< 頼もしい >
お子さん3人を1台の自転車に乗せて若いお母さんが運転しているのを見ているだけできっと誰もが頼もしいと思うでしょう。
最近は少なくなりましたが、重い荷物を軽々と担ぎ上げ階段を登ったり降りたりしている男性を見ても、頼もしいと思うでしょう。
頼もしい人は「守るべき人がいる」と想像できるので余計僕には頼もしく見えるのかな。頼られると、頼もしくなれる。僕は頼られると頼もしくなれとハッパをかけられているような気がしてきます。結構辛いものもある。縁の下の力持ち的女性が偉く見えてくる…僕の場合。
友人のお供でハンディキャップのある人たちに関するニューヨーク市内の施設を見てまわるというツアーに参加したことがありました。1993年頃だったかな、あごあしつき(旅費食費滞在費東京都が負担)の研修会だった。その時現地で駆り出されたユニークな自動車のことを思い出します。
日本の中小企業の職人の叩き上げのおじさんみたいなアメリカ人が車椅子用に改造した小型のトラックです。その人は頼もしい人でした。多少の問題があっても結局最後には解決を見いだしてしまうような一徹さがその「作品」からにじみ出ていました。車いすの友人と乗ったそのトラックは一見ポンコツに見えましたが手作り感あふれる改造車で、何とも言えない愛嬌がありました。鉄パイプを曲げて補強したガード柵の作りといい、車いすの止め金具といい、無骨だが頑丈。アメリカの開拓民の末裔なんだと思いました。飄々としていて、たくましい感じがしました。笑った顔が想像できない人でした。
日本に帰ってすぐ、気が変わらないうちに僕の仕事用の箱型の軽自動車を車椅子が運搬できるように改造する仕事に取り掛かりました。大型の単車を固定するバックルとベルトを御徒町の大型単車販売店で買ってきて、その締め付け器具を車台の下に潜ってボルトで固定しました。作業中アメリカの頼もしいおじさんの顔が思い浮かびました(※改造は原則禁止)。見せつけられた先達の行為は最強の起爆剤でした。
その改造車で友人とあちこち回ったとき、他の団体の人が興味津々でいろいろ質問してきました。油圧リフト付き軽自動車はその当時200万円位しましたから僕の安直な改造車はどこへ行っても目を引きました。車椅子を転がす坂道用の踏み板2枚を含めバックルその他で6万円ちょっと位でできるとわかった時の見学者の反応が楽しかった。ある知人がもらした…「そうかこれでいいんだなぁ」の言葉を聞いたときは嬉しかった。ほんのちょっぴり世の中が変わった気分を味わえました。頼もしい人は頼りになるというお話でした。
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最終更新: 2021年1月25日
形容詞マニア いちまる 1月25日
形容詞マニア いちまる 1月25日
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! ふがいない…了解しました😙お題いただきます、ありがとうございます!
頼もしい男、最近減ったね、なんてありふれた台詞は申しません。頼られると頼もしくなる。活躍ぶりを見てもらえると頑張る。中世の騎士が馬上で生命を賭して戦ったのも、美女が見ていてくれればこそ。(それが何の役に立つか、という素朴な疑問はさておく。)
そのうち、「頼もしい」の反対の「不甲斐無い」でブログを書いていただけますか。ウチ、言いたいことが山ほどあるねん。