ!金を出せ!酔っ払ったわりにいいこと言ったなと…ふん、おにぎり食ってもう寝ます^_^
(一部酔っ払ってこの記事を書いたので明日抹消するかもしれませんよろしく)
今や文明国のほぼすべてがウクライナに味方してロシアを特にプーチンをrogue扱いしていますが、そしてそれは的外れとは言えませんが、ウクライナ人にも大いに問題ありだと思う。
ロシアのオリガルヒ、新興財閥はよく話題になりますが、ウクライナにもたくさんいます。特に勢力を持つのはユダヤ系です。政治家のうち、象徴的な意味を持つ大統領は人気5年で、一回きりですが、産業・経済に影響力を持つ首相はもう目が回るほど次々替わります。ウクライナがロシアから独立してから30年ほどの間に20人近くの首相が、オリガルヒの支援を得て誕生、中にはユリア・ティモシェンコの如く自身がオリガルヒというケースも。彼・彼女らは、どうせ短期の仕事だと分かっているから迅速に財の蓄積に精を出します。親露派はロシアの富豪、親欧米派は欧米の財閥とのコネで大金をせしめ、たとえ一年の任期でも退任するときは資産倍増。
オリガルヒというほどでなくても、金持ち連中の商売の手腕は大したもので、例えばドイツの企業(中規模以下、と言っても100人~1000人のレベル)が倒産しそうになると、ウクライナの事業家はそれを再生するという名目で乗りだして来ます。政府は従業員の職を守ることができないと選挙に勝てないから、喜び迎えて支援金・助成金をふんだんに提供します。この資金は連邦政府より州政府から受け取ることが多い。
傾いた企業の再興のためにはもっとたくさんの金が要ると要請して、大抵はOK。州立銀行もグルです。これを繰り返して、そろそろ潮時だと思う頃に貯めた金を持ってスイスや英国に逃げる。私はドイツ政府が何度もこれを経験していながら学ばない理由が分かりません。もっとも、ドイツ産業界の人はウクライナ人(もちろんロシア人も)の実態を知っているけれど、国民にまでその実情が報道されることはないからでしょう。ロシア/ウクライナのオリガルヒの原資は彼ら国民の税金なのですけどね。ドイツは欧州国の中ではもっともよいカモです。その余禄に大いに預かっているのがスイスの銀行の資産管理部門です。
ロシアもウクライナも、国全体が腐っているのです。あるいは重病人。国民は確かに富裕層や権力者の犠牲者ですが、そういう病巣を自ら切り取ろうという気概のあるウクライナ人など見たことがない。ロシアの属州として長く生きて下僕根性を抜け出すことができず、独立したら一部の国民は依然ロシア、別の人たちは欧米に助けを求める。ウクライナがEUに加盟したがっていることもプーチンの怒りの原因だけれど、これはロシアよりEUの方が気前がいいから、もっと援助が得られるから、という理由でEUの方に向いているに過ぎない。
そもそもウクライナがヨーロッパなのかという疑問もありますが、欧州人に言わせると、ウラル山脈以西はヨーロッパなのだそう。だからEU加盟の権利があるというのなら、ロシアの大部分と、カザフスタンの西三分の一もヨーロッパですね。カザフスタンは日本・ドイツの8倍近い国土を持つ資源大国(石油、ガス、鉱物資源)だから、ウクライナのあとはカザフスタンがプーチンの標的になるかもしれません。
私にとってウクライナは義父(夫の父親)が戦死した国です。夫は2歳でした。
・夫(つま)見入る舅(ちち)が斃れしウクライナ
・戦災児父の戦場老いて観る
・侵攻の戦車荒野に燃え立つを安全地帯で眺むるわれら