千夕報　📎　014

今日から８月、うわ、今年ももうとっくに後半に入っている。そして弊社は明日から夏休みです。

ところが社員は決して明日からとは言わない。８月４日からと言います。そして仕事を再開するのは８月２５日からなので、３週間の夏休みということになりますが、社員はそれについても夏休みは８月２２日までと言います。実際顧客や納入業者への通知にも、「８月４日から８月２２日まで夏季休暇です」と書いている。

つまり、土日は夏休みではない、それは法的に誰もが当然とる休日で、会社からもらった休みではない、ということを誇示しているわけ。そんなん、どうでもええやんか、とにかく３週間休めるやろ、なんというのは甘ちゃんの日本人の台詞で、会社から支給される休みと、全国民の天与の権利である土日とは区別しなければ、と欧州人は考えるのですね。見ようによっては、夏季休暇の定義に関してさえ、被雇用者は雇い主に対して喧嘩腰、とも思えます。

もう２０年近く昔ですが、台湾系のカナダ人K君がうちで研修していた時、彼は軍人だったお祖父さんとお父さんの躾けがいいので礼儀正しくて真面目で利発で、ユーモアもあり、当然流暢な英語なので仕事仲間にも人気がありました。私も一昔前の日本人を思わせるこの青年を息子のように思っていました。その彼が、夏休みを前にして私に「もう、びっくりしたよ」と言うのです。

「ウィルはこの夏、北米でキャンピングするんだって。ペーターはアフリカでサファリ、ステファンは地中海の島。この国では、ワーカー・クラスでもそんな贅沢なバケーションができるんだね。」

彼が驚いたのは、台湾や中国に比べての「労働階級」の豊さとゴージャスな暮らしぶり。

そうですよ、ドイツ人にはバカンスが命ですもん。それ自体が楽しいだけでなく、休み明けにどこへ行ったかを自慢するのもまた（もっと）楽しい。「見せびらかしの消費（conspicuous consumption)」という言葉がありますが、休暇の過ごし方・旅先というのは、第一に「見せびらかし」なんです。欧州人にとっては休暇でどこへも行かない・行けないというのが一番恥ずかしくて、何かの事情で自宅に居ざるを得ない時は、外からは留守に見えるよう鎧戸も全部閉めて食糧を買い込んで、今は携帯があるからそれで友達に電話して「俺、今、○○のビーチに寝そべって、目の前のビキニ娘たちを眺めているところ」なんて法螺を吹くんですって。

ところで、その３週間の夏休みの最初の３分の１ほどは私たちも休暇旅行ですが、雇用主である身には「見せびらかす」余裕などあるはずもなく、牛と羊と山羊ばかりのスイスの村でひっそりと過ごします。そこも田舎だし、私としてはそれなら自宅にいてもいいんだけど、ご飯を作らなくていいから、ま、同行しましょうか、というところです。(今日のメニューは、冷蔵庫の物を整理するために実だくさんのオムライスです。メニューが尽きたらオムライス、困ったときのナポリタン、これが私の標語ざんす。）

というわけで次回・次々回のコメントは遅くなりますので予めお知らせしておきます。

何だか訳の分からない英語での書き込みがあって厭ですね。ゲームとかプレイヤーとか自分には縁がないので、ちゃんと読む気がしないんですけど。こういうの、明らかにIntruder だと思うので、さっさと撤退してほしい。ちょっと危ない感じで、今回はコメントを控えます。事情が分かったら教えて下さい。

MMOexp: Opinions may vary, but I've found myself really enjoying the changes made to MLB The Show 25's Diamond Dynasty mode this year. While not perfect, the ongoing power creep and frequent content drops have injected life into the game, encouraging lineup diversity and experimentation in MLB 25 Stubs a way we haven't seen before. Yes, Live Series Collections and marketplace issues still need ironing out, but overall, it's a fun time to be grinding DD.

