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執筆者の写真クレマチス

風信 沼のほとりから 第41号 令和五年文月

「炎暑の日々いかがお過ごしですか。コロナはどうやら鎮静の様子。マスク無しでは外出できない自分ですが、出会う人々もほとんどマスク姿。これぞ同時代を生きる好例とちょっぴり連帯感を覚えたりしています。


1950年以降のいわゆる人新世*は地球上生態系の第六の大量絶滅の時代とか。だいぶ前に騒がれたハルマゲドンや終末論を想起しますが、現代最高の地質学者たちの一致した見解だけに慄然たる思いを禁じ得ません。産業革命以来先進国中心に人類の犯してきた地球への悪行はもはや地球の負荷可能の限界を越えるものになりつつあります。AIの驚異的進化も人知の在りようと未来に明るさだけをもたらすとは思えない危惧を抱かせます。あれやこれや暑苦しい思いに眠られない熱帯夜を起きています。。・・・」(メールから)


閲覧数:44回2件のコメント

2 Comments


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Aug 04, 2023

しばらく前から、世襲ということについてよく考えます。一般には旧弊の代名詞のように思われていますが、実際はこの制度で社会がまわってきた部分もあり、ある種の商売は特殊な技術や客との特別な関係を必要とするので、それを子供の頃から見聞きして親の職業を継ぐということで社会の安定につながると思っていました。でも近年の特に中小企業の「後継者不足」に見るように、親の仕事を継ぐことに子供たちは魅力を感じていないようです。


ここではその原因について云々するのでなく、その世襲制度の衰退の中の例外について触れたいと思います。まず、政治家。それからエンターテインメントの世界。政治家の息子が政治家になるというのは、政治というものの胡散臭い面白さを幼い頃から目にして、いつの間にか自分もその中に浸りきってしまうのでしょう。傍の者から見ると、よほどうまい汁を吸えるのか、と勘繰りたくもなるというものです。


エンターテインメントの世界も2世・3世がやたら増えていて、これはやはり環境の為せる技でしょうね。ここも結構面白くて派手な世界なので引き込まれるのも当然、それから、俳優や歌手の子女というのは普通の庶民の暮らしを経験しておらず金銭感覚や世間との付き合い方も異なるので、彼らが普通のサラリーマンやOLになるのは難しいのかもしれません。


そんな中でいつも、わあ、これは大変だろうな、と思うのが「梨園」の人々。特に外の世界から梨園に入った妻たちの苦労は庶民の想像を超えるものでしょう。見知らぬ世界で右も左も分からぬ中、とにもかくにも夫を支え、おそらく他の女性との関係も忍ばねばならない。さらに大変な義務は、そこで子供を生み育てて「後継者」に仕立てねばならないことです。尾上菊之助の妻になった中村吉右衛門の娘さんなどは、その辺は理解し承知の上で嫁いだのでしょうけれど。


その中村吉右衛門の兄にあたる松本白鳳は本当に幸運な人だと思います。妻は芸能界とは無縁に人だったのに立派に次世代につなげて、今は七代目市川染五郎の時代になりつつあるし、娘は押しも押されもせぬ大スター。あの方(藤間紀子さん)など、書こうと思えば何巻もの苦労物語を世に出せるのではないでしょうか。

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繁 大村
繁 大村
Jul 15, 2023

どくだみの花の白さや梅雨に入る (しとしと降りかかる雨にどくだみの白十字が映えますね、とても落ち着きます) 夕焼けに富士見る沼の広さかな (夕焼けに立ち会い、視界に入る遥か彼方の霊峰から前景の 見慣れた沼へとたゆたう気持ちの広がりがストレートに伝わって参ります) 牛蛙ねぶとき声や沼暮れぬ (大地の一部のような声の 主の潜む沼がいつものように暮れてゆく平和…感じます) 夏の朝電線に鴉睥睨す(人を食ったような漆黒のプラスチックのようなくちばしの彼等は空を飛べない僕らをまさに睥睨していますよね…小憎らしい落ち着きに、思わずニヤリとしてしまいました) 釣り宿の広間に魚拓と蓮の花 (魚拓は広間に泳ぐ魚、水盤に浮かべた蓮の花の取り合わせは見慣れているのにシュール、空気感が何度でも再現されます!) 川筋に釣りの日傘や笹濁り (気だるさを感じる川筋の風景スケッチ、僕は好きです、何気なさに対する何気なくはない心寄せ) 今回も好いお作品ありがとうございます♪毎回心待ちにしています❣️

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