染み込む、滲みこむ
20 14年の後半だったと思いますがあの狭い自由の庭でなんと結婚披露宴が開かれました。僕もお声掛けしていただいたので出席させていただきました。お嫁さんのお父さま特製の多分前の日から仕込んで間に合わせた豚の肉が特大でホロホロで、お嫁さんのご両親のお気持ちが染み込んだやわらかな豚バラ煮込は、いただく時に作った方の行き届いた親心に、やられた、かなわないと思った方は多いのではないでしょうか。出席者全員に配られました、一人一人がけっこうな量です。お父さまのお気持ちは僕らの心にもしっかり届いて、幸せのおすそ分けをいただきました。
クレマチスさん監督さんSFさん(確か全員がこの中国語の先生の生徒)が企てた狭い空間の小さな小さな披露宴。じょにーさんもいたなぁ。みんな密閉密集密接の3拍子揃った披露宴に夢中になっちゃって全員で揃った写真も撮らなかったんですよ。まあ、写真なんてなくたって、ぼくも(あ、そういえば、お嫁さんはかちねっと仲間)知り合いのよしみで参加できたこの結婚披露宴はみんなきっと忘れないと思います。
SFさんとお友達の K Tさんがウクレレを披露、お嫁さん(中国語の先生)の旦那さんは建築技術者とお聞きしてました、聞き違いでなければ大工さんだったかもしれません。職人同士の身びいきかもしれませんがこの方を旦那さんにしたお嫁さんも応援したくなりました。
ワインの試飲会、ワイン講習会も忘れられない思い出です。主催者の野村さんとは、葛飾区で開催された新規事業立ち上げ講習会…みたいなセミナーで知り合いました。あ、かずみさん、ともさんともこの頃かぁ。(こういう講習会に出るために兄に夜遅くまで家にいて貰いました。母が寂しがるためと身の回りの世話です。ときには泊まり込んでもらうこともありました。それがお互いの理解を深めましたね)
野村さんは研究熱心な実践家でファンの方も多いです(クレマチスさんも追っかけをやっていたとその後知りました。荒川区の町屋で野村さんが講座をやった時初めて参加してみましたが、クレマチスさんや砂時計作りマイスターの金子さんがいらしたのも、関西からもファンの方が見えていたのにもびっくりしました、モダンなお母様にもお会いできました、野村さんの奥様はいつも影のように野村さんをサポートされていました)その後も日本各地を飛び回り酒蔵とかに行ってはオーナーから話を聞き、新しいものを取り入れてはいろいろな講習会に精力的にトライしていらっしゃいました。造詣の深さと行動力に感嘆しました。人生を楽しむためにこそ酒を知ることを普及させたいとおっしゃるこういう人こそ広く本の形でアピールすべきだと思っていたので、何度も本の出版をお勧めしたのですが本人が時期尚早とおっしゃいます。東洋医学や食事療法にも通じており、コンテンツは溢れるほどの野村さんに機会をとらえて何とか形にしていただきたいと思っています。
こんなことを思い出しながら、つらつら考えますに、知り合った方たちの顔が次々と浮かびます。今もお付き合いしていただいている方達と連絡が遠のいている方達、たくさん出会った割には…もう少しつながってゆく核になるような仕組みが欲しかったなと思いました。びすけっとクラブ(微助っ人、を意味する・・お手伝い人の集まり)なんていうのも思いついてごーぎゃんさんに相談しながらたくさんの人に集まってもらえましたけど…なかなか交際の継続は難しいものですね。お一人お一人のパンフレットが必要だったのを今更反省していますが…その必要性もやってみたからこそわかったことです。兄のパンフレットを作ってみてしみじみそれを感じています。僕の課題の一つになっています。一人ひとりの印象も寝かせて染み込むまで時間の熟成が必要ですね…ワインやウイスキーと同じか…ぷっ。
