7月8日(月)
「夏ごもり」するのに特にコツはいりませんが、心がけていることはあります。
「軽い感じで暮らす」
野球帽にTシャツ、ステテコ風のトレーニングパンツ、つまりちょっと長めの短パン。
100円ショップで売っている短いソックスにスニーカーを履くと呑気な父さんの出来上がり。これが近所を徘徊するときのスタイル。
部屋の中にある小物類とか、むさ苦しいものは捨てずに大風呂敷にまとめて、天袋にしまい込む。後で何かの役にたつことが多いから。
これだけでなんとなく部屋の中が軽くスッキリする。夏仕様。
中身のない軽い頭もさらに軽くなる。
なんとなくすっきりした感じが大事なのでそういう雰囲気がかもせればもうそれで良い。目移りしない風景。心騒がせない風景。
身も心もスッキリしたところでちょっと難しい本を読んだり滞っていたことに手をつける。難しすぎる本を読んで投げ出すのはご愛嬌。貧乏性の僕はイソップ物語のアリとキリギリスのアリになろうとしているのだと思う。暑い時期でもやれる事はコツコツやる。能力がないんだからコツコツやるしかない。それが能力とも言える。
自嘲気味に言えば、賽の河原の石積み。自己満足。回転籠の中のハツカネズミ。ハツカネズミは動いていればご機嫌です。自分自身を鼓舞して遊び続けるマシン?
暑さ寒さにかかわらず歩き続ける。
果実が何なのかもわからずとりあえず歩いていく。家の中にこもって旅をしているようなものだ。旅のステップは軽く、せめて頑張ってかっこつける、見栄をはる😅
自分にこもって知らないところを旅する。やばいと思ったら手足を引っ込め殻に閉じこもる。
大きな決心をすることなく寒くても暑くても行き先も決めずに歩いて行く。それが「こもる」ということなのかなと思いました。こもる目的。ランニングマシンの上を歩いている感じ。風景が変わらないようでも周りの人たちの入れ替わりや動静は見える。
こもってはいるのですが、軽く漂流もしている、そうやっていれば…浮かばせてくれているものが何かもそのうち見えてくるような気がします。
あまり手荷物を持たない気楽な旅。夏ごもり。こもっていてもお腹だけは空く。部屋の中にいても活動しているのだから当然そうなる。暮らすという事は空腹になるということ。
焼き芋ルームは海に浮かぶブイなのかも。根無し草のように大洋に漂うブイ、。閉じこもっていても毎日目まぐるしく周りの状況は変わる。
元は幅広く商売をしていた社長が苦しい状況に陥ってそんな時僕とちょっと知り合って、その時に出た話、、いちまるさん、僕はね車の運転をしている時だけは自分の家にいるような気分なの、、東京に出張する時でも車と一緒なら自分の家にいたまま移動している気分…つまり車の中が1番安心できます😮💨
焼き芋ルームが車の中と考えれば全く状況は同じ。周りの風景は慌ただしく変わっても少なくとも焼き芋ルームの中だけは僕の世界。漂流していることすら忘れてしまう安心空間。穴倉の奥。
イギリス人が言う、わが家は城、、の感覚。畳の上に木製カーペットを敷いただけの部屋。ずいぶんと安上がりな城。
そう思ったら焼き芋ルームはなんだか宇宙船のコックピットのような気もしてきた。
ついでにこんなことも思い出した…敬礼の由来…相手に鎧甲の下の顔を見せ、知り合いであることを確認するために兜を上に上げる動作、、それがそもそもの敬礼のしきたりの始まりとか、、僕があちこちでまるで自分の顔を売るようにして挨拶して回っているのはそれと同じことかもしれない…僕は怪しい者ではありませんほら昨日も会った〇〇です、、野良猫のようなものですが悪さは致しません…どうぞ放っておいてください、、。
お酒も飲まずにこんなたわけたことを言える僕は…お調子者です。
ヴァイザー(visor)ですね。これは今では日よけ(帽)のことらしいですが、もともとは中世に使われた「兜の顔の上半分を覆う面頬」のことだそうです。西洋兜の上の部分がポカっと揚げられるようになっていて、出会った人に目を見せて挨拶する。
そんなシーンを見たければワグナーのオペラ「タンホイザー」でたっぷり楽しめます。これはお城での歌合戦のお話で、その中のGrand March(大行進)の場面では大勢の騎士たちが王と王妃のもとに来て、一人一人ヴァイザーを挙げて挨拶します。とても印象的なシーンで私は好きなんですが、視覚的な魅力と同時にその行進曲が素晴らしいのです。
ワーグナーって大体において物々し過ぎて(ゲルマン礼賛)好みではないけれど、このオペラだけはいいなと思う。YouTubeのTannhäuser: "Grand March"で是非ご覧になって下さい。
visorはドイツ語ではVisierといいまして、mit offenem Visier kämpfen(頬当てを上げて闘う)と言えば、「手の内を隠さず正々堂々と戦う」という意味になります。いちまるさんもご近所の方に堂々とご挨拶?
ただ、「敬礼する」の英語は普通はsaluteですよね。これはラテン語でローマ時代からだから、兜無しで戦ったその時代にはどんな敬礼をしたのでしょう。