私の1冊は森鴎外の「渋江抽斎」ですが、長いので同じ鴎外の史伝で「細木香以」。どちらも青空文庫に新字新仮名で収録されており、ネットで読むことができます。
https://www.aozora.gr.jp/index.html
前回はかつしか文学賞の大賞「かつしかロッキー」について盛り上がりましたが、ほかの優秀賞受賞の3作についても話してみたいと思っていますが、いかがでしょうか。
「夢を継ぐ者」「あんこと石のや」「葛飾橋」、それぞれに面白かったのですが、選考委員の評価が分かれていたように、一長一短で好みもあると思いますが、いずれも葛飾への地域愛にあふれた作品であることは共通していたように思います。
私の好みから取り上げてみたいのは、和菓子職人の家族の関わり合いを立石様を舞台背景に描いた「あんこと石のや」です。祖父の和菓子職人を中心とした、複雑な人間関係をきちんとプロットを組み立てて情感豊かに描いているのは「ロッキー」以上だと思いましたが、文章がやや生硬で独り善がりの表現が目立ち、完成度の点で大分減点されるのはやむを得ないとおもいました。また和菓子作りの細部や立石様との関わりについての掘り下げに物足りなさも感じました。
私の場合、 立石様については個人的に関心を持っており、機関誌78号に書きましたが、最初に書いたのは2015年5月で、まだ「かちねっと」が健在だったころにブログに書きました。今は集団疎開した兵庫県の地域SNS「ひょこむ」のサイトで読むことができます。
https://hyocom.jp/blog/blog.php?key=252966
あんこと石のや、、、がんばって読んでみます!