日本人はお付き合いが始まる時に1歩踏み込むのではなく1歩ひいて謙虚に構える。そうすると結果どうなるかと言うとお付き合いが始まる時1歩踏み込む外国(といっても広うございます。僕の少ない交際範囲でもアメリカの方は割と平気でプライバシーにふみ込んできて、お仕事なーに、とか聞いてきますが、イギリスの方は慎重だと思いますし、韓国の方は家族関係、年齢、独身、既婚まで聞いてきます)の方との差は4歩になるのです。何故かというと、お互いに1歩ずつ引いて2歩、1歩ずつ前に出て2歩、都合、日本人と外国の方とでは4歩の差になる、、、1歩踏み込め日本人!(エチオピアの友人にエチオピア人は親しくなるとズカズカ接近してくるから気をつけてくださいと言われました。ま、そういうことは日本も同じであるので、言わず語らず距離をとっているのか…どうすればいい? やっぱ、パンフレットが必要だわ…あはは)
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最終更新: 2021年3月03日
動詞マニア しみこむ 020
動詞マニア しみこむ 020
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歴史が生成される、とはとても日本的な意味深な言葉に感じられます。人間社会と自然とをすり合わせるような馴染ませるような趣です。人と人との出会いが歴史の中に織り込まれているような壮大なロマンを感じます。
染み込む、滲みこむは、化学反応であったり、微生物のミクロの営みであったり、時間とプロセスを要する動きですね。これは料理を作るときの大事なメカニズムですが、生命活動の本質の一つのようにも思えます。VRのように、機械仕掛けや電気回路を電気が流れると瞬時に反応するロボットの動きを細分化することで、ある程度まがい物をつくることはできても、本物の生命体の生成物や精魂込めた名人の作品とは似て非なるものです。人と人とが出会って始まる人間関係や共同体の形成にも同じようなメカニズムが働いて、様々な要因が添加され、時の経過によって熟成されて、無限のバリエーションを生み出し、社会の発展や歴史の進化が生成されてきたもののように思われます。時が解決する、という先人の知恵もあります。
ためらいや恥じらいの中に控えめなんですけど安心感と信頼感が確かにあるような気がします、大人の作法だなぁと思いました。相手に対する控えめな働きかけがとても人間的な感じがします。
2013年の晩秋にお近づきになって(と言ってもいまだに物理的な御目文字は叶っていませんが)、それからいちまるさんの周辺では本当にいろんなことがあったのですね。それから、その前にお兄さま(いちまるさんより若く見えるとか)が奥さまを亡くされていた話なども覚えています。ご自分も寂しかったでしょうが、お母さまを見送ってそれまでとの暮らしに区切りをつけた弟のいちまるさんへのねぎらいにあちこちへ連れだして下さったという話も、兄弟愛がしみじみと感じられました。
そうそう、人との付き合いの始め方、かなり国民性が出ますね。エチオピア人もでしょうが、インド人やバングラデシュ人なども、アッという間にこちらに入り込んでくる。お金を無心されたり、留学のスポンサーになってくれないか、とか、それが無理なら誰か探して、とか。英米人の違いもおっしゃる通りでした。
日本に帰化したチベット系のぺマ・ギャルポさんという政治学者がいますね。知名度はさほど高くないかもしれませんが。この人がある対談で、「そういうこと(ダライラマに仕えるという経験)を通して私が獲得した一つの確信のようなものは、すべての宗教に共通する普遍的な価値観は愛であり慈悲であり、逆にいえば平気で何かをするんじゃなくてためらいを持つことじゃないかと思う」と言っています。この<ためらい>というのは、<恥じらい>などと並んで、非常に高尚な人間の感情・感性ではないかという気がします。今の世の中では、平気でずんずん、イケイケ、が価値のあることのように言われるけど、それは人を押しのけることだったり、他人の心の機微を無視することだったりする。「控える」という行為は人間を上品にするのではないでしょうか。