この世でいちばん大事な「カネ」の話:西原理恵子著: 角川文庫2011年年6月刊(2008年12月理論社単行本を加筆修正の上、文庫化したものです、と巻末にありました)
金に関するポイントを1つだけ挙げろと言われれば、、159ページですね、、
何より、人の気持ちとカネをあてにするっていうのはさ、「自分なりの次の一手」を打ちつづけることをみずから手放してしまうってことなんだよ。「わたしの人生、それで本当に楽しいものになるのかな」ってことを、女の子にはぜひ考えてみてほしい。引用以上。
言葉を変えて言えば…人に行う良くない行為は…次のステップを踏まさせない事ということになりますね、こういう考え方(著者の考え方)は自由至上主義?やりたいようにやる…。こう結論したいのですが…こう結論するには、まだまだたくさんの本を読まねばなりません…ハハハ。
160ページ…自分の「真ん中」はどこにあるのか… 161〜162ページ
わたしも読者から手紙をもらうことがある。「毎日仕事もしんどくって、まわりの人たちともうまくいかなくって、夜も眠れなかったときに、西原さんの漫画を読んだら、あははと笑って、心がすーっとして眠れました」って。
そういう言葉をもらうと、やっぱり、とても嬉しい。人の役に立つて嬉しいことなんだなって、実感する。
人が喜んでくれる仕事っていうのは長持ちするんだよ。いくら高いお金をもらっても、そういう喜びがないと、どんな仕事であれ、なかなかつづくものじゃない。
自分にとっての向き不向きみたいな視点だけだけじゃなくって、そういう、他人にとって自分の仕事はどういう意味を持つのかっていう視点も、持つことができたらいいよね。自分が稼いだこの「カネ」は、誰かに喜んでもらえた事の報酬なんだ。
そう実感することができたら、それはきっと一生の仕事になって、できると思う。
スモーキーマウンテンの子どもたち… (カンボジアの首都プノンペンでスモーキーマウンテンの子供たちに出会う、思考することすら奪われた子どもを目の当たりにして著者は、、、)
175〜176ページ…奪われないこと、外に出て行くこと…
貧乏人の子は貧乏人になる。
泥棒の子は、泥棒になる。
こういう言葉を聞いて「なんてひどいことを言うんだろう」と思う人がいるかもしれない。でもこれは現実なのよ。
お金を稼げないと、そういう負のループを断ち切れない。生まれた境遇からどんなに抜け出したくても、お金が稼げないと、そこから抜け出すことができないで、親の世代とおんなじ境遇に追い込まれてしまう。
負のループの外に出ようとしても「お金を稼ぐ」という方法からも締め出されてしまっている、たくさんの子供たちがいるんだよ。…中略… 178ページ…
それでも歩き出すんだよ。
行く先に何が待っているのか、「情報」もない。そのままそこにいたからって「希望」もない。だけどそんなふうにあり歩き出す手がかりが何ひとつないときでも、そうやって外に出て、動き出すことが「希望」になるの。
山ひとつ越えれば、そこにある村は景気がいいかもしれない。「ここなら、どんどん稼げるぞ」って思ったその子は、自分の村から兄弟を呼び寄せて、言う。
ここで何か商売を始めようよ。
動き出すと、そうやって考えをどんどん展開させることができる。自分から動いて、何かを知った人間は、そこから何かを始めることができる。
なぜ、その子に、そんなことができたんだと思う?
それはきっと、自分が生まれた環境がどんなに酷かろうと、それを受け入れてしまうことをしなかったから。
希望をあきらめてしまうことをしなかったから。引用以上。
182ページ そして「鴨ちゃん」のこと、、として戦場カメラマンだった自分の夫の最後が描かれていた。これをここで引用するのはどうかな。1冊読んでやっとなんとなくわかりかける話もあるということで今日はここでおしまいです。名著だと思います。
(僕はこの本を読んで…「背負わされてしまった」子供たちのことを思いました。そんな子供たちをたくさん拡大再生産する社会は…ろくな社会じゃない。守るために大人がしなければならない事はただ1つだ。楽しく暮らすために何をすべきか。
狐と棲む、これいくつかの短編集なのね、こういうの私の好み。長編はこの年になるとどうもしんどい。感想を聞かせてください。楽しみにしています。
そういうお話を伺うと背景を知るっていうことも興味が出てきました…ありがとうございました😊
大原富江→大原富枝
さっき蕎麦屋にいっぱいひっかけに行った帰り…岡島書店により… 1冊選んだ本が…大原富江、狐と棲む、僕は出身地も背景も興味なくそもそも知らないで100円で買って来ました、こういうのこそご縁と言うものでしょうかね、あはは。西原理恵子は語り口そのままの人だろうと思いますのでとても信頼がおけますね。
西原リエチンのことを初めて知ったのは週刊朝日の漫画です。90年代。恨ミシュランという題で、一流と銘打ったレストラン・料亭をぶったぎり。同じ高知県出身者として私は宮尾登美子や大原冨枝よりもこちらに親近感を覚える(作家先生は恐れ多くて)。だって住んでいた怪しげな地域のことだって退学になった高校だって知っているし、首吊って死んだやくざの継父も「さもありなん」って感じ。多分まだ存命のお母さん、ほんとに大したものだわ。
理恵子さんの若き日も凄まじいですよね。一時は70歳過ぎたバアサンたちが売春しているような地区で働いていたとか。絵はウマ下手なんでしょうが、ムサビでちゃんと習っている。鴨ちゃんとのことは泣かせる。
「指輪も寿司も欲しかったら自分で買え」という台詞も気に入りました。玉の輿を願うなどというさもしい根性がない。これも多分肝っ玉母さんの遺伝子かな。
校長先生なら「恒産なくして恒心なし」と説教するところをア・ラ・リエコで興味深く説いてくれているのですね。自身の経験の裏打ちがあるから素直に聞けます。