5月23日(火) 雨☂️予報
昨日は朝3時ごろ起きてお腹が空いていたのでトマトジュースを飲みフランスパンをかじり🥖腹を落ちつかせてから…本を読みだした…「ガン病棟」の続き
長い流刑地暮らしから、命からがらガン病棟へ辿り着き命からがら退院して娑婆に戻ったコストグロートフはまさに浦島太郎、、下※に続く↓
あらすじなんて書いて何になろう…行間を埋め尽くすのは不条理が日常になった「現実」。
本を読むだけで僕はどっと疲れて物干しざおに干した洗濯物を眺められる角度で畳の上に寝そべった、その平和との現実離れ、絶対に埋まらないその落差。
コストグロートフがガン病棟で出会ったそれぞれの人間がもう持って行き場のない渦巻く積年の想いを誰かに吐露する機会もなく墓場まで持っていかなければならない苦しみ、馬鹿野郎馬鹿野郎!(コストグロートフはこんな事は言ってません、僕が代弁しました)
(午後は友人たちの食事に混ぜてもらいました。事前にプールで30分ほど泳ぎ、わざとお腹を空かせていったので、おいしい中華料理をたくさん、いただきました、ありがたかったです。
会食から戻り本の続きを読みました…最後まで。
重苦しいものが残り重苦しいものに僕はがっちりと捕まえられた、そう、囚われた!)
※確か、旅情、とかいう映画で傷心のままイタリアを去るアメリカ女性を乗せてプラットホームを出ようとする列車に向かって妻帯者であるイタリア人男性がガーデニア?の花を手に持って、追いつくはずもない発車した列車を追いかけるラストシーンが最後のページを読み終わる前に頭をかすめました(僕は映画をほとんど見ないので多分テレビで見たのです)。
ガン病棟を出られることになったコストグロートフは、女性医師ガンガルトに自分の部屋を一時の宿として使っても良いとの誘いを受ける。
想像もつかなかった位の世の中の様変わりを体験させられた長い1日を経てガンガルトの部屋にたどり着くものの本人は留守、
友人の老夫婦が待つなじみの土地へ向かうコストグロートフ。
もみくちゃの群衆をかき分け列車に乗り込む直前に書いた宛名の違うた3通の手紙、その1通、、、ガンガルトへの手紙
232〜233ページ
前略、、「…中略…
今日、何度かあなたの所へ行きました!一度は部屋の前まで行きました。あなたの家にむかって歩きながら、もう淫らなことを知っている中学生のように興奮しました。興奮し、ためらい、はしゃぎ、怯えました。神の賜物ということを理解するには、相当の人生経験が必要ないようです!…中略…
年齢的にではなく、むしろ経験的に、私はあなたより年上です。だから信じてください。あなたはあらゆる点で、あらゆる点で正しいのです!御自分の過去についても、現在についても正しい。ただし、未来を占うことはあなたの力に余った。賛成していただけないかもしれませんが私は予言します。すべてに無関心な老年に達する前に、あなたは私と運命を共にしなかった今日という日を祝福なさるでしょう(自分の追放生活のことを言っているのではありません……それはまもなく終わるという噂さえあります)。あなたは御自分の生涯の前半をまるで仔羊のように生贄に捧げてしまった。それならば後半はもっと大切にしてください!
いずれにせよ、この土地を去ろうと決心した今(もし追放が解除になったとしても、今後の検診や治療はあなたの病院では受けませんから、つまり、もうお別れということです)、告白させてください。あなたと非常に精神的な話をしていた時でさえ……その話の内容に嘘偽りはありませんが……私は絶えず、絶えず(傍点付き)あなたを抱きしめ、くちづけしたいと思っていました!乱筆乱文お許しください。
今、許しを得ずに、くちづけをします」
引用以上
高校生の夏の思い出のような柄にもなく胸キュン?の読書の時間とは参りませんでしたが現在のロシアの状況とかぶさり重苦しいものだけが胸につかえます。つかえたままにしておくのが著者に対するせめてもの礼儀だと思いました。
昨日の夜は近くの丼丸という持ち帰り寿司屋の550円の海鮮丼を買い500ミリリットルのサントリーの缶ビールの生で勢いよく食しました。一瞬、職人時代に戻りました。
時代は戻れないし未来は生きられないそれでも過去の誰かを呼び覚まし、未来の誰かと手を組むことができる希望がある、そうとでも思わなければやってけない、あはは🤣
(昨晩扇風機を出しましたが夜7時半過ぎれば窓をちょっとあけとくだけで良い風が入りますのでセッティングしただけで終りました)、、
そういう箇所がありましたか。記憶にありません。今読むと、まったく違った光の中で文字が迫って来るでしょうね。何しろあれから、それまでの二倍くらいの時間が流れて、それまでの何倍も人生を見ていて、だから書かれた言葉の重さも数倍になるでしょう。文学作品を未熟な時代に読むことの弊害、とまではいいませんが、それで満足せず、ちゃんとした大人になって読み返すことの大切さを感じます。