(いっぱしの俳人気取りで初の句集、アップさせていただきます。こーゆーことは、やったもの勝ちです、積極的に恥をかく、はぼくのモットーです。今年1年のKBCのトークルームにお邪魔虫のように載せてきたぼくの俳句です。毎日の積み重ねの威力を教えてもらったのはわが母です、飽きっぽい、ちゃらんぽらん、気が多くて移り気(多動)、熱しやすくて冷めやすい、、冷めないうちに今朝からまとめてよかったです、今年1年下手な俳句にお付き合い下さいましてありがとうございました、お礼は先に、、は父ゆずりです😌)
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大根が安いぞ食うぞからみ餅
今日の日よおやすみなさい寒近し
陽に風につぼみ膨らめ春陽炎
子がひとり鳩追う春陽影ひとつ
ポトポトと落ちて色香の八重桜
江戸川の菜の花はるか波うねる
梅雨入りに青き梅の実頬を張り
梅雨きれて白雲の影野に疾し
梅雨休み原割くごとし燕飛ぶ
梅雨寒むに息をひそめる野辺の花
憂き我を嬉しがらせよ野の小菊
名も知らぬ草にも花は咲きにけり
美しき心を知るや春の花
切り絵立つ輝く雲に夏の影
夏空を払い清めてちぎれ雲
夏景色回す軸たれスカイツリー
ビルの辺の霞立ち上げ空青し
燕舞うギアー入れ替え空高し
遠投をおさめてミット軽き音
目をそらすにょきっと素足夏休み
山肌を見せて黒富士青天下
アザミ野を付かず離れず蝶ふたつ
なみなみの夏雲下に空深し
炎天下よくぞ言ったり人黙る
子等浴びる噴水シャワー蝉の声
街の灯の熱冷めやらぬ夏の宵
夏惜しみ胸をはだけて駆け抜けろ
初トンボとなりかすめて燕ゆく
虫を追い原滑りゆく燕かな
眠らない街の吐息か秋の風
夏空に季節知らせて筋の雲
夏雲の名残とどめよ風は秋
天空の雲すれ違う土手の秋
老年期いかに生くべき秋とゆく
身の回り整理整頓夏のゴミ
夏草の刈り取りあとの人の道
腕を組みくしゃみひとつで夏さらば
秋くれば夏恋しがる乙女あり
秋が来て吸い殻ポイと夏さらば
長雨の雲に身を刺すツリーかな
セミ骸枕並べて枯葉散る
並木道落ち葉はらりと秋知らす
居残りの中天の月今朝の秋
夏去らずヴェールの向こうビル浮かぶ
ボール蹴る土手の歓声夏残る
クロアゲハ迷い込むとて秋はなし
朝露を置いて吹き抜く秋の風
秋の原キャンと一吠えボール追う
鱗雲みはるかす置き丸天井
野の花を束ねて揺らす秋の暮れ
戯れて草投げ入れる秋の空
秋うらら綿散らかして雲ぷかり
墓参り自分の影を踏んでゆく
曼珠沙華見れば導く彼岸かな
道なかを媼後ろ手枯葉踏む
眠たげに振り返る猫秋の朝
ガス点し暖とる両手秋の朝
朝寒にチョッキ一枚冬想う
西の空照れくさそうに明けの月
明けぬ夜は灯火親しむ秋とゆく
居残りの蚊はふうわりと素足刺す
新米のおこげに香る醤油かな
秋暮れて影絵と浮かぶ鬼ごっこ
散り残る桜葉笑う秋の宵
(夜中ちょっと物干しに出てみると、見上げた夜空に冬が来ていました)
物干しの上にオリオン空に冬
冬晴れにたんぽぽ咲けばそこは春
ゆく雲を飽かず眺める冬初め
脇道に人待ち顔の猫じゃらし
冬陽落ち街の灯照る川面
ススキ原川面に透かす冬の暮れ
風はそよ冬陽やわらか落ち葉はら
冬の月見送る影の西に富士
遠い日の記憶は彼方ちぎれ雲
閉じた目にまばゆき錦冬陽かな
バイバイと名残り惜しそに枯葉浮く
冬緩みりんご香るや朝まだき
日陰にもさざんか咲くや冬便り
風に舞い落ち葉寄り添う冬の道
起き抜けにシャツ袖通す寒さかな
温度計下げていやます冬支度
万両の紅い実招く春よ来い
鳩どももひなたぼこする冬日和
朝練の黒髪揺らす冬公園
風止んでさざんかはらり還る土
(奥戸にあるさざんかの垣根を見ていたら、、あたりを払うような美しさはないかわりに、さりげなく主張してハラハラと落ちていくさざんか、あんな風に終わるのもいいなぁと思いました)
さざんかのごとく散りたし朽ちてゆく
冬並木風に尋ねる人の声
焼きたてのバゲット挟み冬小道
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見よう見まねで俳句を作り始めて1年経ちました(前にもちょっと誘われて、かじりかけたことがありましたが…使える文字数が少ないのですぐに興味を失いました、そんな時あぁそうだ連想ゲームでいいんだと気がついたらいっぺんに気が楽になりました)。始まった冬ごもりの今朝、そのうちやろうと思っていた自分のこの1年の俳句の整理、というか、まとめて何らかの形にしておこうと思っていたことができてよかったです。拙いながら、意外にたくさんできた俳句を見て思いますことは、、終活の時を忘れたわけではないけれどその時々の気持ちを書き留めておくことは楽しい、ということでした。そうやって終活の時を忘れるのも楽しい、いっそ忘れてしまおう、1日1日の今を捉えてその日を迎えれば良い、その日のことなんて、天のみぞ知る、その日を教えてもらったところで迷惑、とさえ思いました。今年一年の記録を振り返ることで、もう1年得をした気分です。この1年フォーラム欄を好き勝手に使わせていただきありがとうございました、あー面白かった😮💨😊来年はまた何か新しいことを始めたいです。昨日は相当落ち込んでいて…昼間から布団を敷いて寝てしまおうかと思った位でしたが…気分転換がうまくいってよかったです、ではでは来年もよろしくお願いします。
