12月3日(日)
四つ木御殿の壁一面の本棚うまくいきそうです。とっておいた古い材木も全部使えました。
リサイクル、気持ちいいですね。
連想するのは、、江戸時代の多分世界一のリサイクル社会、現代に再現できたら気分がいいだろうと思います。
小説の方では…籾二がスカウトされてその分野で活躍してもらいたい。
亜紀は物部信一の代理で、国語審議会とか、そちらの方面の抜擢をうけ、政治色にも染まってゆくなんて、展開を考えています。
(兄の身辺は…ビジネスホテルの部屋とアパート住まいをイメージして身の回りの備品を考えている最中です。今風の山小屋暮らし?(今の山小屋はホテル並みらしい)。かつての山男、兄への説得もそのようにガイドしました😅
兄にもスイッチが入ったようで、他の家族と相談しながら兄の快適生活を目指します、歳をとってからの環境変化はよほど慎重にしないと適応が難しい…くらいに考えて慎重に行動したいです)
思わぬところへ国語審議会なんてものが出て来ましたが、そういえば登場人物中に言語学者がいたのでしたね。そこでの活躍が小説の筋と関係があるというのも何だか楽しみです。国語審議会と言えば、ドイツにもRat für deutsche Rechtschreibungというのがあります。これを日本語で何というのか、ウィキに日本語版がないので困りましたが、中国語なら「德语正写法协会」っていうんですって。徳国というのは中国語でドイツのこと。もっと有名なのはアカデミー・フランセ―ズでしょう。でも今日この話をしていると、折角報告しようとした昨日の出来事に触れることができないので、国語審議会がらみの雑談はまた後日。
昨日はこの地方の天気は今年一番の寒さでマイナス2度からマイナス10度まででしたが、お出かけ好きのクミコさん夫妻に誘われて、ここから30分ちょっとの町のクリスマスマーケットに出かけました。私たちはもう17,8年前に経験済みでしたが、クミコさんがまだ行ったことがないというので、案内を兼ねて。
このクリスマス市はちょっと変わっていて、屋外でなく、さる公爵様所有の厩で12月初めに開催されます。厩で?そりゃナンジャ、と思われるかもしれませんけれど、これはイエス様が厩で生まれたことに因んで、というよりは、大変立派で広い建屋なのでこの種の行事にはもってこいなのです。
この町のかなりの部分がそのF公爵さまの所有地で、広大なお屋敷の、道路を挟んだ向こう側にこの厩舎と広い牧があります。かつては何十頭もの馬を飼っていたようで、今もそこは日本で言う「馬場」のようになっており、騎馬の練習や馬の調教が行われるんですって。
その厩舎の中でいろんな物が売られていて、ドイツ語でいうボックス、馬を入れる一仕切りの部分が一つの小さなお店になっています。寒い時期だから外の屋台で商売するよりずっとありがたいし、買う方もゆっくり品を見られる。といってもたかがクリスマス市なのでそんな大したものは売っていませんが、私は安物のネックレス二つと、今日の午後お茶に呼ばれているのでその夫妻への手土産にインテリア小物、あとクリスマス菓子などを飼いました。クミコさんたちは専ら、南チロルから来たというハム・ソーセージ・チーズのお店で食品を買っていました。厩舎内にカフェが二つあって、カウンターの人も給仕の女性たちもみんなドイツ人とは信じられないくらい親切でケーキも上出来。(方言ですぐ地元民と分かります。)
さて今回の経験でこのF公爵さまに興味が湧いたのでいろいろ調べてみました。ドイツ有数の貴族の家系で、その歴史は13世紀にまで遡るんですって。日本でいうと北条家くらいの古さ?ドイツっていろんな戦争の舞台になって、人口の半分を失うような疫病にも何度もやられているのに、中世の家系が今に至るまで維持されて、しかも相変わらず大金持ち、というのがちょっと信じられない。
しかしながら、ドイツでは有名な貴族はだいたいにおいて有能な企業家でもあり、このF公爵家はFビール醸造所を所有しています。他にも地所その他不動産がいっぱいあるようですが、一般庶民には専らこのFビールで知られています。
アッと思ったのは、ご当主の奥さんが社会事業に非常に関心があり、MS(多発性硬化症)の治療のための財団を設立して患者の治療費を負担しているという点でした。このフォーラムの欄で何度か言及したウチの管理人M氏がこのMSに罹患したのがもう7,8年前。以来当地の総合病院で検査・治療を受けていますが、一番大変なのが年に二度の大掛かりな点滴で、これは極めて先進的であると同時に、保険が利かない特殊な治療なので恐ろしく高額で、一回の額が百万円を軽く超えます。
ところがMさんは無料でこの治療を受けられる。その理由は、さる財団が全額負担してくれるからだと聞いていました。それがF公爵夫人を理事長とする財団法人であることを昨日初めて知りました。
F公爵家の資産を調べると約1000億円とのことで、これは日本でいうと昨年亡くなった京セラの稲盛和夫氏の財産をだいぶ上回る額です。私は元より人さまの資産などには関心はないのですが、なぜ調べたかというと、F家が落ちぶれたらMさんのような人が治療を受けられなくなると思ったからで、1000億円あれば、まあ、当分は大丈夫だろうと安心しました。
実はこのクリスマス市、入口の所で6ユーロ(約1000円)払わねばならず、こんなに壮大なお屋敷や馬場を持つ人が随分ケチなんだな、と思っていました。一つには無料にすると大勢の人が押しかけて収拾がつかないので、それを抑制する目的もあるようです。(それでも大賑わい。)入場料は警備員や清掃員への支払いで消えるでしょうが、一店につき、5日間で10万円の賃貸料を課しているから、これだけでもかなりの収入になる。だけどその収入のおかげで資産を減らさず難病の治療費を出せるなら、有り難い話ではありませんか。面白いので、誰かに聞いてもらいたかったの。お邪魔さま。
写真は厩のボックス転じて小さなお店となっている様子を紹介したものです。