For players looking to stack value or earn top-tier cards through gameplay rather than opening their wallets, one mode stands out: Battle Royale. It's not quite the powerhouse it once was, thanks to some controversial tweaks, but if you're good enough, BR still offers a lucrative and exciting challenge.

What Is Battle Royale in MLB The Show 25

If you're new to the series or simply haven't dipped your toes into this mode yet, let's break it down. Battle Royale (often abbreviated as BR) is a competitive online mode where you draft a team of randomly offered players and try to win as many games as possible, up to 12, before taking two losses.

Each run costs 1,500 Stubs to enter, and you'll draft a 26-man squad consisting of:

    3 Diamond-rated players

    4 Gold-rated players

    9 Silver-rated players

    9 Bronze-rated players

    1 Common-rated player

Games are short, only three innings each, making the mode fast-paced and intense. The biggest prize is the Flawless Pack, awarded only to MLB The Show 25 Stubs those who win 12 straight games. Even if you fall short of Flawless, the rewards at 9, 10, or 11 wins are often worthwhile, especially if you grab high-value cards before they lose relevance.

子供の頃から大勢が嫌いだったことは先回お話しした通りですが、別に人間嫌いではないし、ご近所を避けているわけでもないので、郷里に帰るとその辺は適当にやっています。「まあ、お帰りですか」と会う人ごとに言われるのも面倒、幼馴染にもちょっと挨拶しておきたいから、帰国中はだいたい２か月くらい滞在することもあって予定がゆるせば「百歳体操」の集まりにも参加します。

さて、昨日あるエッセイを読んでいたら（もうだいぶ前に読んだから再読か再再読）、自分（著者）は昔から気が弱くて不器用で「いわゆるどんくさい奴」とあって、あ、これ、これ、私もどんくさい女、と思ったのは、友達からそう言われているからです。

体操教室を仕切っているのは竹馬の友、いやドイツ式に言うと「砂場の友」のアケミちゃんで、私は年に数回しか顔を出さないので、その順番など完全に忘れてる。また腕・足の筋肉を鍛えるため（正確には衰えを遅らせるため）、へんてこな重りを足や腕に付けますが、その重りの数も人によって異なる。私はせいぜい三個くらいらしい。でもそれも忘れています。

それでモタモタしていると、アケミちゃんがそのドスの効いた声、いやハスキーボイスで「ほらほら、三つやろ、何してるのん、まったくどんくさいんだから」と叱る。そこから「どんくさい」という形容詞の使い方を学んだようなものです。周りの人はその小言にびっくりして、「ひどいねえ」と言ってくれる人もいますが、なんのなんの、五歳の頃からの付き合いなので何を言われてもへっちゃら。

どんくさい、というのはそう悪いことでもなく、そういう評価が定着すると、「しゃあない」とちょっとした助けの手が差し伸べられることもアドバンテージです。スマートな人は反感を誘うことが多いのに対し、どんくさい男女には同情の目が。あら、私って結構ずるい。これは「どんくさい」と矛盾する。

今心配しているのはアケミちゃんの健康で、昔から腎臓が弱かったのが近年その機能が急速に衰えているんですって。若いときに妊娠・出産のリスクは聞かされていたのに、それでも男の子ふたりを産み、今は七人の孫がいます。あっぱれ。

アケミちゃんの地域活動に支えられている老人（我々より１０歳以上年長）は多く、とくに寡夫になってしまったお年寄りは陽気な彼女に頼っているので、どうか透析などせずに済みますように。はい、団塊世代の田舎暮らしのレポートでした。

ミニ世間をどうにかできなくて、広い世間を相手に出来るわけがない、とおっしゃいますが（いきなり挨拶抜きで本題に入る、このせっかちさ）、これは必ずしも当たっていないと私は思います。あれはプーチンだったか、「人類を愛することは簡単だが、隣人を愛するのはむずかしい」と言ったそうですが、それを聞いてこれは名言（迷言でもある）と思いました。