ありがとうございます…こうして改めて見てみますと…ぼくがつじつま合わせみたいにして作った句でも…他人の目で見ているような独特の楽しさがあります、、以前、見たそのままを詠んだ、、母ゆらり子供もゆらり夏小路(だったかな?)、、をりつこさんが褒めてくださった時…あー面白いなぁと思いました…俳句の面白さは自分とは別のバイブレーション?を伝えるところにあるとしみじみ思ったことでした、以前、正岡子規の歌よみに与ふる書、、見たとき、えー、🤨ここまで言うか!、、と浅学もかえりみず、もやっとした感じを持ちましたが…その一方で、やはり子規はパイオニアだったなと思い始めました(これまた偉そうですいません)、、まあ、ぼくらは偉大な先人たちにただのっかって、遊ばせてもらえばいいかなと最近では思っています。
今、矢数俳諧があれば大村さんは上位入賞間違いないでしょう。令和の西鶴目指して精進してください。以前にも「白詰草」のお気に入りの句をラインで投稿したことがあったと思いますが、いま改めて読んで、心に残った(お気に入りの)句は、
江戸川の菜の花はるか波うねる
梅雨寒むに息をひそめる野辺の花
夏景色回す軸たれスカイツリー
燕舞うギアー入れ替え空高し
腕を組みくしゃみひとつで夏さらば
眠たげに振り返る猫秋の朝
居残りの蚊はふうわりと素足刺す
新米のおこげに香る醤油かな
びすこさんも自選句集・歌集を投稿してください。
次のgroup of linesに行きましょうか。梅雨ですね。今の季節に梅雨を思い浮かべるのはちょっと努力が要る。こちらには梅雨がないからなおのこと。でも梅雨って日本の、特に農業にはとても重要なんですよね。私は漁業と縁がなかったから分からないけれど、梅雨時の魚、あるいは梅雨があるからこそ獲れる魚というのもあるのでしょう。海水の状態や光の加減も微妙に違ってくる。
そうそう、先日海彦・山彦の話を改めて読んでみたのですが、どうもよく分かりませんでした。何かのアレゴリーだと思うけど(漁業対農業?)誰かに解説してほしい。
ついでにその次の夏の句。雲を詠んだものが結構ありますね。雲は天才だと言った歌人がいましたっけ、石川啄木?いちまるさんも、とっても素敵な雲の絵を描いておられたでしょう。雲がお魚になって、猫がそれをじっと見ている。あの絵はお手元にありますか。BKCの画廊で披露していただきたいわ。
赤富士は知っていますが黒富士という言葉は初めてです。いちまるさんの造語かと思った。
私も駄句をちょっとだけ記していいですか。
・梅雨入りで母のかごとは針の錆
(湿気で針がさびるので、夏物を縫おうとしてもなかなか進まない、と母がこぼしていました。)
・川遊びで冷えた体に草いきれ
(プールなんか無かったから、夏休みには川に泳ぎにいきました。往き帰りの野道の草いきれがすごかった。あの強烈な生命の香は私の記憶に沁みついています。)
いちまるさん、ダメですよ、こんな秀作・佳作をいっぺんに発表しちゃ。じっくり味わってコメントしたいじゃありませんか。10回くらいに分けていただきたいわ。年末年始の休みに(誰だ、毎日休みじゃないか、って言ったの)すこしずつ味わい消化して、またコメントします。
とりあえず、最初のスタンザ。(連?。スタンザって詩学の言葉だそうで、簡単にいうと a group of lines within a poemなんですが、全体を長い詩として最初のまとまりをスタンザと勝手に呼ばせてもらいます。)
からみもちって言葉知りませんでした。大根をおろして醤油に混ぜて食べる餅?おいしそう、消化もいいだろうし。こんな簡単なご馳走、どうして知らなかったんだろう。
今日の日よおやすみなさい、の句で、昔お医者さんに言われたことを思い出しました。
・宵っ張りに「今日中に寝よ」と医師は言ふ 明日には明日の眠りがあると
菜の花にはたくさん思い出があります。もう15年近く前ですが東西ドイツの差がまだ顕著で東が貧しいままだったころ、列車でかつての境界を越えたことがありました。通常は家や町並みが急変するんだけど、そこに広がっていたのは広大な菜の花畑。
・分断の日の傷見せて菜の花の海に浮かびし朽ちたる兵舎
兵舎は旧ソ連のものでした。今では解体されていると思いますけれど。
じゃ、またね。