そして

内館牧子の3部作の2つ目、「終わった人」これも面白かったです。
岩手の田舎から東大へ、そして大手銀行へ入社し、出世競争に勝っていよいよ役員へと思いきや、子会社に出向そして転籍。
40人ばかりのその会社で定年をお迎えたところから始まり、これまでの人生のスタートからいろんな事が蘇る。その気持ちのあがきが手に取るようにわかり、時々クスっと笑う場面がそこかしこに。仕事が趣味だったので他の事は何をやっても面白さを感じられない、でも毎日暇だからどこか小さな会社に面接に行くが経歴を見てあなたを使えば、私も妻も疲れますと丁重に断られる。
その辺のいきさつに
よくもここまでで男心が描写できるものだとびっくりするやら感心するやら。
そんな中、スポーツジムで知り合った男の成長株のIT企業
の顧問を引き受け、第2の人生がスタートし、やっと自分が生き返った気がしてるところに、その社長が急死し、ついに社長を引き受けるが、大きな取引先の倒産により、結果自分の会社も同じ運命に。
そして15000万の負債を自分が引き受ける羽目に。
奥さんもまさか、こんな結末が待ってるとは思いもしなかったでしょうね。
離婚してくれた方がよほど楽だと思ったけど、最後に卒婚という形で郷里に帰るのですが、高校の同級生たちの現状を見ると、人生の終わりは誰も似たようなもので、横並びという事実にホッとするという処でおしまい。
この中で言ってたけど、サラリーマンはどんなに実力が有ろうと、運命を決めるのは他人だから、そこで終ってしまう恐れがあるけど、自分の技能1本でやってる人は世間が認めてくれれば定年無しにずっとやっていけると。
それをいち早く察知して子供が大学を出たらすぐに退職し、自分のやりたいことを勉強し、その道で
意気を感じながら生きてる人もいる、収入とか不安はあるけど、賭けに出る人もいますね。
人の一生は本当に山あり谷あり冒険の旅ですね。最近ラグビーの選手が30前?で引退し、医者の道へ進むという話を聞いてますが、彼もあのラグビーの根性で向かえば、きっと夢は果たせるでしょう。
世間も見守っていくのでは?
ありがとうございます! 社風、ならぬ、会風?になるといいなと思っています…せせこましい世の中に「マイペースのKBC会風」流行らせたいです♪