< いじらしい > 3年ほど前の話。金町にある小学校で外国から来た子供たち向けの日本語学校がありました。その日も見学者のIさんと連れ立って、僕はいろいろな国から来た子供たちに日本語を教えるお手伝いをしました。Mちゃんと言うバングラデシュから来て6ヶ月の10歳の女の子の日本語のレッスンに付き合いました。痩せてはいましたが大きな黒い目がくりくり動く子でした。対面で口をきく大人の日本人が珍しかったのでしょう…いろいろ質問してきました。もちろんたどたどしい日本語でしたが、その意欲が嬉しくて、僕なりに応じていました。休憩時間にはその子はすぐに運動場に飛び出し、うんてい(両端の支柱にハシゴを横にわたしたような例の運動遊具)をやって見せておてんばぶりを自慢してくれました。教室に戻り、また他の外国から来た遊びざかりの男の子たちにからかわれながらも(男の子たちに引けを取らない位やりあっていました)ひらがなや算数の宿題に取り組みました。 Mちゃんがすっかり勉強に飽きた頃、僕はニ、三、Mちゃんに質問しました。バングラデシュでの生活や興味や遊びについてです。必ずしも愉快な生活でなかった事はすぐに察っせられました。いろいろ質問する中で僕は話の流れから、、、Mちゃんは、バングラデシュの子だから、、、と口を滑らした時…ちょっと体を硬くして、…いいにくそうに…でもはっきりと自分に言い聞かせるように、、、わたし…日本人だもん
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いじらしい、っていちまるさんの例にもあるように、大抵は幼い子どもに使われる形容詞ですよね。(幼くても、親の顔が見たいと思うほど図々しい子もいますけど。)
でも私は昨年自分の村で、いじらしいお年寄りに会いました。春になって仲良しのAちゃんから、村の集会所でやっている百歳体操に来ないかと誘われました。Aちゃんは民生委員もやってるので。行く行く、と言ったのですが、すぐにコロナで集会はダメになりました。6月に自粛が明けて行ってみたら10人くらいの高齢者が参加していました。小さな村ですが、足の不自由な人も多いので、アクセスの便宜を図って集会所は三か所に分かれています。
私が参加したグループは70歳過ぎから90歳までで、その中で89歳の男性と83歳のその奥さん、二人ともかなり足腰が弱っており、子供さんもいなくて、二人っきりでひっそり暮らしている人達です。でも、とても明るい。この体操の再会を今か今かと心待ちにしていたんですって。
体操が終わるころに町のお店からちらし寿司が届きました。「みんなに会えるのが嬉しくて、一緒にお昼を食べたくて」とお爺さん。みんなで喜んでいただきましたよ。いじらしいご夫妻でしょう。