< くやしい > くやしい思いはバネになる。30年以上前、僕のすぐそばで僕の知人から、あからさまに恥をかかされた若い女性がその悔しさをバネに猛勉強し、1年後ニ級建築士になって営業の助手を連れて当時流行っていた異業種交流会に現れた。超かっこよかった。建築資材のショールームで販売員として働いていた彼女に対し、僕の知人がぽろっと言った…要するに(君は)売り子でしょ、この一言が彼女にバネを与えたのでした。 もっと身近で起きたこんな話もあります。算盤も、簿記もできない、家庭を守っていた良妻賢母を絵に描いたような女性が、旦那さんが亡くなったのをきっかけに(と、ぼくは経営者から彼女の事情をざっくり聞いていた)僕の隣に座った。今日からよろしくお願いします、あーこちらこそ、えーっと…とりあえずこの伝票を集計してくださいと、ある支店の売り上げ伝票の束を彼女に渡した。勤めるのが初めてみたいな所作で電卓を叩き始めた。近くで他のスタッフたちがパチパチと小気味よく響かせる、そろばんの音を聞きながら、あまりにもぎこちない電卓操作に見かねて、その方にテンキー(0から9までの数字の配置)のキーをたたくリズムの取り方のコツなどを教えて差し上げた。翌日… 僕の隣に座った彼女は早速、売り上げ伝票集計にとりかかる。電卓を叩く音がまるで別人、見違えるようなスピード。リズミカル、間断なく一定の速いテンポで打ち込む基本に則り、もちろん手元は見ないブラインドタッチ、ブラボー。聞けば昨晩電卓の特訓をしてきたと言う。周りで響く算盤を弾く音の心地よいリズム、つまりはそれがプレッシャーとなり、バネとなって良い結果となったのですね。後でわかったことなのですが彼女はピアノ🎹の心得のあるひとでした。きっと、ピアノ弾きの意地にかけても、ということもあったのだと思います。それを突破口に他の仕事もあっという間に他のスタッフに追いついてきました(これを書いていて…算盤パチパチなんて風景まだ残っているのかなぁ、と思いました)。 意地がバネになった経験は僕にもあります。初めて働き始めた会社のぬくぬくとした家庭的な会社丸抱え体質に反発して、世間知らずの僕は四年を区切りに会社を辞め…日本経済の高度成長期をいいことに会社を転々としていました。キャリアを磨いているつもりでした。ある時入社して間もない新橋の建築資材商社の営業課長である僕の上司に指摘されました。僕の学歴コンプレックスについてでした。思ってもいない指摘でした。そもそも、ないと思っていましたから…。きっと無理をして意地を張っていたのが分かったんですね。夜、大学のニ部へ行けと言われました。その時、大学にはいきませんでしたが後々の発奮材料にはなりました。 大学へ行かなきゃ通用しないほど僕はヤワじゃない (この言い方気にする人いたらごめんなさい。売り手市場をいいことに生意気だったんですね。それにつけても昨今のようにおいそれと学歴が通用しないほど厳しい世の中が来るとは思ってもみませんでした) 先天的プロレタリアートのバネは下地として持っていた、というところですかね、、、待てよ、気取っている場合ではない、そんなことより、丈夫な体に感謝する方が先でした😅コロナも老骨にムチ打って乗り切るぞ!
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負けてくやしい花いちもんめ。くやしさをバネに生きてくれればいいんだけど、憤って復讐の鬼みたいになる人もいますね。私と同年輩の知り合いのドイツ人女性、オーストリアで働いていた時そこで結婚したのですが、相手が浮気して離婚。浮気を見つけてギュウと言わせるために探偵を雇ったんですって。ドイツではそれは違法ですが、オーストリアでは合法なのです。以来、ドイツに戻って毎月、元夫の収入の半分を受け取っています。
その間に、ドイツでお人好しのやもめのオジサンを見つけて一緒に暮らし始めました。オジサンは特にお金持ちではないけど、暮らしには困りません。それで衣食住の面倒見てもらってずっと「同棲」でしたが、男の方が、自分も歳とってきたし、どうだ、結婚しないか、ともちかけると、彼女いわく、「ダメ、あなたの妻になると元夫は私を扶養する義務から解放されて、収入は全部自分のものになる。死ぬまで彼の扶養家族でいて、送金させるの。」
ドイツやオーストリアで婚姻率が下がっているのは、こういう事情もあります。一端結婚したら、一生動きがとれなくなることが多い。だから、同棲しても籍は入れない。こわいですねー。