< なぜ花は匂うか >
(同名の本:牧野富太郎:平凡社2016年)
すきなこと、すきなもの、、、音楽、歌謡、絵画、火山、牛肉のすき焼き、トマト、コーヒー
奥さんに「まるで道楽息子を一人抱えているようだ」と言われていたそうです。
線描画が美しい、カエデの葉の一枚、葉脈、軸、輪郭線、空中を切り取るようにして明らかに描いてゆくときの緊張感が伝わってくる。画家なんだと思いました。
明治23年、南葛飾郡小岩村伊予田(ヨウダ)で新種の食虫植物ムジナモ(牧野がつけた新和名)を発見(僕のお客さんで「ヨシウダ吉宇田」さんと言う人がいたので関連が気になりメモしました、記事記載は同書24ページ)。
子沢山、薄給ものともせず嬉々として研究(ご本人はそれを「遊び」とまで言う、世界的権威であるにも関わらず、そんな権威はくそくらえのような一本気が痛快)にいそしんできたその姿だけで僕らは勇気づけられる。
小学校を2年で飽きて、中退して、94歳1957年で亡くなる晩年まで徹夜を辞さない植物探求の日々だったようです。
余談ですが奥さんは13人の子供を持った。与謝野晶子も13人の母。一方は名を残し、もう一方はささやかに新種の笹の命名で「スエコザサ」とかろうじてその名をとどめるのみ。愛される人だったのだな、牧野富太郎。
本を読むって本当に素敵な事ですね
(クレマチスさんから紹介された松田修の「路傍の草花」を脇に置いてそれを参考にしながらチェックしようと思ったけどその本が見当たらない、ない、ない、なーい。10分ぐらい探して諦めた。朝食にします、えーい、H Pにアップ⤴️)
(同書170ページの「アケビ」の項の書き出しの間もない部分に…田舎の子供は栗の笑うこの時分に…とあり、ん?栗が笑う?、、、色づいた栗を収穫する時、イガがわれた風情、、、なんとなく合点がいき…笑った。最初にこの言葉を使った人に座布団1枚あげたい。日本では山も笑うし砂も鳴く😉)
みやこちゃんからのヒント?そうそう、あれは2018年の秋のこと、夫と宿泊した土佐の山奥の宿で「花はなぜ匂うか」という本を娯楽室で見つけ、早速取り寄せて読み、そのあとみやこちゃんとその話をしたことがあります。後日、大原冨枝が牧野夫人について書いた{草を褥に」という本があることを知り、注文したのですが品切れでした。
そうそう、ドイツ語で
Nur wer Erwachsen wird und Kind bleibt, hat das Leben verstanden
という格言があります。英語だと、
Only those who become grown-up and remain child understand life.
牧野富太郎には興味がつきないのですが、群盲象をなでるの一翼を担いたいと別項に松岡正剛の一文を紹介させていただきました。芋ずる式にエピソードを引き出すのにこれほど適した対象もないと思います。今後の展開に期待します。