千夕報　📎　006

びすこの中間報告です。

今朝ネットのニュースを見ていたら、中国の失業率についての（ちょっと古い）報道があって、目下は若者の失業率が６％前後で推移しているとのこと。さて日本はどのくらいかなと調べたら、約２．５％、まあいいんじゃないでしょうか。ドイツは６％台、近年かなり高くなっていますが、これは実態を反映しているとは思えません。前内閣が特に緑の党のごり押しで「脱工業化」を推進したため失業者はかなり増え、するとその対策として、この数年急激に増えて社会問題になっている難民・移民のための施設とそこの従業員、それらを管理するための役所を新設して、一般の業界であぶれた人をそこで雇い、それで失業者の増加をごまかしているのです。ここで働く人はいわゆる管理ポストから給食のオジサン・オバサンに至るまで、やる気はあまり（というか、むしろ全然）ない人達で、勤務評定も無論ないから、数人難民が増えると同じ数のポストや仕事が「創設」され、効率や能率などドイツ語の辞書から消えて久しい。　いや、これでドイツはよく持っているもんだ、と感心します。

このにわか仕事(昔の日本にあった失対)への報酬はもちろん税金から。ドイツの国庫の堅実さは伝説になるくらいでしたが、それも徐々に「昔話」になりつつあります。それで困った政府は新たな収入源を探し、昨今は相続税と財産税がその標的になっています。ドイツの相続税は欧州ではかなり高い方で、日本と似たようなレベル。財産税（固定資産税）はわずかです。そもそもドイツでは持ち家率がかなり低くて4割に満たない、その分家賃は低めに抑えられていますが、難民流入以来住居が不足して家賃が上がっており、これでは下手すると反乱がおきる。

難民に家を提供せよと言われるのを恐れて、それまで二世代が同居していた家では慌てて貸し家に息子・娘を住まわせ「空き家じゃありません」という。難民の流入が始まった２０１５年からの数年は、空き家の提供を拒否すると「接収」されたのですが、身内が住んでいればそれを免れるからあわてて家族用に利用し始めました。

そこへウクライナ難民も加わり、住宅不足は深刻化する一方で、政府も「接収」では間に合わないので社会福祉政策の一環として家主にきちんと家賃を払うようにした。

それで流行り出したのが、難民用のアパート経営です。建物は少々お粗末でも構わない。難民は家賃を払えないので、政府が支払う。

家賃不払いの問題はドイツではかなり深刻で、失業者やさらにはジプシーなどタダで居座る人が多く、訴訟沙汰になると家主の方が必ず負けるので（裁判所は弱者の味方だから）貸家商売はペイしない。そのためもあって貸家・貸アパートが急激に減り、これも家賃の高騰に拍車をかけています。

だけど、これが難民用の住居となると、契約は政府が相手だから難民に代わって政府が家賃を払ってくれます。遅滞・不払い一切なし。あ、これはいいぞ、と安アパート、というより難民無料アパートが増えて…まあ、それでもええやないか、と思われるかもしれませんが、そういうアパートができた場所は土地の価値が大幅に下がってしまうんですね。普通の持ち家に住んで、ゆくゆくはそれを売り、介護施設への入居の費用に充てようと考えていた人たちの計画がおじゃんになる。

持ち家でなく普通の賃貸アパートに住んでいる人達も、難民が増えて犯罪増(現在のドイツでは刑犯罪の７割以上が移民・難民による。これはドイツ警察の控え目な統計です)やゴミ・騒音の問題で困っているけれど、引っ越し先もない。

進歩主義やら人道主義やら平等主義やら国境開放主義をウリにしてきたドイツで、このところ保守派が多数を占めるようになった現状（中道右派＋極右とされる党の合計は５２％、ただし極右の定義は極めて曖昧）の背景には、実に複雑な問題が絡んでいるのです。

何の話でしたっけ。ああ、失業率ね。それのごまかしについて話すつもりが逸れてしまいました。

もう一つのごまかしは出生率。もともとトルコからの移民家族には子供の数が多かったのですが、近年はシリア、イラク、アフガニスタンからの自称難民家族がやたら子供を持ち（５人から１０人）それでドイツは統計上出生率が下がらない仕組みになっております。

続きはまたそのうち。

アジの煮干し美味しそうですね。間違いなくおいしい。今も煮干しにピーナッツを混ぜて日本酒のつまみにしています。気分はフッシュ&チップス？

平凡は素敵ですよ…僕の尊敬する人物はわが母と父です、、平凡を絵に書けば、それは父母です😌

小夏はクレマチスさんのお母様の好物だったんですって。田舎のわが家にザボンの樹があったことは先日のブログに書きましたが、小夏の木は母の実家にあり、これも誰も食べないのでもらいに行っていました。

母の子供時代のおやつは、所有のミカン畑(温州ミカンの方）のミカンと、裏の畑のサツマイモと、浜で取

れた鯵雑魚(鰺煮干し)だったそうで、ビタミンCとBと蛋白質とカルシウムでパーフェクトな栄養。おかげで、母の兄弟姉妹の７人中、８５歳以前に死んだ人は一人もいません。下の二人の姉妹が存命で、９４歳と９１歳、すごいでしょう。これがなかなか大変な人達でございまして、憎まれっ子ナントカと言いたくなる。(ドイツ語では「雑草は死なない」と言います。）

この頃思うのですが、平凡に生きるのも一つの才能ではないでしょうか。

そして、平凡に生きられたことに感謝しなくちゃ、と思います。非凡な人はそれを負け惜しみというでしょうけど、それは平凡であることの幸いを理解できないからです。平凡なご兄弟なんて、羨ましい。

鯵の煮干しの写真を添付しますね。これも大変おいしいです。絵に描いた餅、でなく、写真の鯵雑魚では試食していただけなくて残念。

あ、小夏。これ高知の特産品です。と言っても関東・東海の暖かい土地でも栽培できるようで、昔熱海で買ったことがあります。ビタミンCがとても多くて糖分は少ないのでお勧め。私は子供の頃ほぼ栄養失調状態だったのですが、７７歳の今日まで生きられたのは柑橘類のお陰じゃないかと思っています。

平均寿命まであと１０年なんて、身に過ぎたことは言いません。人生のスタートが最低に近かったから、多くを望むことはできない、ということを無意識のうちに覚えました。１９４０年生まれの亭主も、今の人たちがいう貧乏なんて、そんなの貧乏じゃない、なんて言う。でもこの人はとにかく何でも食べただけあって、よく成長してドイツ人男性の平均寿命をはるかに超えましたけど。毎朝バナナとオレンジを欠かさないので、そのせいかな。