1月28日(火)
見慣れた街の一角が壊され始めた。何十年分のたまったほこりがはらわれて行く。
埃は溜まる。動かなかった状況の証人のように。そしてたまったほこりは祓われて、何事もなかったように次のステージに移り変わる。
100冊ほど机の下にたまった本は「風景」にすることにした。
つまり片付けるべきものではなく古本屋の店先に並べた1冊100円の風景を真似るのだ。悪い気分ではない。
さてとこれでやっと落ち着いた。当分は風景を変えずに掃除だけしていれば良い。後は細々した日常の片付け物で気持ちの整理もつけて行く。
5年分の日常の仕事。その後はまたその後で考える。まぁ年寄りなんてざっとこんなもんだろう…我ながらいい気なものだと思う…あはは。
「見慣れた街の一角が壊され始めた」って、再開発なのですか。壊されると、前に何があったのか思い出せないことが多いですね。
埃ってどこから来るんでしょう。居間の食器棚はきっちり閉まるようになっているのに、それでもグラスを並べたガラス板に埃が溜っている。本棚も閉めてあるのに、本の上にうっすら黒い層が。
こちらにはハタキというものがないので、どうやって本の埃を払ったらいいのか分かりません。(京都の土産物屋で買ったおもちゃのハタキみたいなのはあるけど。)
そういえば、こちらでは飾ってある置物をStaubfanger(シュタウプファンガー)といいます。埃をキャッチするもの、という意味です。昔、姪に「この陶器のお人形、買ってあげようか」と訊いたら、「お母さんから埃の付くものは持って帰らないでと言われてる」との答え。ウーン、なるほど。じゃあお花は?と尋ねると、「花は枯れてゴミになるから嫌いだって」-幸い、このお母さんと私とは血の繋がりはありません。