< 君の脳みそは僕の脳みそ >
って、考え出したのはいつだったっけ? 25、 6歳だと思う。人の考えることなんかどれも似たり寄ったり…と実用新案を考えているときに思った。平凡な頭で考えたって良い知恵は出ない。迷ったら人に聞いていこう、僕の処世訓。最近、迷ったら古典にあたろう、がプラスされました。
今から10年ほど前の2010年に発行された「ソーシャルブレインズ入門…<社会脳>ってなんだろう」藤井直敬著:講談社現代新書
(立石図書館に予約しておいて借り出した本です)
には「社会」と「脳」との深い関係についての考察が展開されていました。
脳を知るためには社会との関係を切り離すことはできない、そしてソーシャルブレインズとは
「自己と他者の脳が作る社会を前提として、その社会に組み込まれた状態の脳の仕組みをとらえる」
ということだそうです。素人考えでも…脳みそは常に社会との関連性で動いているとは思う。
このコロナ禍で、人との接触が少なくなって、勢い本を読む時間が増えました。図書館にリクエストしておくと東京中の図書館から本を探してくれます。予約から貸し出しまで全てパソコンが、というかシステムが処理してくれます。職員さんとの接触は基本ありません。予約していた本が来ると予約図書の小部屋に入って目的の本を借ります。その小部屋の本棚を見ていると近所の住民がどんな種類の本に興味があるのかがたちどころにわかります。分野別に分かれた棚の興味ある背表紙だけちょっとチェックしておくのが最近の癖になりました。個人個人の脳みそは多分これと同じことをしていると僕は思いました。1冊1冊の本にはおびただしい数の色別の付箋が挟まっている(今は挟まっていないけど読み進めるに従って頭の中に付箋が貼り続けられるという想像です)ホールソートというカード分類機を覚えてらっしゃいますか? 色別の付箋の代わりにたくさんの穴が開いていて編み物の綿棒みたいなものを通すと穴の位置の違いによって引き上げられるカードは区別される、確かそんな簡単な事務機でした。頭の中もきっと小さい階層から大きな階層まで同じような仕組みでたちどころに必要な情報が集まるんだと思いました。
つまり、集まった予約本の小部屋の本は日々めまぐるしく入れ替わる、ここを定点観測していれば社会の動きがわかる→大見出し。小部屋の各棚は属性によって分類されている一目瞭然だ→中見出し。さらに自分が予約して借りた本を読むことによって個人個人の脳が社会のほんの1冊分を脳に入力してキープする→小見出し
借り出しの手続きを踏まずに図書館のゲートを素通りすることはできない。個人情報はゲートでチェックされる。そこが社会だからだ。読んだ本によって個人に蓄積された知識は何らかの形で吐き出される(他の人に話したり、本を紹介したり、さらにはそこから別の本が生まれることもある、つまり本になることもある)。人間が社会的動物だからだ。こうして社会と人間は密接につながっていく。こうやって社会と人間は決断していく(私見)
僕はこの本(上記2段落目に紹介)を読んでこんなことを考えました。他の人はこの本を読んでどんなことを考えるのだろう。
ご参考(個人と社会の関係) :
※ミルグラム実験
※スタンフォード監獄実験
この本の中で紹介されているどちらも有名な実験(ググれば多分出てくると思います)ですが社会と個人との危うい関係を理解するのにインパクトが強く、心に刻まれます
人の持つ可塑性に慄然とします。
GAFA(ビックデータの保管と運用の専門家集団)の先輩格 →
ワシントン、霞ヶ関、青瓦台などのエリート官僚
書籍
ナオミ・クライン :
※ショックドクトリン(2007年):国家はここまでやるのかと思いました、紛争シナリオに乗じる世界
※地球が燃えている(2020年):図書館へリクエスト中
本を読むって本当に素敵なことですね
(次回は1週間ほど前に岡島書店で数冊買った中にあった山崎正和の「不機嫌の時代」を取り上げます。1冊100円で買ったこれらの本は クレマチスさんによると全て古典の部類だそうです。値段が安いこともあり店の前に無造作に積み上げられた数冊を大して迷うことなく選んで購入した理由はなんだろう? その時の気分としか言いようがない。
次々回は多分…松岡正剛の「日本と言う方法」とこれも100円で買った本を取り上げたいと思います、あっ、けさというか昨晩このフォーラムでクレマチスさんが牧野富太郎に言及するのに松岡正剛を取り上げていたなぁ!このシリーズいったいどこに着地するんだろう?)
今は、国会図書館へ調べ物や、閲覧のために出向くことはほとんどなくなりました。資料のデジタル化が進んで、実物を閲覧できない(触らせてくれない)代わりに、国会図書館もWebサービスが充実しています。
https://www.ndl.go.jp/jp/use/service/index.html