今の欧州の主要な問題に関連してつくづく感じるのは、政治家はもちろん一般市民も、人道主義とか世界主義とか無条件平和主義などという理想に捕らわれて現実を見失っている側面があり、国境を無くせ、国籍は要らない、などといいますが、いざ自分の町に価値観も慣習も全く異なる人が現れ、そこに溶け込もうとはせず自らゲットーを作って、国からの援助で暮らすようになると、にわか仕立ての人道主義など吹っ飛んでしまう。その生活保護の原資はこの町や村に根を張っている人たちの税金ですからね。

世間というか、社会というものの、最小単位はおそらく家庭でしょうけれど、この家庭がゆがんでいたりまっとうなものでなかった場合、人は幼い時から世間を憎むようになるのではないでょうか。子供だからその最小社会に抗する力はほとんどない、何かを不正と感じていてもそれを説明する表現力がない。のちの人生で遭遇する学校での虐めや、会社でのパワハラなど、実は自分を取り巻く家庭・親族に、そしてその家族を取り巻く村社会や町内に、その萌芽がすでにみられることも、珍しくありません。

同調圧力がおそらくもっとも強いのは、かつては、家族は一体でなければならない、異端がいてはならない（多様性って一体なんじゃ）、と考える親族からだったと思います。しかしこの親族も同じように育てられた人たちだから、ほかの家族観・社会観を持てるはずがない。今の世の中で、子の代の人間がその不条理に気付くころには、もう頑迷な祖父母も両親も伯父伯母もいなくなっている。

要するに、ミニ世間とは実はとても厄介なものだと言いたかったのです。これをうまくあしらう能力のある人は、市議会でも県議会でも、果ては国会でも、難事を乗り越えられる人だと思います。

（ちょっと話がそれますが、日本人って政治家の家庭内の問題、とくに夫婦の不和や離婚に厳しい目を向けるでしょう。そして「自分の妻一人をうまくあしらう事ができない人間が、国民を統治できるはずがない」なんて、それこそ飛んでもない迷言を口にして憚らない。

何をバカなことを言っているの、国民の機嫌を取って自分をアピールするのは、さほど難しいことじゃない。だけど自分の妻をいつも上機嫌に保ち、常に夫の生き方を是認させサポートさせるのは、これはもう至難の業ですよ。うまくいっているように見える場合でもその実態は分からないし、利害関係で結びついている場合が多いですからね。）

こういうアンフェアな家庭や理不尽なコミュニティを無くするには、正しい教育が必要だけれど、その教育一つを取ってみても、目指す理想というのが定まりません。為政者のみでなく、隣人や友人や同僚に対しても「賢いウォッチャー」でなければなりませんが、そのための判断力、知性・客観性に裏打ちされた批判力を養うにはどうしたらいいのでしょうか。学歴なんか何の意味もないことは、とうの昔に日本のみならず先進国のすべてにおいて判明しています。

この頃私は、結局ああでもない・こうでもないと右往左往しながら、何一つ会得しないままに人生を終えるのだろうな、と思うことがよくあります。

経験から、これはあってはならない、こんな教育・躾は誰が何と言おうと間違っている、こういう自身の欠点・弱点は正さねばならない、と明言できることはあるのですが、では正しく生きるにはどうすべきか・どうあるべきかと訊かれると答えられないのです。だから時々、もし神サマだか仏サマが現れて「そうか、不満タラタラの人生だったのだな。ではもう一度やり直させてやろう」と宣っても、私の答えは「いや、もう、結構でございます」となるでしょう。二度目の人生が今のよりマシになるとも思えない。

