長い1月もやっと終わる。蕪の若葉?が寒波に耐え冬を越すつもりらしい、昨日兄の所へ行ったのでついでに暇つぶしの言葉遊びを例によってやりました
構内の陽射しやわらか冬もよし
陽射しある温み求めて空仰ぐ
冬キッチン冷や酒あおるスケジュール
華やぎは春まつ電車人と会う
寒風を受けて四股踏む冬構え
寒風をスルーする気のスマホ
かな
手袋も暢気もしないスマホかな
快晴の冬の機影の旅便り
空晴れて世はこともなく冬休め
空画すビル林立と冬の墓
冬空を肩で風切り速く跳べ
新幹線冬の停車場あまねく陽
どこまでも雲ひとつなし冬広し
冬空の青き寒さに息ひとつ
山並みの稜線はるか春よ来い
ただ1人死んでゆく空冬も好し
ぬくもりに耳痒くなる車窓かな
追い越して行く人は無し冬階段
陽を浴びてスマホで休憩冬構内
着ぶくれのスマホ片手のひなたかな
ぬくもりをスマホに探す冬電車
目の上に赤い紅さす冬景色
目の上にべに置く人の冬化粧
ひとしなみスマホ操る冬芝居
浄土なれ冬日やわらか谷中墓地
仕掛ける手さすりさすりつ電熱器
赤外線骨にしみいるその温み
静けさを冬の夜明けのストーブと
耳鳴りを潮騒にして冬静寂
冬小部屋安穏あれと夜明け待つ
頬杖をついて緩め冬と居て
朝五時にストーブ抱いて畳の目
足の指揉んでさすって冬に立つ
どれもこれもだからどうしたという言葉遊び、だから遊びと開き直る…あはは
だからどうしたという言葉遊びに私も仲間入りさせて下さいね。
今月の特賞は「追い越して行く人はなし冬階段」、なぜなら、この句は私が必死で働いていた頃の早朝の駅の風景を思い出させるから。懐かしいというか、若かったからできた超早起きだったんだなあ、という感懐があります。今早朝に目が覚めるのは、午後に余計な昼寝をして寝足りているので、頭が「いい加減にせい」と怒るから。
「耳鳴りを潮騒として冬静寂」これはジャン・コクトーの詩の続きみたい。私の耳は貝の殻、海の響きを懐かしむ。蓮歌としても面白い。
ご紹介いただいたたくさんの俳句の中から、いくつかの季語(冬の墓、着ぶくれ、寒風、紅-これは季語ではないけど)を選んで私も遊んでみました。
・大寒の墓参や不孝を補いて
墓参りは私ではなく、そういう人に会ったということ。
・着ぶくれの使いの童に駄賃はずむ
赤いほっぺの男の子が着ぶくれてお使いに来たら、ただでは帰せない。
・寒風や老爺の罵声聞捨てる
すぐ切れる老人が多いらしいけど、こうも寒いとジイサンの怒号なんかスルー。
・榛(はしばみ)の雌花ちょっぴり紅を差し
ハシバミってヘーゼルナッツのことで日本では見かけませんが、こちらには多い植物です。雌花と雄花があり、雄花は尾状花序でしっぽのようにぶら下がり、雌花は目立たぬ花で真ん中に赤い柱頭があります。
あ、冬景色の句もありますね。それでは我が家の辺りの冬景色を。居間から撮った写真です。列車は9時15分に目の前の森を通過します。以前に、向かいの山から月が昇るという話をしたことがありますが、ちょうどこの列車の上の辺りから現れます。(小さな家は単身赴任の社員用。)