(在庫一掃、蔵出し記事です、運営側システムの何らかの事情でアップできなかった分です。
今回で在庫一掃できました…すっきりしました、ありがとうございました)
8月23日(水) 曇り時々晴れ予報
プールで泳いだ後、雨に降られたのでヨーカ堂で雨宿り…マックのシュリンプバーガーなるものとホットコーヒーもらって窓際で雨を見ていた。じーっと見ていたかったのでぼーっとしながらじーっと見ていた。雨粒の大きさが違うのが初めてわかった。粒の大きいのは水たまりに落ちた瞬間広がる水の輪も大きい。小粒の雨と相まって広がっては消えてゆく模様リズミカル。見飽きる前に雨が上がった。
講談社の人類の知的遺産シリーズNo.50:都留重人が担当した「マルクス」を読み始めて、文章が固いと嫌だなぁと思っていたのですが…さすが都留重人、読み物になっていました。マルクスとエンゲルスがそろそろと出会い、時間の経過とともに熱く語る仲になっていく語りあたりから面白くなってきました。
マルクスの著作の現代的意義について都留重人は25ページでマルクスがその著作の中で語っている次の発言を紹介しています。
(読みやすくするためにぼくが適当に段落をつけました)
「哲学者は理念を生産し、詩人は詩を生産し、牧師は説教を生産し、教授は教科書を生産するのと同様に、犯罪者は犯罪を生産する。
犯罪者は犯罪を生産するばかりでなく、刑法をも、したがってまた刑法を講義する教授をも、そのうえ、この同じ教授が自分の講義を商品として一般市場に投ずるために必要な教科書をも生産する。したがって国民的富の増加が生じる。……犯罪者はさらに、警察および刑事裁判所、獄吏、判事、絞刑吏、陪審官などの全部を生産する。……
拷問だけでも、極めて巧妙な機械的発明物を生みたし、その道具の生産のために数多くの尊敬すべき手工芸家に雇用をもたらした。……犯罪者が生産力の発展に及ぼす影響は、これを詳しく論証することができる。ひとりの泥棒もいなかったとすれば、いったい錠前が今日のように完成されたであろうか。
また、ひとりの貨幣偽造者もいなかったとすれば、銀行券の製作が現在のように進歩したであろうか。……犯罪は、たえず新たな財産攻撃の財産攻撃の手段を通じて、たえず新たな防御手段を生みださせることにより、結果的には生産的な作用をする。」
引用以上
こんな機転の利いた文章を書くマルクスの資本論を、いっぱしのことを言う連中が、 まともに読んでないこと知っています、かくいう僕も。
(今日は僕のヘマでもう一度司法書士事務所に行くことになりました、このところ通り雨が多いのでその合間をぬってバスで往復してきます)
都留重人で思い出したのですが、シュンペーターというオーストリア=ハンガリー帝国生まれの経済学者がいますね。この人は女たらしでダンディで浪費家で、通常の経済学者のイメージからほど遠い人でしたが、それだけに超長生きばかりの経済学者の中では例外的に60代で没しています。もう少し生きたらノーベル経済相間違いなしだったと言われていますが、死んで花実が咲くものか。
なぜこの人のことを持ち出したかというと、彼は徹底して反マルクス・反ケインズだったのですが、その彼がハーバート大で教えていたときの門下生の中にかのポール・サミュエルソンなんかと並んで都留重人がいて、シュンペーターはこの都留氏を高く買っていたのだそうです。
マルクス経済や政府介入の必要性を説くケインズの理論をほとんど呪詛していたシュンペーターの伝記は、素人が読んでもとても面白い。Prophet of Innovationという原題でMacGraw社刊、日本語訳もあります。