さて、くだくだと戯言を並べましたが、私が昨日見つけた言葉があります。demophobiaという言葉で、demoというのはご存知のように一般大衆とか民衆という意味。デモクラシーという言葉もここからですね。phobiaといえば恐怖症だから、demophobiaというのは直訳すれば大衆恐怖症ということになるかと思いますが、これは大勢の人が集まった場所や機会に恐怖を抱くということです。ギリシア語の「群衆」という言葉から生まれたenochlophobiaという言葉の方が適切かもしれません。

フォビアとまでいうと○○恐怖症で、症という語が示すように一種の精神的疾患に分類されるのでしょうが、恐怖症というのは病的とは限らず、閉所恐怖症、広場恐怖症、高所恐怖症などを持つ人には普通の暮らしの中で遭遇します。

私は自分にこのdemophobiaまたはenochlophobiaの気があることにだいぶ前から気づいていました。フォビアだから、大勢の人の中にいるとパニック状態になるとか心臓の鼓動が異常に早くなるとか、そういうことではなくて、ただ写真・動画に大群衆を見ると恐怖に捕らわれるのです。本当にぞっとします。これは子供の時からで、テレビの画面でも見るに堪えない。だから１７歳のときの東京オリンピックの開会式など楽しいどころか、早く終わってほしかった。そのあとビートルズが日本に来たときの、若い女性たちの興奮ぶりも、嫌悪感で吐き気がするという反応でした。

（demophobia／enochlophobiaという言葉は、インターネットではきちんと説明されていますが、私の持つ２０数年前の研究社リーダース英和辞典にはありません。買った当時は見出し語２５万語、ページ数２５５０とあって最大の辞書だったのですが。）

心理学者はこの恐怖症も幼児のトラウマなどに起因するといいますが、私の場合はそれが原因ではなく、むしろ物心ついたときから「大勢」というのが嫌いで、別に人が嫌いということはないけれど、どっと集まると逃げ出したくなる。人の固まりが嫌なんですね。

社交性は乏しいと言ってもまったくないわけじゃない。ただ、集まりはせいぜい６，７人にしてほしいというところで、実際郷里での小さな同窓会などは７人くらいの規模でやっています。

それで日本ではまだいいとして、私がドイツに来てから実際に身の毛のよだつ思いをしたのが、第二次世界大戦前のヒットラー台頭の時期のドキュメンタリーでした。写真の１は１９３６年のバイロイトでのイベントです。「長いナイフの夜（１９３４年）」と「水晶の夜・クリスタルナハト（１９３８年）」の間の時期。こんな風に熱狂するなんて、本当にドイツ人は狂っていたとしか思えません。その背景に、第一次大戦の敗戦と戦勝国から受けた残虐な仕打ちがあったとしても。

もう一つの写真は、１９３６年の有名なアンシュロス（ヒトラーによるオーストリア併合）に酔いしれるオーストリア国民の反応です。戦後オーストリア人は、自分たちはドイツ人から脅され強要されたのであって、合併は自ら望むところではなかった、と主張してきましたが、脅しと強制でこんなに熱狂するものでしょうかね。私はしぶしぶ合併を受け入れたオーストリア人には同情の余地があると思うものの、あとになって「あれは自分たちの意思ではなかった」なんて平然と言う国民は軽蔑しますわ。戦後作られたいろんな映画を見ても、オーストリア人は被害者だったように描かれていますが、彼らはそういう自分たちに忸怩とはならないのでしょうか。第一ヒトラーはオーストリア出身で、オーストリア国民の大半はそのことを誇りに思っていたはずなのに。

ということで、長くなりましたが、大勢が厭、群衆の集まりは大嫌い、まして熱狂なんてありえない、という私のような性癖も、実際には悪いことばかりではないと思っています。いや、むしろそういう人間の方が社会的には無害だと思いますよ。多分積極的な貢献は何もできませんが。

ただし、群れを成すのが嫌いでそれは妥協しなかったため、小学・中学生時代には「協調性がない」「人助けの精神に欠ける」「身勝手」と、もう教師連中からは散々でした。