1月 18日(水)晴
木目について
台所から手洗いに至る1階の床に、写真にあるようにわざと合板の裏を使って木目を強調した床にしてみました。旧宅の束(つか)や根太(ねだ)を直している時そうだ面白いから裏を使ってやれと思ったのが初でした。旧宅で試したその床工事が終わって建築士のAさんに見てもらったとき、Aさんの第一声は合板のそうした使い方ではなく、、あー、畳と同じように敷いたのですね、、(畳を敷くような配置でやりました)。ご近所の方が来てちょっと見たとき…この上から何か(仕上げ材)敷くんでしょ?、、と聞かれました、、いいえこれで仕上げです…「、、、」、、誰もいまだに木目が面白いと気がついてくれてません。
着色もしたくなかったので…ウレタンワックスという家具のウレタン塗装と同じように強靭な塗膜を作るワックスを塗っておしまいです。作業場もそのように仕上がってます。あっ、木目のことに入ります。
写真の木目を見ていただければわかるようにもちろん大変不規則です。この不規則な模様がいろいろなものに見えるのが僕が気に入っているところです。材木を大根のかつらむきみたいにして接着剤で縦横に組んだものが合板です。木材を使っていますが接着剤で固めたプラスチック…と僕は思っています。ノコギリで切っていても…檜の繊維を縦引きするときに出る小気味よい音は出ません。電気ノコギリで切ったときに出る切り粉(本来ならおがくず)も微細な粉末です。あっ、木目、、
合板を並べてみた時似たような木目が出るのも材木のかつらむきですから納得がいきます。でも木目は木目、不規則なので味わいがあり、見ているうちに愛着も湧いてくるというわけです。それが型枠用合板を裏にして使うもう一つの理由でもあります、というか、僕にとってはこの目的の方がメインです。
フローリング材には表面に寄木細工を真似たものもあります(突き板といって本物を薄く削いで表面に貼りつけたものと、印刷で似せたものとあります)上張りする前の作業場には突き板のものが使用されていました。本来の寄木床材は、びすこさんも触れていらしたパーケットフロアと呼ばれているものだと思います。手入れは松脂みたいなワックス?を床につけてそれを円形の固いブラシを装着した電動ポリッシャーで擦りつけながら磨く、、高校生の時、夜、ビル掃除のアルバイトをしている時先輩がそうしているのを見ていました。寄木フロアは味わいのあるものですね。ビジネスパーソン?がさっそうと、ホテルのこの床の上を革靴で軽快な音を立てながら足早に過ぎ去って行く、、絵になる光景です、あはは。
(今日は青戸で兄と兄の友人OKさんと会談です、少しは暖かくなる日を兄が選びました、、冬来たりなば春遠からじ、、もう春待つ、気分、、
冬さなか春待つ気分ファミレス店)
フローリングって言葉が一般に使われていますね。初めて聞いたとき、それが木の床を意味するのはとてもとてもおかしいと思いました。だってこれだけだと「床」じゃありませんか。英語ではwood flooring、これなら理に適っている。
子供の頃には家に一つだけ「フローリング」の部屋があって、それは「板の間」と呼ばれていました。(今は約半分の部屋が板の間です。畳の床は何だかふわふわして不安定で歩きにくい、もちろん座れない、という亭主に妥協して。でもおかげで来客のときは、足が悪いとか腰の問題があるという人にはテーブルと椅子を置いた「板の間」を使ってもらえるので、良かったと思います。)
こちらでは、浴室・台所・玄関の間などはタイルですが、他の居住スペースの床は木材です。だいたいは丈夫な樫の木を使います。居間の床は、私が日本にいた2020年にほぼ40年ぶりに張り替えました。問題は、暖房装置が設置されている二つの側で、熱で蒸れて床が腐りかけたことです。(この暖房装置はパネル式に変えたので、今は床に影響はなし。)
木目の美しさと言えば、驚異的な木の床を工場で見たことがあります。製造現場ではなかったのですが、一つの部署から他の部署に移る通路のようなところの床に、木を輪切りにした丸い木材が敷き詰められていました。そこを歩くとカツカツと硬い音がするので金属かしらと思って下をみると、まあ、古い年輪がぎっしり。良質の樫なので耐久性は100年なんてものじゃない、そのことでした。
どの工場も近年モダンな建屋に変わって、あの床はどうなったのかしら、と時々思います。捨てないよね?燃やさないよね?
だけどリサイクルで使うにも、とんでもない技術と根性が必要でしょうね。コスパ・タイパが超低いから、経営者・株主から「捨てろ!」と言われる確率99%です。
写真は年輪がある程度それと分かる床の例です。
いちまる新邸の床、台所だからメンテナンスが大変かも。でも所有者がまめで技能者で、そして「面白がり屋」だから、5年後・10年後にはむしろ味が出ていることでしょう。